訪日外国人の多くはお土産を買って母国へと持ち帰りますが、お土産の選び方にも国ごとの特色が現れています。
国によって人気のお土産が違う背景には、それぞれの国ごとに馴染みのお土産や贈り物をする際のマナーが異なるという事実が関係しています。
この記事では、タイ人に人気のある日本のお土産、渡すべきでないお土産、渡すときの注意点について解説します。
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タイ人に人気のある日本のお土産
習慣や価値観が影響し、旅行者に人気のお土産にも国や地域ごとに傾向があります。
近年インバウンド市場でも存在感を高めているタイ人には、どんなお土産が人気なのでしょうか。
タイでは抹茶味のお菓子の人気が高く、静岡や京都など抹茶の名産地を中心に販売されているご当地限定の抹茶味のお菓子をお土産に選ぶタイ人は少なくありません。
また、タイに進出している大手コンビニチェーンのセブンイレブンでは、タイでの「東京ばな奈」人気にあやかって同商品によく似たオリジナル商品を現地で展開しています。
日本の化粧品:美意識の高いタイ人女性に大人気
訪日タイ人の性別内訳を見ると女性の方が多い傾向にあり、化粧品の購入率も高くなっています。
日本の化粧品の品質はタイ人女性からも定評があり、中でも人気のメーカーは資生堂です。
タイ人女性は美白や美肌など美容に対しての関心が高く、洗顔料や化粧水などの基礎化粧品がよく売れています。
また、パックやリップクリーム、目薬も人気があり、アニメとのコラボパッケージなど、かわいいデザインのものがよく購入されています。
日本らしい飲食料品:ラーメン、梅酒などが人気
お菓子や化粧品の他に人気のあるお土産は、ラーメンや梅酒、日本茶などの日本らしさがある飲食料品です。
パッタイをはじめ、タイには麺を使った料理が多くあり、日常的に食べなれている主食を使用した日本のラーメンに興味を持つタイ人は少なくありません。
また、お酒では、香り高くフルーティで飲みやすい梅酒が人気です。
梅酒の他には日本茶も人気があり、お茶の風味がタイ人の好みに合うのは抹茶味のお菓子が人気であることにも通ずるでしょう。
タイ人に渡す時には避けるべき贈り物3つ
日本ではスタンダードなお土産であっても、タイのマナーでは避けるべきとされている贈り物も数多くあります。
贈り物に関するマナーや慣習は国によって大きく異なるため、タイ人に贈り物をするときはタイでのマナーを知っておくと良いでしょう。
以下では、タイ人に渡すべきでないギフトについて解説します。
1. ハンカチ
ハンカチは日本では贈り物によく選ばれるグッズの1つですが、タイではあまり好まれないギフトとして知られています。
ハンカチが贈り物に適さない理由は、涙を拭くために使用されるハンカチを贈るのは悲しい出来事を連想させ、縁起が悪いという考えが定着しているためです。
2. ガラス製品
ガラス製品も日本では人気のあるお土産ですが、タイでは家族や友人にガラス製品を贈るのは不適切とされています。
ガラス製品が避けられるのは、贈ったガラス製品が割れてしまったらその人との関係にもひびが入ってしまうと考えられているためで、タイ人へのお土産には選ばない方が良いでしょう。
3. 調理器具・食器
調理器具や食器には特に悪いイメージはありませんが、タイの生活では日常的に自炊して食事をとることが日本ほど多くはありません。
理由としてはタイの多くのアパートには台所がないことと、屋台などの外食の方が経済的であるということが挙げられます。
高級マンションには基本的な設備としてキッチンがついていますが、1万バーツ(日本円にして約3.5万円)以下のアパートにはほとんどの場合キッチンがありません。また、タイでは外食文化が栄えているので、家で自炊をしなくても外で安価に栄養価の高い食事ができます。
調理器具や食器は使う機会が少なく、結果としてあまり喜ばれない贈り物となってしまう可能性があります。
タイ人にお土産をあげる時に気を付けるべきこと
タイ人へのお土産を選ぶポイントについて解説しましたが、お土産をあげる際にもいくつか気を付けるべき点があります。
以下では、タイ人にお土産をあげるときに気を付けるべき点について解説します。
タイ人はプレゼントをもらったその場では喜びを見せない?
タイ人にプレゼントをあげた際にあまり喜んでいないように見えるかもしれませんが、そこにはタイにおけるある慣習が深く関係しています。
タイでは、物をもらってその場で大げさに喜ぶのは意地汚いことやはしたないことで、クールにお礼を言うことがスマートであると考えられています。
はっきりと感情を出して喜ぶことは少ないかもしれませんが、それぞれの国の文化が異なるように、贈り物に関するマナーも異なることを理解する必要があります。
物を渡すときや握手には左手を使わない
タイ人に贈り物をするときに気を付けたいポイントとしてどちらの手で渡すかという点があります。
日本では両手を添えて渡すマナーがありますが、タイでは右手で渡すのが基本です。
タイをはじめ、東南アジアや南アジアに属する国々では、右手は「浄」、左手は「不浄」であると考えられています。
そのため、トイレでは左手を使い、握手、食事、物の手渡しには必ず右手を使います。
贈り物を気持ちよく受け取ってもらうためにも、必ず気を付けておきたいポイントの1つです。
たとえ子供でも頭を触らない
日本では頭を撫でるという行為は極めて自然ですが、タイではタブーとされています。
体の中で最も高い位置にある頭は「精霊が宿る場所」であると考えられており、気安く触ってはいけないとされています。
頭を撫でる行為は、日本で小さな子供に対してスキンシップを取る際によく用いられるため、日本人はタイの人々とコミュニケーションを取る際にもついやってしまう可能性があります。
意識して控える必要があるでしょう。
タイ人に人気のお土産と渡す時に気を付けるべきマナーをきちんと理解して適切に対応
タイでは、日本のお菓子や化粧品、梅酒、日本茶などが人気です。お土産にはこれらの商品を渡すと喜んでもらえる可能性が高いでしょう。
一方で、ハンカチやガラス製品、調理器具など、日本ではよく贈り物の定番としてよく選ばれる商品であっても、タイではあまり喜ばれないというケースもあるため、注意が必要です。
タイ特有の価値観は、お土産を渡すときだけでなくコミュニケーションを取る際にも応用できます。施設や店舗で、来店してもらった感謝などポジティブな気持ちを伝えたいことがあるかもしれません。こうした際に、より正確に相手に気持ちを伝えることができれば、相手に喜んでもらえるだけでなく、誤解のリスクを下げることにもつながるでしょう。
データでわかる訪日タイ人観光客
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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