長野県は7月1日より、JRと県内私鉄4社(しなの鉄道・長野電鉄・上田電鉄・アルピコ交通)および沿線自治体と連携し、県内周遊フリーパス「NAGANO PASS」の発売を開始しました。
訪日外国人観光客の長野県における滞在時間を伸ばし、消費拡大を狙う新たな取り組みとして、注目が集まります。
今回は「NAGANO PASS」の特徴をふまえ、JRが提供するインバウンド向けのパスと組み合わせることで、インバウンドの周遊観光促進に対しどのような効果が期待されるのかを見ていきましょう。
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長野県の周遊観光を促進する「NAGANO PASS」
「NAGANO PASS」は販売期間を2019年7月1日から2020年3月27日とし、利用期間は2020年3月31日に設定されています。長野県内の周遊に便利な、しなの鉄道・長野電鉄・上田電鉄・アルピコ交通の一部区間が、大人は5,000円で連続した5日間乗り放題となるインバウンド向けのパスです。
購入条件はJR EAST PASS(長野・新潟エリア)、Hokuriku Arch Pass、JR TOKYO Wide Passを購入した訪日外国人観光客に限定しており、東京や関西圏からもお得にアクセスできるため、インバウンドの地方誘客促進への効果も期待されます。
インバウンド消費拡大の効果はどこから?
パンフレットには、グリーンシーズンとウィンターシーズンと題し、2つのモデルコースを紹介した上で、各コースで楽しめるアクティビティなどを掲載しました。グリーンシーズンでは、野尻湖サイクリングや上高地散策、善光寺といった観光スポットやアクティビティを、ウィンターシーズンでは訪日外国人観光客に大人気のスノーモンキーやスノーシュー、野尻湖のワカサギ釣りを紹介し、それぞれ4,000〜4,500円ほどお得になるとPRしています。
約100の割引特典が用意されており、長野県内における消費拡大効果が期待されます。沿線観光施設では、地域ならではの魅力が体験できるアウトドアアクティビティや温泉、ミュージアム、グルメなどで割引特典が利用できるとのことです。
二次交通の割引例としては、長野から白馬や小谷までの特急バス、松本OneDayPass、湯田中駅からスノーモンキーパークまでの路線バスの運賃割引などが挙げられます。割引情報とともに二次交通の情報も把握するきっかけとなり、長野県内の周遊観光が促進されるでしょう。
各JRパスはインバウンドのアジア人リピーターに人気
今回発売を開始した「NAGANO PASS」の購入条件になっている、JR EAST PASS(長野・新潟エリア)、Hokuriku Arch Pass、JR TOKYO Wide Passは、近年台湾や韓国、香港といったアジア圏からのインバウンド客のリピーターが多く利用する傾向にあります。
比較的短期間の旅行で訪れるスタイルが一般的ですが、東京や大阪から入国した後、リピーターは都市部に留まらず、新たな体験を求めて日光や軽井沢、河口湖、金沢といった周辺の観光地まで足を運びます。上記の3つのパスは、お得かつ短時間でスムーズな周辺観光を促進するでしょう。
特に訪日中国人観光客にとっては、お得な旅、公共交通機関を利用した旅は魅力のあるもので、旅ブログでは切符の買い方や有効期限、乗換方の解説が丁寧にされているものも少なくありません。スノーモンキーだけでなく、スキーのできる場所としても長野の知名度は上がってきています。
今回の「NAGANO PASS」の販売開始により、冬だけでなく年間を通じて楽しめる長野の魅力発信につながり、元々人気の高い上記の3つのパスと組み合わせて訪れる、長野県内の周遊観光がリピーターに浸透していくことが期待できるでしょう。
まとめ:長野県で訪日外国人観光客の消費拡大へ
「NAGANO PASS」のPRを含め、今後もインバウンドの中国人市場をはじめ、とりわけアジア圏のリピーター層や、スキーシーズンに長野を訪れるインバウンドの欧米人に対するプロモーションの強化が、長野県の周遊観光および消費拡大の鍵となるでしょう。
地域の二次交通の利便性向上から地域における消費拡大を促す、インバウンド向けのパス類の充実から、地域活性化への効果が見込まれます。既存の3種類のJRパスとの組み合わせで、長野県内の周遊観光の需要や消費拡大が期待されるでしょう。
<参照>
・長野県:グルメ、ショッピング、宿泊、交通割引など、100アイテムを超える特典付!県内初!私鉄4社連携 県内周遊フリーパス「NAGANO PASS」7月1日から販売開始!
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