数年前から世界的なブームとなっている電動キックボードは、日本でも将来の新たな移動手段として注目を集めています。電動キックボードの開発やサービスを運営する国内のスタートアップ「Luup」(ループ)は「東京モーターショー2019」の会場内で試乗会を実施するなど、さらなる普及を目指しています。
今回は電動キックボードが持つインバウンドへの影響と、これから日本で普及した場合に懸念される問題点について、先行事例をふまえて解説します。
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電動キックボードのメリット
電動キックボードには、下記のようなメリットがあります。
- 利便性が高い
- 低価格で利用可能
- 誰でも簡単に乗れる
キックボードは自転車などに比べて場所を取らず、折りたたみ式の場合はさらに運ぶのに労力が必要ありません。
自転車のように駐輪場を探す必要がなく、持ち運べるので都市部での移動に最適です。
また金額も自転車とそう変わらず、電動付き自転車に比較するとさらに価格が抑えられます。
さらに世界ではシェアリングエコノミーサービスに電動キックボードが導入されており、利用料も割安な傾向です。
電動キックボードは自転車ほど難しくないため、こどもでも乗ることが可能です。
電動キックボード、Luupが実証実験を国内で開始
近年ではアメリカのBirdやSpin、Limeなど、電動キックボードを扱うスタートアップの勢いが加速しており、欧米諸国を中心に電動キックボードのサービスが普及しています。
日本では軽自動車より小型で小回りの利く電動式の乗り物は「電動マイクロモビリティ」と呼ばれ、電動キックボードも含め、法規制により公道を走れず普及が難しい状況です。
Luupは現状をふまえて静岡県浜松市や奈良県奈良市など9つの自治体や、リゾートホテル、工場、ゴルフ場といった私有地と連携し、電動マイクロモビリティの実証実験を重ねています。いずれの自治体も地域活性化や交通難民対策、インバウンドの二次交通問題の解決に期待を寄せています。
電動キックボードが解決するインバウンドの課題とは?
2030年までに訪日観光客数を6,000万人に増やすという政府目標も掲げられていることから、インバウンドが急増しています。
都市部で増加する訪日観光客を地方へ誘客する重要性が叫ばれている一方で、二次交通の整備の遅れが課題として挙げられています。こうした中で、世界的に普及しており、インバウンドにも馴染みのある電動キックボードのライドシェアは、二次交通問題の解決に向けた施策となりうるのではないかと期待を寄せられています。
人口や訪日観光客の増加の問題を抱えている都市部にとっても、電車やバス以外でフレキシブルに移動できる手段を整備することで、混雑の緩和や分散が見込めます。
このように、電動キックボードは都市部と地方、両方のインバウンド課題に対応できる点が特長です。二次交通の充実から、インバウンドの広域周遊観光の促進も実現できるでしょう。
世界でひそかに広まる「シェアリング電動キックボード」競合ひしめく中、ついに日本でも本格始動!実際の料金や乗り心地は?【現地レポート】
8月上旬、通信会社大手KDDIの投資ファンド、KDDI Open Innovation Fund IIIが「シェアリング電動キックボード」大手のNeutron Holdings(世界ブランドの「Lime」の運営会社)へ出資したと発表しました。アメリカ・サンフランシスコに本社を構えるNeutron Holdingsは米国をはじめとする25カ国でサービスを展開、提供台数は7,000万台にも及びます。世界で流行する新サービスに期待する日本企業は多く、総合商社の丸紅もシェアライド企業の一つモビーラ...
Lime-Sが広く普及するパリでの電動キックボードの問題点
フランスの首都・パリでは、街のいたるところで電動キックボードを利用する人の姿が見受けられます。通勤ラッシュの満員電車を避けたいときやストライキで公共交通機関が利用できないときなどに、パリ市民をはじめ観光客にも重宝されています。利便性が評価される一方で、安全性や景観保護への問題が発生しているのも事実です。パリ市内で特によく見かける電動キックボード「Lime-S」の例をふまえて解説します。
Lime-Sを利用する際は、ヘルメットの着用が義務付けられているほか、1人1台の利用がルールです。しかし実際にはヘルメットを着用せず2人乗りで利用している人も多く、スピードを上げバランスを崩して転倒するといった事故も発生しています。
また夕方になると充電が十分でない電動キックボードが歩道へ無造作に放置され、景観を損なう場面に遭遇することも少なくありません。
乗り方のルールや駐輪スペースなどを決めても、そのことに気づかぬまま路上に乗り捨てられるケースなどが予想されます。日本に導入する際は、多言語で利用方法の周知を徹底するなど、訪日観光客の利用マナー向上への配慮が求められるでしょう。
電動キックボードがインバウンドの地方誘致促進の可能性
Luupは、電車やバス以外でフレキシブルに移動できるような二次交通環境の整備を目指し、現在も自治体をはじめ関係省庁と密にコミュニケーションをとりながら、実証実験を重ねていくということです。
電動キックボードを使うことで、都市部から郊外や地方への誘致促進が実現できるかもしれません。インバウンドの二次交通問題の改善が期待されている一方で、海外ですでに発生している安全性や景観保護の問題も念頭に置く必要があります。導入に際しては、より安全なシステムと地域の受け入れ態勢の整備が求められるでしょう。
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<参照>
・DIAMOND online:電動キックボードは日本でも普及する?Luupが模索する「新たな移動手段」
・TC:電動キックボードから始める日本型マイクロモビリティ、"全ての人の移動の自由"を目指すLuupの挑戦
・BUSINESS INSIDER:規制の壁どう乗り越える?「シェア型電動キックボード」国内実証へ一歩ー国交省「具体化はこれから」
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
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この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】
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