中国の武漢で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)は、日本でも感染が広がり、国内では初の死者も確認されるなど、人々の不安と緊張が高まっています。
そんな中、武漢から帰国しホテルで隔離されていた人々が2月13日に帰宅をしました。また集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」でも、高齢者を中心に一部の乗客が下船を始めていますが、日本政府の決定に賛否両論の声が上がっています。
問題となっているのはそれだけではなく、以前から懸念されていた国内外での風評被害や差別が深刻化をしているようです。今回は新型コロナウイルス(COVID-19)と日本を取り巻く風評被害について、最新の情報をお伝えします。
関連リンク
新型コロナマップまとめ
ついにマスク転売禁止へ「#転売ヤー死亡」タグが
日本からの渡航制限や行動制限ありの国・地域まとめ
【新型コロナ】東京オリンピックホストタウン受入中止が発生
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
隔離されていた人々が無事に帰途につく
武漢からチャーター便で帰国した人の帰宅や、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に滞在中の人が下船をしています。
武漢からのチャーター便(第1便)帰国者は全員が帰宅
1月12日、国立感染症研究所が行った検査によると、武漢市からのチャーター便(第1便)で帰国し、宿泊施設に宿泊中の197人全員の陰性が確認されました。そのため、千葉県勝浦市内のホテルに滞在していた176人は、2月13日午前までに全員が帰宅しました。
ホテルのそばでは地元の人たちが「勝浦でお過ごしおつかれ様でした。次回は磯の香を楽しみにおいでください」と書かれた横断幕を掲げ、日本政府が用意したバスなどを利用して帰宅する人々を見送りました。
高齢者を中心にクルーズ船からの下船の方針
厚生労働省の発表によると、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、2月14日から80歳以上の
- 船内で窓のない部屋で生活している人
- 窓はあっても開閉できない部屋で生活している人
- 基礎疾患などを抱えている人
を対象に、希望者には新型コロナウィルス検査を実施し陰性が確認でき次第、下船が可能となっています。下船後、潜伏期間が経過するまでは日本政府が用意する宿泊施設へ滞在することとなっています。
すでに2月14日時点で11人が下船をしています。
心配される風評被害や差別
感染者数が日々増加し日本国内で初の死者も確認されている新型コロナウイルス(COVID-19)、ワクチン開発にも時間がかかる見通しとなっており人々の不安も大きく、風評被害の拡大が懸念されます。
千葉・勝浦、横浜を取り巻く混乱と風評
千葉県勝浦市にある勝浦ホテル三日月が武漢からの帰国者の一時滞在受け入れに際、称賛と不安の声が上がり一部報道ではホテル従業員の家族への心ない言葉がかけられたこともあったようです。勝浦市は住民説明会を行うなど、地域住民と帰国者への対応を真摯に行いました。
2月13日付けで「武漢市からの帰国者の帰宅について」という資料を作成し、滞在者と勝浦ホテル三日月の従業員全員の陰性が確認されたことを伝えるとともに感謝の意を述べています。
Twitter上では他に、隔離されている感染者を警戒する声や外出への不安を訴える声が多く見受けられます。
Twitter:隔離されている感染者を警戒する投稿(https://twitter.com/Cassis_yokohama/status/1228168628568092672)
Twitter:感染者の受け入れに関する投稿(https://twitter.com/1Centhayaku1Yen/status/1228154676610134016)
アジア旅行のキャンセル懸念、アジア人への差別も深刻に
風評被害は国内だけの問題ではありません。中国と同じアジア地域として、日本に対する風評被害や差別も懸念されています。
カナダの世論調査機関アンガス・リード研究所が2月5日に発表した新型コロナウイルスに関連する調査結果によれば、2020年後半に中国やシンガポール、タイ、日本などのアジア地域に旅行する計画があると仮定した場合、48%がキャンセルすると回答しました。
カナダのオンタリオ州マーカム市市長のMayor Frank Scarpitti氏はTwitter上で、カナダ国内の中華麺店「武漢ヌードル1950」が、いたずら電話やソーシャルメディア上で誹謗中傷など、風評被害にあっていることを投稿しています。
Twitter:カナダのオンタリオ州マーカム市市長による投稿(https://twitter.com/frankscarpitti/status/1224770445821562881)
アジア圏外では、中国人のみならず日本人に対しても同じアジア系として差別される例が発生しているようです。
Twitter:新型コロナウイルスに関連する差別に関する投稿(https://twitter.com/youthAWC/status/1228117995664183296)
励ましの声も
風評被害や差別が懸念される一方で、武漢からの帰国者を受け入れた勝浦市では隔離されていた人々に対し温かい励ましの言葉が届けられています。
Twitter:勝浦市の海岸に書かれた励ましの言葉に関する投稿(https://twitter.com/LikeBear0223/status/1225671276963848194)
日本国内で感染経路が不明な症例が次々と発表されています。治療法やワクチンがないまま、国内での新型コロナウイルス(COVID-19)流行の兆しはさらなる不安と混乱を招いています。
姿のないウイルスの脅威から身を守るためには特定の人や地域を問題視するのではなく、手洗いや消毒の徹底など基本的な衛生管理が大切です。
<参照>
NHK NEWS WEB:新型ウイルス チャーター機第1便で帰国した全員が帰宅
NHK NEWS WEB:クルーズ船 80歳以上の持病ある人など 優先下船を決定 厚労省
JETRO:アジアへの旅行想定の質問に半数がキャンセルと回答、新型コロナウイルスの世論調査
2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】
2024年も残りわずかとなりました。来年2025年は大阪・関西万博が開催されるほか、中国市場の回復などもあり、今年以上の盛り上がりが予想されています。2025年に向けて、訪日旅行者へ向けたマーケティング戦略を強化していきたいと考えている事業者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、株式会社movが毎月開催している「訪日ラボトレンドLIVE」をスペシャルver.としてお届け。今こそ知っておきたい「インバウンド×デジタルマーケティング戦略」を徹底解説します!
<本セミナーのポイント>
- 観光・インバウンドに詳しい専門家3名が登壇!
- 2025年に向けた「インバウンド×デジタルマーケティング」の戦略や施策について、「深掘り」した情報を「いち早く」「無料で」学べる!
-
質疑応答の時間もご用意。インバウンドに関する疑問・お悩みについて、専門家から直接「ヒント」を得られる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!