訪日オーストラリア人は年々増加しています。昨年には約50万人ものオーストラリア人が日本を訪れ、訪日旅行での一人当たり消費額は全国籍で1位でした。
オーストラリアは訪日インバウンド市場において重要度の高い市場の一つです。
注目の高まるオーストラリア人の国民性や訪日旅行の意欲についてアンケート調査の傾向を分析し、オーストラリア人に刺さるコンテンツや満足度向上につながる対策を考えます。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
オーストラリア人の特徴
オーストラリア人はどのような人々なのでしょうか。多くのオーストラリア人は陽気で活動的な国民性であり、日本人からすると驚くほどマイペースな一面を持っています。
オーストラリア人の受け入れに当たり、知っておきたい性格について解説します。
陽気でマイペース
オーストラリア人には気さくで陽気な人が多く、街を歩いていると知らない人でも友達のように挨拶してくれることもあります。
おおらかで細かいことは気にしない傾向があり、時間に細かくないのは日本と大きく違う点です。何事も自分のペースですすめるマイペースな面があります。
また、お年寄りや困った人にはすぐに話しかけ、手助けをする親切な光景が見られることも多いそうです。
意思表示ははっきりしている
多民族からなる多様性に富む社会を背景に、オーストラリア人ははっきりと自分の意志を伝える文化が浸透しています。
「イエス」「ノー」はもとより、路線バスに乗る際にも手を挙げて意思表示しないと、たとえバス停で待っていてもバスは止まってくれません。
思っていることははっきり口に出す、自分をはっきり持ったまっすぐな性格の人が多い傾向があります。
プライベート重視
オーストラリアの人びとはプライベートを大切にします。
休日・祝日は基本的に仕事をしませんし、ビジネスアワー以外の時間にオフィスに残って仕事をする人は稀です。夕方からはパブでお酒を楽しむ若い人の姿が多く見られます。
家族との時間を大切にする人が多く、長期休暇やクリスマスは家族と過ごす時間として認識されています。
週末には庭先でのバーベキューやホームパーティーで友人と交流を深めるのも一般的です。
また、オーストラリアでは休日にアウトドアの計画を立てて出かける人が大勢います。スポーツやアウトドアの人気が高く、多くの市街地が海へのアクセスが良好な沿岸部に存在するため、ビーチライフはオーストラリア人に人気のレジャーです。
訪日オーストラリア人の特徴
毎年多くのオーストラリア人が日本に訪れています。アジア圏を除いた国別訪日客数ランキングではアメリカ合衆国に次ぐ2位に位置しており、インバウンド市場において大きな存在感を示しています。
陽気で活動的な国民性のオーストラリア人ですが、訪日旅行においてはどのような消費行動をとるのでしょうか。
JTBが「オーストラリア人目線」を理解するレポートを発表、インバウンド豪州市場攻略のためのヒントに
目次「No worries」が象徴的なオーストラリア人体験型が大好きで飲食量はとても多い「No worries」が象徴的なオーストラリア人JTBは、11月27日、オーストラリア人の国民性に関する考察をまとめ、その内容を紐解きました。オーストラリア人は、様々な場面で「No worries」という言葉を使います。これに代表するように、オーストラリア人は、陽気であり、困っている人を放っておけないといった国民性が見受けられます。また、コーヒーを飲む文化が根強く、コーヒーの種類は20種類とも30種類...
年間50万人超の訪日客
2012年以降、オーストラリアからの訪日客数は右肩上がりを続けています。
JNTOの発表によると、2018年の訪日オーストラリア人客数は55万2,440人であり、2012年の20万6,404人から2.5倍以上に増加しました。
オーストラリア人全体の旅行消費額も、2013年には推計521億円でしたが2018年には1,315億円と推計され、5年間で2倍以上に増加しています。
また、2018年の一人当たり旅行消費額は国籍・地域別では最も高い24万2,050円で、全国籍平均の15万3,000円を大きく上回ります。
リピーターより初訪問いずれも長期滞在
訪日オーストラリア人の大きな特徴として、滞在日数の長さが挙げられます。観光庁の「平成28年訪日外国人消費動向調査」によると訪日オーストラリア人の平均泊数は約13泊と、全国籍平均9泊の1.5倍です。
一人当たりの宿泊費も99,175円と全国籍平均である45,787円の約2倍を支出しています。さらに、長期滞在傾向のあるフィリピンやインド、ロシアと比べても際立って高く、宿泊単価の高さが伺えます。
また、初訪問者の割合が高いことも特徴です。同調査によると、訪問回数1回目が58.7%、2~5回目が31.5%という結果でした。
個人旅行6割越え
オーストラリア人の訪日旅行は個人旅行が主流です。2017年のJTBの調査「オーストラリア人旅行者の訪日旅行に関する調査研究」によると、海外旅行の際に全体の約64%が個人で手配していることがわかりました。
年代・男女別でみると最も多く個人旅行を選択する属性は30-39,40-49代の女性であり、70%を超えています。40-49代の女性はLCCの利用率も高く、コスト意識の高さが見て取れます。
訪日オーストラリア人に向けてとるインバウンド対策は?
訪日オーストラリア人はゆっくりと長期滞在し、一人当たり消費額も大きい傾向にあります。
訪日オーストラリア人から日本旅行に求めている体験を提供することで、需要の掘り起こしにつながる可能性があります。オーストラリア人の興味・関心を引くテーマを紹介し、有効な対策を考えます。
田舎を巡れるツアー
先に紹介したJTBの「オーストラリア人旅行者の訪日旅行に関する調査研究」では、日本旅行の際に大都市と田舎のどちらを訪れたいかという設問に54.9%が「田舎を訪れたい」と回答し、過半数を占めました。
対象が海外旅行全般の場合には、田舎を訪れたい人の割合は41.4%にとどまっており、日本の田舎に興味があることが推測できます。
日本全国の交通フリーパス「JAPAN RAIL PASS」を使ったツアーなど、各地を周遊できるツアーの企画が有効であると考えられます。
ヘルシーな日本食体験
JTB「オーストラリア人旅行者の訪日旅行に関する調査研究」(2017)によると、日本でしたいこととして郷土料理やカジュアルな日本食を楽しみたいという回答が観光と並び上位に入っています。
「OECD加盟国35ヵ国の15歳以上の肥満度ランキング」(2014)で世界第5位となったオーストラリアでは、日本食はヘルシーであると考えられ、注目されています。
なお、JTB訪日重点15ヵ国調査(2019)の調査結果では、オーストラリア人に人気の日本食は寿司、ラーメン、そば・うどんなどです。
冬ならスキー
南半球に位置するオーストラリアは、日本と季節が真逆です。日本ではスキーシーズンにあたる12月~1月中旬はオーストラリアの学校における夏休みです。
クリスマス・年末年始休暇を利用して多くのオーストラリア人スキーヤーが日本を訪れます。
東北・北海道の豪雪エリアでは良質なパウダースノーが楽しめ、上級スキーヤーの人気を集めています。都市からのアクセスの良さも魅力で、東京から数時間程度で訪問可能なスノーリゾートも数多く存在します。
また、日本のスノーリゾートはリフト券などの設備利用料も安く、オーストラリアの約半分程度の費用で購入できます。
期間の長いスキー旅行では、航空券代を払っても日本で滑る方が費用を安く抑えられるケースがあります。
オーストラリア人の特徴を理解してインバウンド対策に活かそう
オーストラリア人の特徴や訪日時の消費行動、興味関心のあつい事柄について解説しました。
陽気でマイペース、プライベートを重視ししっかりと休みを取るオーストラリア人は、訪日旅行においても長期滞在でしっかり楽しむ傾向があります。
日本食の期待度も高く、日本での消費の中心となるのは宿泊費と飲食費です。個人旅行中心であることも大きな特徴です。
オーストラリア人が興味を持つ行き先としては「田舎」、冬にはスキーが人気です。日本の田舎に興味を持つオーストラリア人は過半数を占めます。
各地を周遊できるフリーパスを利用した商品や、スノーリゾートのブランド力向上など、ニーズに刺さるコンテンツの開発がさらなる需要拡大につながるのではないでしょうか。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!