近年急激に市場を広げつつある訪日シンガポール観光客市場。それらの市場から効果的に集客を行うためにはどのようにすればよいのでしょうか。
この記事では訪日シンガポール観光客の特徴や情報収集の方法、シンガポール人がどのような観光メディアを利用しているのかということを紹介しながらインバウンド対策を考えていきます。
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訪日シンガポール人市場の特徴・インターネット利用状況
国別で訪日客を見ると訪日シンガポール観光客は10番目に多いです。訪日客のなかでも大きな市場である訪日シンガポール観光客にはどのような特徴があるのでしょうか。
1. 訪日シンガポール人は約40万人
2017年は訪日シンガポール客が40.4万人訪れました。2013年の訪日シンガポール人は18.9万人だったので、5年で約2倍以上という計算になります。このことから、近年急激に市場が拡大していることがうかがえます。
2. リピーターが7割近い
2017年の観光庁の消費動向調査「2017年年間値の推計 集計結果(確報値)」によると訪日シンガポール観光客のうち、2回目以上のリピーターが67.7%でした。
これは全国籍の平均である61%よりも高く訪日シンガポール観光客はリピーターが多い傾向があることがわかります。
シンガポールのインターネット利用状況
プロモーションを行う上でターゲットとする訪日観光客の国籍でどの程度インターネットが利用されているかというのは重要なポイントです。
シンガポールでのインターネット利用状況はどのようになっているのでしょうか。
訪日中は「スマホが役に立った」72%
観光庁消費動向調査の2017年「2017年年間値の推計 集計結果(確報値)」によると、シンガポール人の「訪日中役に立った情報源」としては「インターネット(スマートフォン)」が72.3%でトップという結果になりました。
2位の「観光案内所(24.3%)」を大きく引き離しており、インターネットが訪日シンガポール人にとって非常に重要な情報源だということがわかります。
シンガポール人の84%がインターネットを利用

また「Digital2018」によると、シンガポール人の84%がインターネットを利用しており、そのうち93%がインターネットを毎日利用しているということです。
多くのシンガポール人がインターネットを日常的に利用していることから、WEBメディアやSNSを利用したプロモーションは効果的だと考えられます。
観光メディアは集客に効果ある?
観光メディアでプロモーションを行うことで実際に集客に効果はあるのでしょうか。きちんとプロモーションを行うターゲットを明確にし観光メディアを選ぶことができれば集客をすることは可能です。
観光メディアに広告を出したりタイアップ記事を出すことができれば認知度は次第に上がっていきます。認知している人が増えれば増えるほどその場所を訪れたいと思う人も増えるので集客につなげることが可能です。
そこで次に広告を出向したりタイアップ記事を掲載するメディアを選ぶ際の3つのポイントを解説します。
観光メディアを選ぶ際の3つのポイント
観光メディアを選ぶ際の3つのポイントは以下の通りです。
- メディアの認知度
- メディアの内容
- PV
この3つをおさえることができれば集客を効果的に行うことができるでしょう。それぞれ解説します。
1. メディアの認知度
まず最初はメディアの認知度です。そのメディアがターゲットとしている国や年代層でどれだけ知られているかということは重要なポイントです。
認知度が高ければ高いほど読者からの信頼度も上がり実際に訪れてもらいやすくなります。
そのためできるだけ認知度の高いメディアを選ぶようにしましょう。
2. メディアの内容
次のポイントはメディアの内容です。
観光メディアはそれぞれ自然・体験・グルメ・文化などフォーカスを当てるポイントが異なります。そのためメディアの読者の興味特性もそのメディアの内容によって大きく変わってきます。
集客を行いたい商品やサービスによって最適なメディアは違うので、自社・自店のジャンルにあうメディアを選ぶようにしましょう。
3. PV
最後のポイントはPVです。PVとはそのメディアが実際にどれだけ見られているかという指標です。
どれだけプロモーションしたいサービスや商品がメディアとマッチしていても、あまり見られていないメディアだと集客には繋がりにくいです。
そのためPV数は必要不可欠なポイントの1つです。
シンガポール向け観光メディア・支持される情報源
1. JNTO
JNTOは日本政府観光局のことでWEBサイトではインバウンドに関する様々な情報や資料を発信してます。
また情報は英語、中国語、韓国語、フランス語などを含めた全15言語に翻訳されており世界中の訪日観光客が情報収集にりようしています。
実際に観光庁消費動向調査の2017年「2017年年間値の推計 集計結果(確報値)」によると「訪日前に役に立った情報源」として「日本政府観光局ホームページ」をあげたシンガポール人が21.1%もいるほど信頼されている情報源となっています。
2. トリップアドバイザーなどの口コミサイト
観光庁消費動向調査の2017年「2017年年間値の推計 集計結果(確報値)」によるとシンガポール人の28.7%が「口コミサイト(トリップアドバイザー等)」で訪日前に情報収集をおこなっています。
訪日前の情報源では口コミサイトからの情報源が1位と、シンガポール人は口コミサイトを利用する傾向があります。
3. 公用語は4つ、英語メディアもプロモーション利用可
インバウンド対策で重要となってくるのがその国の国民がどの言語を使用しているのかということです。それによって発信する内容が変わってくるので、とても重要なポイントです。
シンガポールの公用語は英語、マレー語、中国語、タミル語の4言語です。
アジア圏ではもっとも英語力が高いとされており、英語の他にも複数の言語を話す人はめずらしくありません。
英語や中国語に対応した観光メディアは非常に多いですが、それらのコンテンツを利用してシンガポールのプロモーションに活かすことが可能です。
まとめ:シンガポールへのプロモーションには口コミサイト利用が効果的か
シンガポールのインターネット利用状況や観光事情、よく使われている情報源について解説しました。
シンガポール人は口コミサイトを利用する傾向が高いため、口コミサイトを利用したプロモーションが有効でしょう。
また主要訪日年代層とFacebookのユーザー年代層の分布がかなり似ているので、Facebookでのプロモーションも効果的だと考えられます。
<参照>
- JNTO:訪日外客数(2018 年 12 月および年間推計値)
- Digital in 2018 in Southeast Asia Part 2 - South-East
- 訪日ラボ:訪日シンガポール人観光客のインバウンド
- 訪日コム:訪日外国人向けメディア
- JNTO
- 生活者の視点から見たシンガポールの言語状況について
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