カナダ人と聞くと、豊かな自然と広大な大地に囲まれて、おおらかでゆったりとしたイメージを持つ方も多いのではないかと思います。
日本から見たカナダは、北米と一括りに表現されることも多いですが、カナダ人はカナダ人ならではの国民性を持っています。
この記事では、カナダ人の国民性や特徴、効果的なインバウンド施策例について紹介します。
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カナダ人の特徴
カナダ人の特徴としては、穏やかで優しい性格の人が多いことや、仕事より家庭を優先する働き方をしている方が多いことなどが挙げられます。友人との約束やルールなどをあまり細かくは決めないルーズな傾向もあります。
また、カナダは多民族国家であり、多くのカナダ人は人種差別をタブー視しています。
穏やかで優しい
カナダ人は穏やかで優しい性格をした人が多いといわれています。
海外ではイエス・ノーをはっきり表現する国が多いですが、カナダ人は物事を断るときなど日本人のようにあいまいな表現を使うことがあるようです。周りの人たちにも気を配り、日本人に似た、協調性や和を大切にする気質が見受けられます。
またエコノミスト誌の調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の住みやすい都市ランキングに、バンクーバーをはじめカナダの3都市がランクインしています。こうした治安の良さも、国民性が影響しているのかもしれません。
仕事よりも家族を大切にする
プライベートな時間を大切にしているカナダ人は、仕事より家庭を優先する働き方をしている方が多いようです。基本的に仕事は定時で切り上げ、仕事が終われば自分たちの家庭や友人とそれぞれ過ごします。
男女平等という考え方が根付いているため、お互いが協力して家庭を切り盛りすることが自然のことと考えられています。そのためカナダでは男性が育児や家事をする姿は当たり前に見られる光景です。
時間にルーズ
日本では時間通りの運行が当たり前と考えられている電車やバスなどの公共交通機関ですが、カナダでは遅れたり来なかったりということがよくあります。宅配の荷物が指定の時間になっても届かないなどは日常のことのようです。
また友人との約束やルールなど、あまり細かくは決めずに大雑把に決めてしまう傾向があるといわれています。
人種差別をタブー視
カナダは200を超える民族が生活している多民族国家で、様々な国や地域のルーツを持つ人々が集まっています。多文化主義政策の下、それぞれの人種や文化を非常に大切にし、人権を尊重しているため、人種差別はタブー視されています。そのためカナダは人種や性別による差別や偏見が少ない国のひとつといえるでしょう。
LGBTの人々に対する雇用や婚姻の法整備も進んでおり、2005年からはカナダ全土で同性婚が合法化されています。
カナダ人のインバウンド事情
2014年においては18万2,865人だった訪日カナダ人観光客数は、2019年には約2倍となる 37万5,200人を記録しています。
ここでは、訪日カナダ人観光客のインバウンド事情や消費動向、訪日旅行の情報源についてみていきます。
カナダ人の訪日外客数、旅行形態
日本政府観光局(JNTO)訪日旅行データハンドブックによると、2018年のカナダ人の訪日外客数は330,600人で、2011年から順調に伸び続けています。アジア諸国では中国に次いで2番目に多い訪問国になります。
訪日回数は1回目が59.20%となるため、今後はリピーターの獲得につながる施策が必要となるでしょう。滞在日数は7日以上が76.32%、平均宿泊日数は12.1泊です。旅行形態はウェブサイトから申し込むなど個人手配の旅行者が89.3%を占めています。
カナダ人の旅行時期は最も多いのが10月ですが、4月を中心とした春季にも同程度の人気があります。反対に最も減少するのは2月です。
カナダ人は日本旅行で何にお金を使う?
日本政府観光局(JNTO)の2018年訪日外国人の消費動向によると、訪日カナダ人観光客の旅行支出の総額は1人あたり18万3,218円です。
内訳は宿泊費が最も多く1人あたり74,857円となり40.9%を占めています。次に飲食費が47,469円/人、交通費が27,579円/人、買物代が25,176円/人と続きます。
買物をした費目では、菓子類や衣服のほか、民芸品や伝統工芸品も人気が高く、日本の文化に関心を寄せていることがうかがえます。
カナダ人の情報源
日本政府観光局(JNTO)の2018年訪日外国人の消費動向によると、訪日カナダ人観光客が旅行前に役に立った旅行情報源としているのは、口コミサイト(トリップアドバイザー等)が38.3%、自国の親族・知人が27.1%、YouTubeなどの動画サイトが26.2%となっています。
また日本滞在中に役に立った旅行情報は、交通情報が53.5%、無料Wi-Fiが52.9%、飲食店が36.5%と回答しています。
カナダ人にもおすすめしたい商品
前述にもあるように、訪日カナダ人の消費動向をみると、菓子類、衣類、民芸品や伝統工芸品は人気が高いだけでなく、購入してよかったと満足度が高い費目です。ここでは訪日外国人に評判の高い2つの商品からピックアップしてご紹介します。
1. お菓子:キットカット
アジア諸国だけでなく、欧米諸国でも人気の高いお菓子として知名度の高いキットカットは、日本限定のフレーバーが多くの訪日外国人を引きつけています。季節や地域限定フレーバーのなかでも、抹茶味は日本オリジナルの味として根強い人気を誇っています。手頃な価格帯や小分けになっていてお土産として選びやすいといった点も人気の要因といえます。
インバウンド向けのウェブサイト作成にも取り組んでおり、英語字幕付きのオンライン工場見学動画や日本でしか手に入らないフレーバーの情報を発信しています。
食品・お菓子メーカーのWEB・メディアに関するインバウンド対策事例集
食品・お菓子メーカーはどうやってWEB・メディアをインバウンドに活用すべきなのでしょうか?「キットカットはインバウンド向けのWEBサイトを公開」など、各社・各団体の先行事例を集めてみました。
2. 民芸品:南部鉄器
健康志向、本物志向の需要が高まり、海外での南部鉄器の良さが再認識されています。認知度のある鉄瓶をはじめ、急須やキッチンウェアにも人気が広まっています。
岩手県盛岡市に本社を構える岩鋳(いわちゅう)では、黒や茶しかなかった鉄器を、欧米からの依頼を受け、赤、青、紫、緑といった常識を破るカラフルな鉄器の製品化に成功しました。海外では「イワチュー」の名で親しまれ、商品の魅力によって地方誘致を実現した好例といえるでしょう。
伝統工芸品の地方誘致・地方創生に関するインバウンド対策事例集
伝統工芸品はどうやってインバウンドにおいて地方誘致・地方創生に取り組むべきなのでしょうか?「常識を破るカラフルな鉄器で世界に進出「南部鉄器(なんぶてっき)」」など、各社・各団体の先行事例を集めてみました。
カナダ人理解を踏まえた効果的な施策設計を
訪日カナダ人客数は2011年から順調に伸び続けていますが、訪日インバウンド客数全体でみると、わずか1%程度となり、まだまだ伸長が見込める市場といえます。
カナダ人のニーズを的確に把握し効果的なプロモーションを行うことが、新規層やリピーター層の獲得につながるでしょう。
<参照>
http://www.mlit.go.jp/common/001285945.pdf
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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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