オンライン旅行代理店への脅威「Google Travel」は旅行者への福音?Googleが旅行業界へ本格参入、ホテル・フライト・観光情報が一元化

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Googleは5月14日、PC版旅行サービスGoogle Travelの提供を開始しました。これまで「Google ホテル検索」「Google フライト」など、別々に提供し機能を拡充し続けていた旅行関連サービスが、「Google Travel」として1つに統合しました。

今後、このGoogle Travel予約サイト大手にとっての脅威になるのではと話題になっています。

今回は「Google Travel」が生まれた背景と、そのサービス内容、そして今後予想される動向について見ていきましょう。


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スマホアプリ「Google Trips」のサービス提供を8月で終了

Google Trips」では、Googleのアカウントと連携することで、ExpediaBooking.comなどで予約したホテルやフライトの予約確認メールを自動的に管理。Gmailで個別に受け取るメールから、必要な情報のみ整理して、1つの旅行プランとして一覧で確認できます。周辺のおすすめ観光スポットなどの情報を、あわせて把握できるのもメリットの1つです。

Google Trips」を利用すると、事前に予約したフライトの時間や便名、ホテルの所在地や地図など、タビマエ・タビナカで必要な詳細情報を一目で確認できます。旅行のあらゆる予約やプランニング、旅行後のレビュー投稿といった、タビマエ・タビナカ・タビアトのプロセスをトータルでカバーする仕組みです。

なお、2019年8月5日でスマートフォン向けアプリGoogle Trips」の提供を終了し、今後はGoogle MapsやGoogle検索で、引き続きサービスの拡充を図ります。

Google Travel」では引き続き「Google Trips」のサービスを利用できるほか、新サービスの追加も予定しているとのことです。Googleは経営資源を集中し、さらなる旅行関連サービスの強化を図っていくのが狙いの1つでしょう。

Googleの旅行関連サービスを「Google Travel」に統合

▲Google Travelのトップページ
▲Google Travelのトップページ

旅行を個人で計画する際に、まずはGoogleで旅行先や料金などを検索といった行動が、すでに一般化しています。

こうして検索したフライトやホテル、レストランや観光スポットに関する情報は、それぞればらばらのサイト上に存在しているため、自力で膨大な情報源から集約する必要があります。

しかしGoogle Travelの登場により、フライトやホテル予約、レストランや観光スポットの口コミなど、旅行に関するすべての情報、手続きを、これ1つで完結させることができるようになりました。

▲都市名からホテルを検索
▲都市名からホテルを検索

▲気になるホテルをクリックすれば、各予約サイトでの金額が一目でわかるように表示される
▲気になるホテルをクリックすれば、広告出稿する各予約サイトでの金額が一目でわかるように表示される

Googleはこれまで「Google ホテル検索」「Google フライト」を別々のサービスとして機能の拡充を続けてきていましたが、今回開始された「Google Travel」はこれまでの取り組みの集大成と言えるでしょう。

今後はさらに、Google MapsやGoogle検索などでも利用できる仕組みづくりや、旅行をさらに簡単にする新機能の追加も検討しているとのことです。

▲Googleのアカウントと連携し、過去の行動履歴をトップページで整理してくれる
▲Googleのアカウントと連携し、過去の行動履歴をトップページで整理してくれる

「Google Travel」は予約サイト大手の脅威になりうる!?

米予約サイト大手のエクスペディア・グループのマーク・オカストロム最高経営責任者は「我々の最大の競合はGoogleだ。インターネット上で多くの人が集まる場所を持っている。」と述べており、Google旅行業界における存在感の大きさが伺えるでしょう。

Google Travel」で検索したフライトやホテルは、Expediaなどの外部の予約サイトに移動し決済します。Googleが手数料をとる仕組みのため、外部の予約サイトは直接予約に比べ取り分が少なくなるのが特徴的です。

Google Trips」は、Googleでの検索履歴から推測した旅行先の提示も行います。ExpediaBooking.comなどの外部旅行サイトの予約情報も含め、全て一括管理されるといった仕組みです。ユーザーにとっては便利な機能ですが、競合にとっては痛手となるでしょう。

▲目的地検索には、ガイド、お薦めスポット、観光プラン、旅行の計画を立てるのタブがある
▲目的地検索には、ガイド、お薦めスポット、観光プラン、旅行の計画を立てるのタブがある

▲「旅行の計画を立てる」には、日にちごとの航空券とホテル代金の概算が表示される
▲「旅行の計画を立てる」には、日にちごとの航空券とホテル代金の概算が表示される

Googleの旅行業界での存在感拡大が顕著に、新たな需要掘り起こしも

Googleが新しくリリースしたGoogle Travelは、タビマエ・タビナカ・タビアトと、旅行を包括的にカバーする点が最大の魅力であり特徴とも言えるでしょう。ユーザーの利便性向上の実現が期待される一方で、ExpediaBooking.comなどの外部予約サイトの脅威になることが予想されます。

ただし、利便性の向上により、ユーザーの旅行へのハードルは今後下がっていくと考えられます。日本の観光業界にとっては、これまでになかったニーズを持つ旅行者の来訪も期待でき、この環境にうまく対応することでこれまでになかった利益も生み出すことができるはずです。Googleはさらなる新機能の追加も予定しているそうで、今後もGoogleの旅行業界における動きからは目が離せません。

<参考>

・日本経済新聞:グーグルが旅行検索を統合 予約大手の脅威に

・Airstair:Google、「Google Travel」で旅行分野に本格参入 ホテル・フライトなど旅行サービスをすべて統合

・Airstair:【速報】Google、旅行プランを自動生成するアプリ「Google Trips」を2019年8月にサービス終了へ


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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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