レジャー白書とは?余暇関連分野の需要・市場動向把握・マーケティング戦略立案・インバウンド増加の影響も考察

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レジャー白書は、日本国内の余暇の実態を総合的に把握できる資料です。1977年に創刊され、毎年夏に発行されています。

この記事ではレジャー白書とはどのようなものか、今年の傾向についてやインバウンドの影響はどのようになっているかについて紹介します。

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レジャー白書とは?

日本生産性本部余暇創研が、毎年恒例の「レジャー白書」2019年版の概要を発表しました。

「レジャー白書」は1977年の創刊以来、日本におけるレジャー関連の代表的統計として広く用いられてきました。

2019年度版の「レジャー白書」は今年8月に発行されています。まずは昨年2018年度版について紹介します。

日本のレジャーに関する白書

レジャー白書とは、日本全国の15~79歳の約3000人を対象とした国内余暇の実態を、需給双方の観点から調査してまとめたものです。

1977年(昭和52年)に発行が開始され、現在は財団法人社会経済生産性本部に設けられた余暇創研がこの白書を発行しています。掲載している内容は、参加人口、参加率(全体、性・年代別、地域別)、参加希望率、年間平均活動回数、年間平均費用、潜在需要、市場規模などです。

また掲載している余暇の種目は幅広く、スポーツ部門やビデオ鑑賞などの趣味・創作部門、娯楽や観光・行楽部門、そしてウォーキングやペットの世話などを含む「その他」の部門もあるほどです。

ちなみに白書とは日本の中央省庁の編集による刊行物のうち、政治社会経済の実態及び政府の施策の現状について国民に周知させることを主眼とするものです。現状分析と事後報告を中心とし、統計、図表、法令などのデータ集は含まれません。

レジャー白書は、余暇関連分野における需要・市場動向把握マーケティング戦略立案の基礎資料として活用できます。

2018年版の内容:藤井七段のおかげで将棋が好調

2017年の余暇市場は69兆9310億円で、前年比プラス0.2%増加しました。

訪日外国人旅行者の増加で観光・行楽部門が伸び、特にインバウンド効果によってホテルが大きく伸びています。旅行業では海外旅行が拡大しました。
一方では、市場規模の大きいパチンコ、パチスロの落ち込みが顕著で、全体としては微増にとどまっています。

余暇活動の参加人口を見ると、1位は「国内観光旅行」で5240万人となり、11年以来7年連続の首位をキープしています。ただ、16年と比べると90万人減少しています。2位は外食で3980万人、3位は読書の3870万人です。

上位種目に大きな変動はなく、伸び率が高かったのがテレビゲームやソーシャルゲーム、将棋などです。特に、将棋の参加率は16年の5.3%から7%と大きく増加し、藤井聡太七段ら新旧スターの活躍が影響しているものと思われます。

2019年版の「レジャー白書2019」

続いて、2019年版の概要と注目すべきポイントについて紹介します。

余暇市場は前年比0.1%増で、ほぼ前年と同じ

日本生産性本部余暇創研が発表した2019年版「レジャー白書」の概要によると、2018年の余暇市場は71兆9140億円となりました。伸び率は前年比0.1%増で、ほぼ前年と変わりません。

種目別余暇活動の参加人口の首位は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が5430万人でした。続いて外食が4180万人、読書が4170万人となり、これらの順位は前年と変わりませんが、参加人数は増加しました。

ほかに順位が上がった種目としては、9位「ウィンドウショッピング」、14位「SNS、ツイッターなどのデジタルコミュニケーション」、15位「園芸、庭いじり」、17位「体操」、18位「トランプ、オセロ、かるた、花札など」がありました。

部門別で見てみると、観光・行楽部門の市場規模は前年比4.1%増で、インバウンド効果でホテルが大きく伸びた一方で旅館は停滞ぎみです。

スポーツ部門では、アウトドア、フィットネス、ランニング、卓球、バドミントン関連用品が堅調で、7年連続の増加となりました。

娯楽部門では、インバウンド効果の影響で外食が伸び、ゲームセンターやボートレースや地方競馬も好調でした。

2018年の注目ポイントは??

1人当たり平均参加種目数は2015年から2017年にかけて減少傾向でしたが、2018年は前年比0.7 種目増加して12.4種目となりました。部門別では全部門で増加し、年代別では、男性は30代以下の伸びが目立ち、女性は20代~60代が昨年より参加人数が増加しました。

平均参加種目数が増加した男性20代では、ゲーム関連での伸びが目立ち、「ゲームセンター、ゲームコーナー」「テレビゲーム(家庭での)」などで参加率が上昇しました。男性30代では「ドライブ」「ジョギング、マラソン」「カラオケ」などの順位が上昇しました。

インバウンドの影響はどう出てる?

2018年の余暇市場は71兆9,140億円で前年比0.1%増と、わずかながらプラスとなりました。インバウンド効果により観光・行楽部門がプラスとなり、娯楽部門でも外食インバウンドの影響を受け増加しています。

各部門のインバウンド効果というのは、具体的にどういうことなのでしょうか。インバウンドの影響を受けている外食、ホテルについて詳しく説明します。

外食

2018年の娯楽部門ではインバウンド効果を受け、外食の参加人口が伸びています。

外食産業自体は1997年以降低迷ぎみでした。しかし2010年以降市場規模がやや拡大しているのです。これには訪日外国人の増加に伴い、旅先で消費する飲食代が増加したことも影響しています。

インバウンド消費という点では、訪日外国人の増加によって今後の飲食業界に追い風となるでしょう。

飲食店の中でも特に、日本食の店舗インバウンド消費の恩恵を受ける見込みです。なぜなら、旅先で本場の料理を食べることが旅の目的の一つとなっているからです。

観光庁が実施した外国人へのアンケートによると、人気のある日本食は寿司、ラーメン、肉料理となっています。

ホテル

ホテルのインバウンド効果の影響もあり、観光・行楽部門は前年比4.1%増加しました。

ホテル業界では2015年辺りから、増え続ける訪日外国人向けにホステル形式の宿泊施設が急増しています。

価格は相部屋・素泊まりが3000円前後で、宿泊者が自由に交流し情報交換ができる「コモンスペース」(休憩所)を併設したり、SNSでの拡散をねらってロビーまわりに日本各地の観光地を描いた“撮影スポット”を用意したり、と訪日外国人向けの対応に力を入れています。

なぜ宿泊料金が低価格であるのに上記のようなサービスが実現できるかというと、バブル期にできた遊休物件をリブランドすることや、都内に増えている空きオフィスビルを利用することによってコストを抑えられるからです。こうした空きスペース利用により、今後もインバウンド宿泊施設は増加していきそうです。

前年の傾向との対比で最新の傾向を把握、インバウンド業界の参考に

日本生産性本部による「レジャー白書」2019年版の発表に伴い、2018 年の種目別余暇活動の参加人口のデータが明らかになりました。部門別で見てみると、観光・行楽部門や娯楽部門でインバウンド効果の影響が確認できました。

特に最近は「コト消費」への関心の高まりがインバウンド市場でも顕著です。「レジャー白書」では前年の傾向が把握できます。余暇関連分野における需要や市場動向への理解を深めれば、より効果的なマーケティング戦略を立てることもできるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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