本当に大丈夫?東京五輪の猛暑対策にあきれムードの日本国内、海外は意外にも好意的?

来年の2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催まで残り1年を切り、各地で様々な準備が進められています。そんな中、7月24日からスタートする開催期間の「酷暑」に対して、心配の声が上がっています。

海外からやってくるアスリートや観客は、日本の酷暑を体験したことがない場合が大半で、熱中症対策に関する知識にも乏しいため非常に危険です。

このような状況に都は、猛暑対策としていくつかの案を発表していますが、霧状の水を出すミストシャワーの設置や日傘の利用、打ち水などどれも先進技術というよりは昔ながらの方法を取り入れたものになっています。さらに、日差し対策の一環として「かぶるタイプの傘」を試作していると発表しましたが、そのビジュアルのインパクトが議論を呼び起こしています。


オリンピックの酷暑対策

酷暑のなかでのオリンピック開催は、激しい運動をする選手たちはもちろんのこと、大会を運営するスタッフやボランティアほか、観戦するお客さんなど関わる全ての人が熱中症の危険に晒されることを意味します。海外のメディアでも、死者が出るほどの日本の酷暑について取り上げられており、日本特有の高湿度を伴う暑さを報じています。

東京都はこれまで、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた「暑さ対策」として、首に濡れタオルや打ち水、バス停のミストシャワー、保冷剤などを対策候補にあげています。

今月、話題になった対策は、手荷物検査場の柵として利用を予定されているアサガオです。体温を下げる効果はありませんが「視覚的な涼しさ」を狙った策だとしています。科学的根拠にとぼしいこうした施策に対し、日本の世論の反応は厳しく、疑問視する意見が多く上がっているようです。

東京都は以前にも、暑さ対策として「かぶるタイプの傘」の試作を発表し、テストイベントでも活用すると明らかにしています。斬新なデザインには「ダサすぎる」「意外に悪くない」とネット上でのコメントが絶えません。

主に日よけ対策ですが、日差しを遮る素材で作られた直径約60センチの傘は、上部は風が通るように配慮してあります。傘の内側のベルトで頭に固定して、帽子のように頭にかぶります。

水分補給も自由にできない?

今年夏を例に見ても、熱中症注意喚起を知らせる各メディアでは「激しい運動は中止」「外出を控える」などの警告が出されるほどの暑さですが、テロや犯罪防止対策の観点から、観客の会場内ドリンク持ち込みを禁止するようです。

水分補給ができる環境づくり(自動販売機の設置等)は予定されていますが、熱中症対策の必須事項「水分補給」も簡単ではないと言えるでしょう。会場への飲み物持ち込みを認めるかどうかについては、再検討はされているようですが、防犯的な問題をクリアできるかが課題になりそうです。

これまでも大会組織委員会や東京都も暑さ対策をさまざまテストしていますが、どれも大きな効果は得られていないようです。組織委員会のある理事は、「熱中症対策」は選手や観客の自己責任になるのではと述べています。

日本の酷暑はそんなに危険?

連日の報道でも見受けられるように、日本のこの暑さによる熱中症は命に関わる問題です。今年の7月末から8月頭までの1週間の熱中症による救急搬送者数は、1万8,347名におよび、そのうち57名が亡くなりました

特に東京は、夜中や明け方でも気温が30度を上回ることも珍しくなく、世界的に見ても稀な都市です。そのため、たとえ競技のスタート時間を早めたところで、そこまで大きな効果が期待できません。

また、気温もしかりですが、酷暑時にはゲリラ雷雨も起こりやすかったり、台風が近づきやすかったりと天候面の心配が多い時期とも言えるでしょう。1964年に開催された東京オリンピック・パラリンピックは、10月10日から24日にかけて行われていたためこうした心配はなかったと考えられます。

国内ネットの反応

小池百合子・東京都知事は、暑さ対策アイテム「かぶるタイプの傘」を試作すると発表し、「五輪・パラリンピックで、暑さ対策は非常に大きな課題になっている。その一つのソリューション(解決策)で、手が空くのがポイント」とアピールしています。このかぶる傘について、写真とともに報じられると、この変わったデザインに困惑の声が相次ぎました。ネット上ではこの傘採用について酷評する声が上がっています。

一部では「両手が使えるので便利」「人目を気にしない園芸などに使えそう」など肯定的な意見もありましたが、多くの人がこのデザインについて疑問を持っているようです。

海外では意外に好意的?

日本では「ダサい」と酷評を得ている、かぶるタイプの傘ですが、間抜けなデザインとの声もある中、意外にもかっこいい帽子や本当に涼しくなったなどの好評な反応もあります。

この傘は、良いお土産になるという意見もあります。

まとめ

来年に迫る東京オリンピック・パラリンピックに向けて、今夏はさまざまな施策が実証実験されています。好意的な声もあるものの、実効性のある対策が取られなければ参加者の健康が損なわれることは目に見えています。こうしたリスクを回避するために観戦者が減ってしまえば、イベント全体の盛り上がりをトーンダウンさせてしまうでしょう。

日本の「酷暑対策」には批判的な意見が多く寄せられる中、日本のイノベーションを世界に発信するチャンスとして、日本の技術でこの暑さを乗り越えようという前向きな声もあるようです。

この暑さ対策意外にも、大会期間中の交通混雑への対処や予算問題など課題は山積みです。この機会に、初めて日本を訪れる外国人の期待を裏切らない環境の構築が求められます。残り1年を切った現在、早急な取り組みが必要でしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!