神奈川県の温泉地として有名な湯河原では、28品種約4,000本の梅が見頃を迎え、連日多くの観光客が訪れています。来月上旬まで、園内では「梅の宴」と題して、寄席やコンサートなどのイベントの開催を予定しています。1日まではライトアップも行われます。
2020東京オリンピック・パラリンピックに向け、外国人の受け入れを始めとした様々な取り組みが行われています。そのうちの一つで、地方自治体が中心となって行うものに、「ホストタウン」があります。
今回の記事では、神奈川県における「ホストタウン」への取り組みについてご紹介していきます。
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神奈川県のホストタウン
神奈川県では、東京に隣接しているその立地も活かし、ホストタウン誘致への活動が行われてきました。ここでは、ホストタウンについて、そして神奈川県のホストタウン登録状況についてご紹介していきます。
ホストタウンとは
ホストタウンとは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けて国が推進している取り組みです。参加国・地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図る地方公共団体を指します。
それぞれの地域において、諸外国との交流、日本全体としてのグローバル化、観光産業の推進などが目的とされています。
その他にも、外国人を街に呼びこむことで、地域の活性化や、住民がその都市に誇りを感じられるような取り組みを行っています。
ホストタウンとしての提携にあたっては、事前キャンプの受け入れは条件には含まれていません。
そのほか、誰でも安心して過ごすことができる環境作りを目指すユニバーサルデザインの導入を促進する場合には「共生社会ホストタウン」に登録されます。
神奈川県のホストタウン登録状況
現在の神奈川県のホストタウン登録状況は、以下のようにまとめられます。
県及び11市3町が22カ国、さらに、県及び4市が3カ国の共生社会ホストタウンとして登録しています。
ホストタウン一覧
エリトリア、ブータン、ミャンマー |
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英国(※)、チュニジア、イスラエル、ベナン、ボツワナ、コートジボワール、モロッコ、ブルガリア |
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英国 |
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県、平塚市 |
リトアニア(※) |
ニュージーランド |
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モルディブ、オーストラリア |
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葉山町 |
英国 |
ブラジル、カナダ |
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逗子市 |
北マケドニア |
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県、藤沢市 |
ポルトガル(※)、エルサルバドル |
イスラエル |
・(※)は、共生社会ホストタウンにも登録
神奈川県のホストタウンの取り組み
ホストタウン登録を行うことで、海外との関りを強化し、よりグローバルな街づくりが目指されていますが、神奈川県では具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか。
茅ヶ崎市の取り組み
茅ヶ崎市では、2019年4月26日に北マケドニアを迎えるホストタウンとしての登録が行われました。これは、北マケドニア共和国大使より、神奈川県知事あてに県内の市町村とホストタウンを締結したいとの手紙が届いたことがきっかけでした。
北マケドニアは、マザー・テレサの生まれた場所ということから、茅ヶ崎市ではマザー・テレサパネル展が開催されています。
北マケドニアの文化に理解を深めるための「北マケドニアフェア」が開催され、ワイン・料理などの食文化を楽しむことができるイベントも開催されました。
大会終了後には、誘致したオリンピック・パラリンピックの選手たちによる、地元の人々との交流イベントの開催も予定しております。
厚木市の取り組み
厚木市でも、同じように誘致する国に関連したイベントや取り組みが積極的に行われています。
2016年1月26日にニュージーランドを迎えるホストタウンとして登録され、女子7人制ラグビーニュージーランド代表チームの事前キャンプ誘致をきっかけに、その他の分野においても交流が深められました。
交流の一つとして「レンズ越しのニュージーランド写真展」と呼ばれる写真展の開催や、「Feel of NZ in Atsugi 2019 ―食べて、見て、感じる、New Zealand―」など、ニュージーランドに文化や国の文化を身近に感じることのできるイベントが開催されました。
その他にも高校生対象の留学プログラム「FLY TO NZ PROJECT in Dunedin 2020」も行われ、文化交流が推進されてきました。 また、市内の公立中学校での学校給食では、ニュージーランドの食材を使用した給食が提供されています。
平塚市の取り組み
2016年1月26日にリトアニアを迎えるホストタウンとして登録された平塚市でも、独自の取り組みが行われています。 リトアニアは、欧州のバルト海沿岸に並ぶ旧ソビエト圏のバルト三国の中で最も南にある国です。
以前よりリトアニアの代表チームの事前キャンプ地として選手団を誘致したことをきっかけに、平塚市ではリトアニアとの文化交流が推進されています。
今回、パラリンピック代表の受け入れも決定したことをきっかけに、「共生社会ホストタウン」にも登録されました。「共生社会ホストタウン」への登録により、競技施設の改修や、施設・街全体でのバリアフリー化の推進、おもてなしの環境整備も進められています。
その他にも、平塚市役所にてリトアニア展を開催したり、湘南ベルマーレのホームゲーム開催時の『Intenational Day』にリトアニアのブースを出展したり、リトアニアとの文化交流を行っています。
その他、リトアニアのアリートゥス市副市長やアリートゥス音楽学校のグループ「Rytato(リタト)」のメンバーら計11名が平塚市を訪問し、第68回湘南ひらつか七夕まつりに参加しました。
誰でもオリンピックを盛り上げられる「東京2020参画プログラム」
2020東京オリンピック・パラリンピックというと、東京のイベントに感じられ、地方都市には一見関係がないように感じられます。しかし、「東京2020参画プログラム」というものがあり、誰でもオリンピック・パラリンピックを盛り上げる手伝いをすることができます。
「東京2020参画プログラム」とは
「東京2020参画プログラム」とは、東京オリンピック・パラリンピックに関連した、地方都市による様々な取り組みを指します。全国において、スポーツに限らず幅広い分野での企画やイベントを行い、東京オリンピック・パラリンピックに向けた雰囲気を高めていくことと、大会後にも引き継がれる価値ある遺産を形成することを目的としたプログラムです。
これは、政府や東京都が牽引して行うものと、会場関連自治体などが取り組み公認プログラムと、それ以外の自治体などが取り組むことができる応援プログラムがあります。
神奈川県が行う「東京2020参画プログラム」推進事業
神奈川県では、県内の観光美化や、来県者をもてなすための活動に参加すると「東京2020参画プログラムに登録すると、参加した人向けに県から「デュアルエンブレムバッジ神奈川県ver.」をプレゼントされます。
このように神奈川県は、開催都市ではなくても、オリンピック・パラリンピックを盛り上げるための活動を支援していく姿勢をとっています。
神奈川県内での取り組み
その他にも、県内にある学校法人などとの協力の例もあります。
例えば、鎌倉女子大学では、東京2020大会に向けて学内外で活動する学生団体「KWU2020サポーターズ」による学園祭特別企画が行われています。これはパラスポーツ(車いすバスケットボールや5人制サッカー)などの体験型プログラムや、子ども向けスポーツブースなどを実施することで、パラリンピックの競技種目の認知度・注目度アップを目指します。
また、東京2020オリンピック競技大会・セーリング競技が開催される湘南港(江の島ヨッハーバー)では、地元・江の島の子どもたちと共に植樹を行うイベントが開催されました。
相手国との深い交流で東京2020大会を盛り上げる
神奈川県は、ホストタウン誘致に積極的に取り組んできただけではなく、イベント開催や、バリアフリーに向けた施設の改修、体験型プログラムの実施など、オリンピック・パラリンピック開催に向けた準備に取り組んでいます。
ホストタウン事業は、受け入れ国に快適な滞在を提供すると同時に、日本と相手国の相互理解を促進し、関係を強固にする機会でもあります。
こうした相互理解は、オリンピック、パラリンピックをより一層盛り上げるだけでなく、その後の訪日観光市場の成長にも影響を与えるはずです。
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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