同じアジア諸国でありながら、英語力の高いマレーシアは、他民族・多言語の国として知られています。また近年では、欧米に比べ安価なうえに多様性を学べることから、海外留学先としても人気がでています。
ここではマレーシア人の英語力の高さや「マングリッシュ」と呼ばれるマレーシア流の英語について歴史や文化からみていきます。
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マレーシアの英語力はどれくらい?
マレーシアは純粋な英語圏の国でないものの、マレーシア人の英語力は、日本人にくらべはるかにい高い水準にあります。日本と違い、多言語の国マレーシアでは、英語は生活の中でコミュニケーションをとるための手段として使われています。そのためマレーシア人の英語は、幅広い年齢層に浸透しており、日常生活では全く問題のない程度の英語力が身についています。
アジアの中でも高い英語力を持つ
海外留学サポート事業を経営するEF Eduction First社の行った、英語能力ランキング調査によると、マレーシアは世界88か国中第26位に位置しています。
これはランキングの中でも能力が高いと判断される順位にあたります。アジア圏では、シンガポール、フィリピンに続いて、3番目に高い水準です。この背景には、マレーシアが、かつてイギリス植民地であった影響が大きいといえます。
独特の訛り「マングリッシュ」って?
マレーシア人の話す英語はマングリッシュと呼ばれています。マングリッシュとは、マレーシア語と英語を組み合わせた、独自の言い回しのことです。アメリカ英語を聞きなれている日本人にとっては、マレーシア人の話す英語は訛っているように聞こえるかもしれません。
一般的にマレーシア人の英語は、単語や文節を区切って発音されるため、日本人にも聞き取りやすくなっています。また難しい言い回しを使うことは少なく、簡単で省略した英語を話します。
「マングリッシュ」の特徴
マングリッシュの特徴のひとつに、語尾に「-lah」(ラー)をつける、というものがあります。「OK-lah.」(いいよ)、「So sorry-lah.」(ごめんなさいね)のように、親しみや申し訳なさを伝えるために添えられるものです。同じように、語尾に「-yah」(ヤー)をつける、というものもあります。こちらは女性が好む表現で、柔らかい印象を与えます。日本語の「~ね」「~よ」にあたる表現です。
ほかにも、3単元の「s」などを使わない、動詞は現在形で表現するといった特徴があります。時制は、単語ではなく助動詞や副詞で表現をするので、最後まで聞かないと意味が通じないことがあります。
マレーシア人の英語の特徴がつかめれば、マレーシア人の話す英語の理解力が深まります。
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マレーシアはなぜ英語力が高い?
マレーシアでは、マレー系、中華系、インド系や少数民族で構成された多民族国家です。英語は民族をまたいだ共通言語として、日常的に使われており、マレーシアでは生活の中でのコミュニケーションのひとつです。もともとイギリスの植民地であったこともありますが、マレーシア独立後も、教育の多くが英語でなされていたことが、英語力の高さの維持につながったと考えられます。
元々はイギリスの植民地だった
マレーシアに英語が浸透している理由のひとつが、もともとイギリスの植民地であったことがあげられます。マレーシア連邦成立前後も英語が公用語とされたため、英語が国内に浸透していったと考えられています。多民族国家のマレーシアでは、それぞれの民族の母語に加え、英語が各民族の共通言語として使われてきたため、必然的にマルチリンガルな人が多いといわれてます。多民族国家のマレーシア
マレーシアの人口は、約7割がマレー系、2割が中国系、1割に満たないインド系と少数民族で構成されています。公用語は「マレー語」とされていますが、実際は中華系マレーシア人は中国語(北京語・福建語・広東語)を、インド系マレーシア人はタミル語を使用しています。
各民族内では各民族の言葉で話すことが日常です。そのためマレーシアでは、異なる民族間の共通の言語として英語が用いられやすい、という背景があります。
盛んな英語教育
マレーシアはイギリスから独立後、マレー語重視の教育に転換したことで、英語教育の水準が低下していたこともありましたが、その後国際化に対応できる人材育成のニーズが高まったことから、2004年からはマレーシアの教育全体で、理数系の科目を英語で教えることが義務づけられました。しかし国内での反発をまねき、2012年からは理数系科目を英語で教えることをやめ、ふたたびマレー語教育重視へ切り替わりました。
政治に左右されてきたマレーシアの英語教育ですが、2016年からは英語もしくはマレー語のどちらかを選択して理数系科目を学べるようになっています。
現在は小1から英語が義務教育となり、低学年ではスピーキングとリスニングに重点を、高学年では読み書きに重点を置いた授業がされています。
マレーシアでの語学留学も人気上昇中、その理由は?
英語が浸透している国として広く知られるようになり、また治安が比較的よい国といわれるマレーシアへの語学留学は人気が上がってきています。マレーシア留学の人気の要因ともいえる、欧米などに比べて留学費用が安い、留学の形態が多様化している大学の制度、多民族国家でいろいろな人と出会える経験などについてくわしくみていきます。
1. 欧米よりも格安で留学
海外留学にかかる費用は、授業料だけでなく、渡航費や現地での生活費など様々な出費が考えられます。マレーシアは語学留学の授業料が安いだけでなく、欧米などにくらべ渡航費もかなり安くなります。また長期にわたる現地での生活費も、食料品や外食、公共交通機関の料金などが日本の約3分の1程度ですむなど、物価が安いことも人気の一因です。温暖な気候のマレーシアなら、費用をおさえながら、海外留学を経験することが可能です。
2. 留学の形態が多様
マレーシアの大学では、イギリスやオーストラリアの大学と提携しているプログラムが多く、さまざまな進学ルートの選択肢があります。たとえば、マレーシア国内の大学と提携大学でのそれぞれの勉強期間を設定し、提携先の学位が取得できるツイニングプログラム、双方の大学の学位が同時に取れるダブルディグリープログラムがあります。ほかにも、海外大学の分校にあるプログラムの中には、教育の水準、取得学位等は本校と同じままで、学費はマレーシアの物価水準にあわせて設定されているものもあります。欧米の大学へ直接進学しなくても、マレーシアを経由する事によって、その大学の学位が取得できるシステムは、経済的負担の軽減につながるメリットといえます。
3. 多民族が集まる国の貴重な経験
マレーシアは、マレー系、中華系、インド系3つの民族で成り立つ多民族国家であるため、多言語にふれたり、宗教やさまざまな文化の違いを体験できます。多くの文化に触れてみたいと考えている方には最適な国といえます。なかでもマレーシアの首都クアラルンプールの大学などでは、世界100か国以上から留学生が集まってきており、幅広い国際交流が期待できます。実際に肌で他民族を知ることは、人生において貴重な経験といえるのではないでしょうか。
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マレーシア人とのコミュニケーションは英語が話せればスムーズに
アジアの中でも高い英語力を持つマレーシアの人びとは、多民族国家という背景から、英語を母国語としない外国人の英語にも寛容です。不完全な英語でも臆せず話しやすい環境が整っています。
文法を気にしてなかなか言葉がでない日本人にとっては、マレーシアは英語への敷居が低くなる国ともいえます。それにマングリッシュは非ネイティブの日本人にとって、聞き取りやすいといわれています。英語はあくまで伝える手段と考えれば、よりコミュニケーションがとりやすくなるのではないでしょうか。
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