インバウンド市場における中国の存在感の増大が伝えられて早数年が経ちます。中国の人口は14億に迫り世界一位で、全国的にみれば農村部や内陸部などまだ発展の余地がある状況ですが、世界への経済的、政治的影響力は非常に大きくなっています。
中国の通貨である人民元の世界における存在感も増しています。今年秋には、中国の中央銀行である中国人民銀行がデジタル通貨である「デジタル人民元」の発行に向けて準備を進めていることが伝えられました。このデジタル人民元が実現すれば、現在話題になっている米中貿易戦争にも小さくないインパクトをもたらすと考えられています。
この記事では、中国の人民元やその歴史について触れ、訪日客数トップである中国のインバウンド状況や、今後訪日中国人を誘致する上でポイントとなる内容について解説します。
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中華人民共和国の通貨「人民幣」
中国の通貨単位は「元」です。他国の通貨と比較するような文脈では「人民幣」の呼称を利用します。どちらも金銭を数える際に使える表現です。中国の中央銀行である中国人民銀行で発行されています。ここでは、人民元の基本的な情報や歴史について紹介し、最近の人民元安についても解説します。
基本情報
まずは人民元の基本情報を見ていきましょう。
- 中国で使用されている通貨の基本単位は「元」(人民幣/RMB/レンミンビー)
- 1元=約15.45円(2019年11月22日時点)
- 流通している紙幣…5角、1元、5元、10元、20元、50元、100元。硬貨は1元とそれ以下のものがあります。
- 外国為替では管理変動相場制が採用されています。
地域貨幣に代わる管理通貨として創設された
人民元は、中国建国の少し前である1948年に、複数あった地域貨幣の代わりに管理通貨として発行されました。当時の中国は社会主義を目指しており、外国取引は限定的で、外貨取引は政府の管理下にありました。時代の流れとともに、自国の通貨を市場の需給に合わせてレートを決定する変動相場制度への移行を迫られ、現在は管理変動相場制が採用されています。
それでも中央銀行である中国人民銀行が中国元のレートを強く管理し、値動きが決定されるなど、レートの揺れ幅はいまだ限定的であるといえます。
ドル高・人民元安
2000年代より輸出主導で成長を遂げてきた中国ですが、ここ最近は経済成長が減速傾向にあり、先行きも不透明な状況です。中国政府は、公共事業などに投資することで国内企業を強化し、高成長を遂げてきました。しかし近年は、公共事業にも不採算案件が増え、かつての「世界の工場」としての地位も低下してきています。
香港での反政府デモや中国内の民族問題など、中国共産党への不満や批判は小さくありません。今後の中国共産党の取り組みがこうした通貨の国際競争力を左右することになるでしょう。
訪日中国人の特徴
人民元について見てきましたが、ここからは日本との関係についてインバウンド市場に注目して見ていきます。
近年は訪日外国人旅客数が増加は著しく、中国はその中でも圧倒的な訪日旅客数を記録しています。そんな訪日客数市場第一位の中国人について、インバウンドデータ、旅行者の特徴、そして最近話題の「神薬」について紹介します。1. インバウンドデータ
日本政府観光局(JNTO)によると、2018年の訪日中国人数は838万34人で、前年比13.9%の伸び率となりました。消費総額は1兆5,450億円(確報値)で、一人平均で約22万5,000円となります。この数字は全国籍・地域と比べても、特に買い物が占める金額が他国と比べて格段高いといえます。
その背景には中国人の国民性が関係しており、日本土産を購入し現地で配るという行為がメンツを保つために有効であるといった考え方が関係しています。
2. 中国人は何のために日本に来るか
昨年一年を見てみると、中国人はリピーター46.09%、初めて日本に来る人の割合が53.91%と、初めての方が若干多くなっています。また、家族や親戚など団体で来日する人たちが多いという特徴があります。来日目的は仕事よりも観光やレジャー目的が多くなっています。
日本のドラッグストアやコンビニエンスストア、空港の免税店、百貨店、デパートなどで中国人が買い物をしている光景を見ることも多いでしょう。
中国人には日本製品が好きという人も多く、例えば爆買いという言葉が流行した2015年頃は家電などの高価で大型なものがたくさん買われていました。現在は化粧品や菓子類、医薬品などの比較的安価で小さいものが人気となっています。
データでわかる訪日中国人観光客
爆買いという流行も後押しし、2015年の中国人訪日外客数は前年の約2倍となる499万人となりました。また、2015年の訪日中国人によるインバウンド消費額は約23万円で前年比10%増程度ですが、訪日外客数増加の後押しをうけ、訪日中国人全体のインバウンド消費額はなんと5,583億円。
3. 「神薬」とは?
「爆買い」ブームが去ったと言われる今でも、医薬品の人気は衰えていません。数多くある医薬品の中でも、特に「神薬」と呼ばれる中国人に人気の複数の医薬品があります。神薬が注目を集めた理由は、2014年に中国の大手ポータルサイトに掲載された「日本に行ったら買わねばならない12の医薬品」という記事です。熱さまシートや龍角散など、日本でも知名度の高いものばかりが12種類「神薬」として紹介されています。
12種類のうち5種類は小林製薬の製品で、わかりやすいイラストの付いたパッケージが中国人にヒットした理由のひとつだと言われています。今後も神薬は訪日中国人市場で注目すべき商品でしょう。
訪日中国人に情報を届けたり商品を購入してもらうには?今注目されているトピックは?
インバンド市場における売り上げ拡大や集客を考えるとき、市場で圧倒的多数である中国をターゲットにすることも当然検討するでしょう。中国の消費者にリーチする際に気を付けるべきことは、多くの場面で政府の介入が起こり得るという点です。インターネット利用においてもアクセス制限があり、また現金の持ち出しについても厳しく制限されています。
この続きから読める内容
- インターネットサービスへのアクセス制限、オンラインコンテンツには検閲も
- グレートファイアウォールとは?中国のネット規制・回避方法・インバウンドでの対策についても解説
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- キャッシュレス決済
- 中国のキャッシュレス事情 │ メリット・モバイル決済・インバウンド向けキャッシュレス決済導入3事例
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