日本政府観光局(JNTO)は、ビジット・ジャパン事業の一環で、官民連携事業における2019年度事業化アイディアを公募し、3件を選定しました。JNTOでは2020年までに訪日外国人観光客数4,000万人突破、訪日外国人旅行消費額8兆円を目指す上で、民間企業等と連携した取り組みの1つとして今後のプロモーション活動に注目が集まります。
昨年度に実施された2つの事業と、平成31年度の3つの事業化アイディアから、官民連携事業による地域創生へ向けた取り組みについて見ていきましょう。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
平成30年度はキャンプとナイトタイム観光のプロモーションを実施

前年度は2つの官民連携事業が選定されました。1つはキャンプをキーワードとした訪日プロモーションです。世界のキャンプ愛好者をターゲットに、日本の自然に触れ合えるキャンプの魅力を発信しました。海外で開催されたキャンプイベントへの出展や、インフルエンサーを招聘し実際にキャンプを体験してもらうプログラムなど、さまざまな角度からキャンプ場をはじめとしたインバウンドの地方誘客促進を図りました。
2つ目はナイトタイムコンテンツの情報発信プロモーションです。近年夜間の観光も充実させ、訪日旅行の満足度向上を目指した取り組みが、都市部のみならず地方でも行われています。日本各地のナイトタイムコンテンツについて、海外のナイトタイムメディアやインフルエンサーを活用した情報発信を実施しました。日本でのナイトタイム観光の認知と興味拡大や、地方誘客促進が狙いです。
平成31年度の3つの事業化アイディアとは
1. アイランドツーリズムプロモーションで離島旅行の魅力発信

本プロモーションでは、自然・風景・体験アクティビティ・特産品・食等、多種多様な魅力を伝え、「日本の島旅」という新たな訪日旅行ジャンルの需要喚起が狙いです。都市部から全国各地の島を含む、地方誘客と消費拡大につなげるきっかけとして期待が高まるでしょう。
2. 日本の鉄道をテーマにした訪日プロモーション

鉄道ツアーへの関心が高い旅行会社の商品造成担当者を招聘し、国内の多様な鉄道と地域の魅力の視察や体験を実施します。新たに「日本の鉄道」をテーマとした旅行商品の造成促進を目指し、地方誘客と消費拡大につなげるプロモーションです。
2019年1月には、株式会社日本旅行ならびに株式会社日本旅行北海道が観光列車によるインバウンド向けのモニターツアーを実施しています。訪日外国人観光客を対象とし、JR北海道の協力のもとクリスタルエクスプレスに乗車する、「釧網本線 純白冬紀行」と題したツアーを企画しました。鉄道ツアーをインバウンド向けにPRすることで、地域活性化や交流人口の拡大を目指す動きが、すでに各地で見受けられます。
3. 日本のお祭りを活用した地方誘客プロモーション

日本各地のお祭りをコンセプトとした着地型ツアーを造成し、新たに「日本のお祭り」をテーマとした訪日需要の喚起や地方誘客促進を目指したプロモーションです。海外での情報発信や体験型コンテンツ予約サイトとの連携を図ります。
これまでも訪日外国人観光客向けツアーを取り扱うポータルサイト「Beauty Of Japan」と、お祭りツアーやイベント企画を実施する「オマツリジャパン」が業務提携し、訪日客が日本でお祭りを楽しめる体験型ツアーを展開しています。本プロモーションの実施で、インバウンド誘客による地方創生を目指した取り組みが、さらに活発化していくことが期待されるでしょう。
まとめ:官民連携事業でインバウンドの地方誘客促進へ
官民連携事業の事業化アイディアが3件選定されたことを受け、インバウンドの地方誘客へ向けた取り組みがこれまで以上に注目を集めると言えます。離島や鉄道、お祭りを活用するツーリズムといった、新たな訪日旅行のジャンルを確立し認知を拡大することで、地域ならではの魅力を発信し、訪日旅行のヘビーリピーターも取り込むことが期待されるでしょう。
<参考>
- JNTO:ビジット・ジャパン「官民連携事業」の事業化アイデアを決定!
- PR TIMES:シェアリングサミット2019×インバウンドツーリズムin五島 初の離島開催!
- PR TIMES:2019年1月31日出発!!冬ならではの道東の魅力を観光列車で訪ねるインバウンドモニターツアーを実施します!
- PR TIMES:ニッポンのオマツリを世界へ!「Beauty Of Japan」と「オマツリジャパン」が業務提携
【7/9開催】消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント
2024年、訪日外国人による旅行消費額は過去最高の約8兆1,257億円を記録。 そのうち中国は1.7兆円超(全体の約21%)と圧倒的な1位を占めており、宿泊日数や訪問者数でもトップクラスの存在感を示しています。
これだけ市場が大きく、経済インパクトのある中国インバウンド。 いま多くの企業が「中国向けに本格的な戦略を立てるべきではないか?」と検討を始めています。
しかし中国では、Googleをはじめとする多くのサービスに規制があり、中国現地のSNSや地図サービスを活用するなど、独自のカスタマイズされた対策が必要です。
本セミナーでは、インバウンド戦略の基本を押さえた上で、「中国市場の最新動向」と「具体的な対策」について、わかりやすく解説します。
<本セミナーのポイント>
- インバウンド戦略の基本が学べる!
- 中国インバウンド市場の規模と最新トレンドがわかる!
- 中国特有のSNS・地図アプリを踏まえた対応策を学べる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→消費額1.7兆円超!最新中国インバウンド市場の攻略ポイント【7/9開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!