東京ディズニーリゾートは、2018年に過去最高の入園者数を記録しました。2018年の夏も新アトラクションの運営を開始し、またスマホアプリや公式サイトでアトラクションの待ち時間や乗車予約ができるなど、年々アップデートを続けています。
こうした取り組みにより、東京ディズニーリゾートはチケットの値上げをしていながらも、入園者数3,000万人台をキープしています。東京ディズニーリゾートの入園者数が3,000万人を超えたのは2013年のことですが、今後も増加すると見られています。
この好調な業績の理由はどこにあるのかをデータが示す数字の裏側と、好調な故に抱えている課題をご紹介しましょう。
2020年の展望を踏まえて、ディズニーリゾートとインバウンドのつながりも併せて解説していきます。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
2018年東京ディズニーリゾートは過去最高の入園者数を記録
開園35周年の効果もあってか、東京ディズニーリゾートは2018年に過去最高の入園者数を記録しました(TDLとTDSの入園者数合算)。新規コンテンツを導入したことが要因に挙げられています。
1983年の開園時より、述べ7億5,000万人以上が夢の国を訪れていることになり、2020年のオリンピック効果によって今後もますますの入園者増加が見込まれています。
しかし、他のテーマパークに比べると、長く親しまれているディズニーリゾートには顧客減少の可能性があることも否めません。
まず入園者数の推移を確認し、その問題点を探っていきます。
東京ディズニーリゾート入園者数の推移
東京ディズニーリゾートの2018年の入園者数が、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーを合わせて3,225万人となったことを運営会社である株式会社オリエンタルランドは発表しました。
前年に比べて108.2%の増加(245万9,000人増)であり、これは過去最高の数字です。
2012年からの入園者推移を見ると以下のようになります。
2012年度:2,750万人
2013年度:3,129万人
2014年度:3,137万人
2015年度:3,019万人
2016年度:3,000万人
2017年度:3,010万人
2018年は上半期(4~9月)に入園者が集中し、こちらも1,551万人と過去最高の数字を達成しています。
記録更新の理由は35周年のイベントか
2014年に最多入園者数を記録した際には、大ヒット映画である「アナと雪の女王」の関連イベントが来園を後押しする形になりました。
2018年の上半期に入園者が集中した要因として「35周年“Happiest Celebration!”」が挙げられます。開園記念日である4月15日からスタートし、顧客を惹きつける大きな要素となりました。
デイタイムパレード、セレブレーションストリートの演出を期間限定で一部を変更し、好評を博しました。
新エリアもオープン予定
ディズニーリゾートは主に国内客が9割、海外客が1割で構成されています。国内客はほぼリピーターで占められており、顧客満足度向上を目指した新しいコンテンツが常に求められている状態です2020年春にも「美女と野獣エリア」がディズニーランドのファンタジーランドに誕生予定、2021年からも新アトラクションや敷地の拡大、大型ホテルの建設が進むなど、「まだ世界のどこにもない」コンテンツを開発する計画が発表されました。
ディズニーリゾートは2019年のエントランスリニューアルオープンを皮切りに、立体駐車場の新設を予定しています。
※2020年9月28日に新エリア「東京ディズニーランド⼤規模開発エリア」がオープンしました。
ディズニーが750億円の大改装開始!外国人の割合を高め、打倒USJ? インバウンド視点から分析
インバウンドでも大人気のテーマパーク 東京ディズニーランド、東京ディズニーシーからなる東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドが東京ディズニーランドの大規模改装に乗り出しました。先日2017年4月5日に東京ディズニーランドにて今回の大規模改装のの起工式を開催。その投資額は2パーク開園以来最大規模の750億円にのぼり、2020年春のオープンに向けて大規模改装プロジェクトを始動しました。目次オリエンタルランド 750億円を投じて東京ディズニーランドを大規模改装開始オリエンタル...
入場者数の増加に伴って様々な影響も
入園者増加という嬉しい悲鳴が上がる一方で、顧客満足度が年々低下しているとも言われています。
ディズニーリゾートでまず不満に挙げられるのが混雑状況です。人気アトラクションには数時間待ちの長蛇の列ができ、パレードを見物するにも場所取りが必須になるなど、「ルール」を心得ていないと楽しめない状況がネガティブな意見につながっています。
混雑による顧客満足度の減少
アトラクションが人気になるほど、待ち時間は比例して増えていきます。
現在のディズニーランド一番人気はスプラッシュ・マウンテンで平均待ち時間が84分、次いでモンスターズ・インク「ライド&ゴーシーク」が同74分となっています。
こうした問題を解決するために、ファストパスと呼ばれる「予約券」を発券していますが、混んでいる日にはそのファストパスを求めて行列ができてしまう状況です。こうした混雑に不満を持つ来園者も珍しくありません。
オリエンタルランドは入園制限を設けるなど、待ち時間の減少を実現すべく対策を講じてきました。しかしこうした入場制限に対しては不満の声が出ており、さらにはダイレクトに利益減少につながってしまうため、制限には慎重にならざるを得ない状況と言えるでしょう。
賞与による人材投資
増加する顧客に対して、対応しきれない理由の1つが人材不足です。
オリエンタルランドは19年度からアルバイトへの賞与支給を決定し、約2万人の従業に対して長期雇用の環境づくりを進めてきました。これまで最大年5回の賞与支給にこれが加わることになります。
また、60歳を超えたシニア社員の年収を30万〜100万円ほど引き上げ、非正規雇用とともに、嘱託社員の定着にも力を入れています。
一人ひとりの従業員の高いクオリティーを確保するためにも、2023年までに最大4,000人のアルバイトを正社員として雇用することが発表されました。
訪日観光客の入場者数に変動は?
これまでのディズニーリゾートを訪れた外国人からは、ネガティブな意見が聞かれることも少なくありませんでした。
「せっかくテーマパークに来ているのに長時間行列に並ぶことはありえない」という意見が最も多く、”足を運んで後悔した観光地”としても知られています。
では訪日外国人の来園者は減少傾向にあるのか?と言われれば、そうではありません。その理由を探っていきます。
訪日外国人観光客の割合も増加傾向
![▲[地域別来園者比率:株式会社オリエンタルランド ゲストプロフィールより引用] ▲[地域別来園者比率:株式会社オリエンタルランド ゲストプロフィールより引用]](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/4234/main_2019-07-29.png?auto=format)
ディズニーリゾートの来園者で圧倒的な割合を占めるのが関東圏の顧客です。
地方来園者は地域によって毎年変動があるものの、おおよそ30%前後で推移しています(関西圏はUSJの誕生により来園者数が減少傾向)。
これに対し、海外からの顧客は増加傾向にあり、2017年の9.8%をピークに2018年はやや減少したものの順調な伸び率を見せています。
日本の王道観光ルートである「ゴールデンルート」の配下にあることに加え、観光サイトの口コミでは「ディズニーシーは日本でしか体験できない」という意見も見られるなど、訪日外国人のコニュニティ内でも評判となっています。
日本観光の王道?ゴールデンルートとは
みなさんは日本横断ゴールデンルートという言葉を聞いた事がありますか?今回は訪日旅行客向け日本観光の王道、ゴールデンルートについて解説します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる目次インバウンドの王道観光ルート「ゴールデンルート」とは?その他インバウンドで人気の観光地まとめ:インバウンドの王道観光ルート「ゴールデンルート」とは?ゴールデンルートとは東京、箱根、富士山、...
2020年はさらに増加?
先述しましたが、2020年には「美女と野獣エリア」が誕生するほか、屋内シアター、映画「ベイマックス」をテーマにした新アトラクション、ミニーマウスと記念撮影ができるフォトスタジオがオープン予定など、新アトラクションが目白押しとなっています。
年間500億円以上の巨額投資を経て、さらなる魅力を発信する予定です。オリンピックイヤーと重なることもあって、電子マネー決済を導入するなど現金を持たない訪日外国人への対応にも余念がありません。
ただし、完全キャッスレスとは言いがたく、訪日外国人の中でも大きな割合を占める「中国人観光客」への対応が、今後の課題となりそうです。
2020年に向けてさらなる成長が予想される
2018年に過去最高入園者を記録したオリエンタルランドの計画は、2023年までに来園者3,000万人を達成するのが当初の目標でした。これが前倒し達成されたことによって、現在、新アトラクション・新エリアの増設が急ピッチで進められています。
テーマパークに混雑はつきものと言ってしまえばそれまでですが、アルバイトなどの人材にも注視したことにより、こうした問題も徐々にですが解決に向かうと見られます。来年2020年も入園者数の記録更新に期待がかかっています。
口コミで比較する「ディズニーvs.USJ」訪日中国人にはどっちが人気?
こんにちは。トレンドExpress編集部です。 日本にやって来る中国人観光客。その楽しみはショッピングにグルメ、伝統文化体験などが注目されていますが、若者のターゲットとなっているものに「テーマパーク」があります。 [blogcard url=”https://honichi.com/news/2018/02/20/chinasocialbigdata/”] 今回は日本のテーマパークでどこが中国人観光客をひきつけているのかについてご紹介。クチコミを分析してみると、意外な状況が見えてきま...
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!