【ラグビーW杯】イングランド代表がサムライに!話題の動画から「異文化描写」成功のコツを学ぶ

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先月から始まったラグビーワールドカップでは、日本は現在3勝をあげ快進撃を続けています。

選手だけでなく、英語の歌詞カードを持ち込んで対戦国の国家を熱唱する日本人など、観客のフェアプレーも話題になっています。

応援CMも例外ではありません。イングランド代表のスポンサー企業「O2」が制作したCMは、日本の伝統や歴史を尊重しながら選手たちの闘士を表現した内容になっています。

そこには「文化の盗用」にも配慮した、制作陣の熱意がありました。CM制作の背景と、世界中から寄せられた反響を紹介します。



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動画"Be their armour for England Rugby"とは

話題となっているCMは、イングランド代表スポンサー企業である「O2」が公開した1分半の動画です。ロンドンの広告代理店「VCCP」が制作しています。

O2は、自国イングランドで開催された前回大会で「Wear The Rose(薔薇をまとえ)」という行動喚起キャッチフレーズを展開しました。今回打ち出したキャッチフレーズは「Be their armour for England Rugby」、直訳すると「イングランドラグビーの鎧となれ」です。

舞台は日本を彷彿とさせる、緑と小川の流れる大自然から始まります。緑の中を馬に乗って駆け抜ける謎の覆面集団が、村にたどり着き、中央に薔薇の紋章が入った真っ白な甲冑を手に入れ、戦に出かけるという構成です。 霧の中をかけ抜けると、O2のロゴ入りユニフォームを着て競技場を走るイングランド代表の姿に変わっています。

日本の文化を”盗用”しない

動画には「日本」のイメージと結びつく数々の風景や小物が登場します。しかし、こうした描写は日本に長く暮らし、教育を受けている人にとって違和感なく受け入れられる描写になっています。

この動画の制作にあたって、制作チームは東洋アフリカ研究学院の専門家らと協力し、イングランド代表のコーチで日本人とのハーフであるジョーンズ氏を関与させるなど、文化の盗用や人種差別にならないよう配慮しています。

他国の文化や価値観を取り入れた商品には、もともとの意味を尊重している姿勢が見えるかどうかで、受け入れられるかどうかが左右されると言えるでしょう。O2のCMは異文化への敬意と自国のカラーを絶妙なバランスで組み合わせることに成功しています。

日本や世界からの反響は?

この映像に対しては、好意的な意見が多く寄せられています。

O2のCMに関するTwitter投稿
▲Twitter投稿:編集部スクリーンショット

Twitter:O2のCMに関する投稿(https://twitter.com/mikatravel24/status/1178738988640808965)

前回のW杯では、五郎丸選手の独特のポージングや、南アフリカ戦の劇的な勝利が話題になりました。今大会は日本での開催であることに加え、日本代表の連勝が進んでいるとあり、ますますもりあがっていくことが期待されます。

動画のコメント欄を見ると、「こんな素晴らしいPV見せられたらイングランド代表を応援せざるを得ない」や「白い鎧もかなりかっこいい!From JAPAN with Love.」など、CMを好意的に受け取る意見が多く見られます。

文化をまたぎメッセージを伝えるには?プロモーションのポイント

イングランド代表選手は、鎧をまといながら、それが日本文化をいたずらに用いたものではないというメッセージを伝えることに成功しています。それは鎧を身に着ける手順であったり、集落の様子の描き方であったり、細部に勝手な解釈が生じないよう注意した結果でしょう。

動画は、ある文化がなぜそのような形であるのか、その背景を丁寧に解釈し誤解が生まれぬような表現がされています。そのうえで、イングランドの文化を上手に融合させています。この姿勢こそ、異文化に敬意を払うということなのではないでしょうか。もしも自分勝手な異文化解釈による制作であったなら、今回のような支持は集まらなかったかもしれません。

日本の文化や習慣がワールドカップを契機に世界へ知れわたる?

O2のCMは、サムライや鎧をテーマにしており、日本の伝統を広く知ってもらうきっかけとなっていると考えられます。

今回のW杯を通じて、日本代表がロッカールームをきれいにして去る様子など、日本人のマナー意識の高さを始めとした振る舞いが世界の注目を集めています。

あまりの意外性に小さくない衝撃を与えるものもあるようです。例えば「入れ墨(タトゥー)」です。

イギリスでは、ラグビーワールドカップの日本での開催を前に、ハグやタトゥーは日本では決して一般的でなく、また文化の違いを踏まえずに行動することがないよう、コメディアンを起用した動画を作成し注意を呼び掛けています。

タトゥーは日本の伝統的な犯罪組織であるヤクザを連想させ、日本人に歓迎されない場合があるという情報に接し、タトゥーを隠す訪日外国人もいるようです。実際には日本においても、日本の文脈で異文化を解釈するようなこうした姿勢は、やりすぎではないかという声も上がっています。

異なる文化を持つ人々が快適に過ごせる環境とは何か、2020年にオリンピックの開催を控える日本が考えなければならないテーマと言えるでしょう。

訴求したい相手の文化背景を踏まえたプロモーションの有効性

サムライや鎧を登場させるO2のCMは、日本人やラグビーワールドカップを楽しみにしている人々に効果的に働きました。異文化を取り込んだ構成は、その文化を育んだ国はもちろん、その意外な組み合わせに他国からの注目も集めやすいと言えます。

こうした構成のコンテンツを作る際は、異文化への敬意を忘れないことが大切になってきます。どの立場にたっても気持ちよく見られるコンテンツとは何かを考え、プロモーションに活かしていくことで、大きな注目を集めるチャンスをつかむことができるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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