「ピンチをチャンスに」コロナショックで際立つ日本企業のナイスプレー集5選

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新型コロナウイルスの流行の阻止を目的に、外出やイベントの自粛が続き、日本経済の停滞を懸念する声も大きくなっています。

多くの企業や組織にとってこの状況は厳しいものですが、こうしたピンチをチャンスに変え、社会的評価をあげている企業もあります。

今回は、コロナショックの最中にも画期的な取り組みを行った日本企業の例を5つ紹介します。


【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

1.ワタミ、休校支援で4週間無料で夕食宅配!

ワタミ株式会社は2020年3月9日〜4月3日までの4週間にわたり、日替わり夕食宅配サービス「ワタミの宅食」を、平日限定で無料提供することを発表しています。

配達代金として、利用には1食200円がかかりますが、商品代相当はワタミ負担となっているのが特徴です。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い休校となった幼稚園・小学校・中学校・高校などに通う3〜18歳を対象に、50万食を提供します。

休校措置により自宅で留守番をせざるを得ない子どももいるなかで、働く親から評価されただけでなく、その社会的意義の深さに多くの賞賛が集まりました。

2. ローソンはおにぎりと牛乳で支援、なんと給食用の牛乳11万本分を販売

ローソンは3月9日から20日まで、全国の小中学校の一斉休校に伴い、販路を失っていた給食用の牛乳を活用した独自の取り組みを実施しました。

「マチカフェ」ブランドの「ホットミルク」を、税込130円のところ半額の65円で、「カフェラテ」は150円のところ30円引きの120円で販売し、消費拡大を狙うものです。

初日の販売量は、給食用の200mlパック約11万本分となり、前週の平均販売数の10倍を上回る結果となったそうです。

都道府県別の販売数を見ると、多くは乳用牛の飼育頭数上位の都道府県となっていました。1位の茨城県の販売数は全国平均販売数の約1.5倍に当たります。

ローソン広報室は、20~40代女性が約半数を占めており、子供向けに購入するケースが多いのではないかと予想しています。

ローソンはこれ以外にも、小学校の休校により開所時間の長くなる学童保育施設に対し、おにぎりの無償提供も実施しています。

当初は3万個を予定していましたが、最終的には総計38万6,288個を予定しています。

ワタミの取り組みと同じく、ネットにはローソンを称える声があふれており、この活動を通じて企業イメージをさらに高めたことは間違いないでしょう。

学童保育施設におにぎりを提供したことを報告するローソンのTwitter投稿
▲Twitter投稿:編集部スクリーンショット

Twitter:学童保育施設におにぎりを提供したことを報告するローソンの投稿(https://twitter.com/akiko_lawson/status/1237308915731156992)

3. 小学館「日本の歴史」学習漫画全24巻(電子版)電子書籍の市場拡大も期待?

小学館は3月11日〜4月12日まで、家庭学習を行う小学生・中学生・高校生への支援として、学習まんが『小学館版学習まんが 少年少女日本の歴史』全24巻の電子版を無料で公開します。

2020年に累計2020万部を突破した、日本で最も読まれている学習まんがであり、子どもたちの自宅学習の大きな助けとなるでしょう。

これをきっかけに電子書籍を手に取る人もいることが考えられ、今後電子書籍市場の成長につながるかもしれません。

4. もはや日本の伝統芸能?人気漫画作品が次々、無料で公開

オンラインで書籍を楽しむ流れを後押しするのは、学習漫画だけではありませんでした。

多様なジャンルの、新旧漫画作品が次々無料公開されており、この「外出自粛」期間をきっかけに、新たにファンになった人、熱量を増大させた人もいると考えられます。

今後、関連コンテンツの販売が伸びる可能性もあるのではないでしょうか。

以下のような作品が公開されています。

  • 集英社 漫画アプリ「ジャンプ+」「ゼブラック」と電子書籍ストア「ジャンプBOOKストア!」…「週刊少年ジャンプ」(2020年1号〜13号)と過去一年分の「ジャンプSQ.」(3月31日まで)など
  • 『ONE PIECE』1巻〜60巻まで、計594話
  • 集英社 「マーガレットBOOKストア!」…3月31日まで「りぼん」(2019年4月~20年3月号)、「別冊マーガレット」)20年1~2月号)、「クッキー」(19年11月号、20年1月号)、「ココハナ」(20年1~3月号)、「ザ マーガレット」(vol.29~31)
  • 講談社「コミックDAYS」…『カードキャプターさくら』(1~5話)、『魔法騎士レイアース』(1~5話)、『ちはやふる』(1~47話)、『となりの怪物くん』(1~12話)、『はいからさんが通る』(1~21話)など
  • 小学館「eコミックストア」 (3月15日まで)…雑誌「コロコロコミック」、「ちゃお」「Sho-Comi」「flowers」(それぞれ一部)
  • 小学館「サンデーうぇぶり」…『名探偵コナン 警察学校編』などを含む「週刊少年サンデー」(2020年1号~12号)ほか(3月31日まで)

5. アダルトコンテンツでリフレッシュ…のつもりが、情報を漏洩される悲劇も:SOD

新型コロナウイルスの感染について、政府は引き続き警戒するよう呼びかけてはいます。

中国と異なり、法令で外出規制が行われているわけではないので、自粛はすべて個人の判断、努力によるところが大きいでしょう。

こうした中、成人向け動画サービス「SODプライム」は、「顧客の笑顔のため」をかかげ、200本の作品について無料配信を決定しており、世間の注目を集めていました。

3月13日から開始したこのキャンペーンですが、3月18日にはなんとユーザーの個人情報流出が起きていることが明らかになりました。

どの程度のユーザーの情報が外部から閲覧可能になっていたのかは明らかになっていませんが、キャンペーン期間中は平常時の約20倍のアクセスが続いていたことがわかっています。

これに合わせて新たに利用登録をしたユーザーもいたと考えられ、せっかくの企業イメージ向上、認知拡大や新規ユーザー獲得のチャンスを、インフラの不備により失ってしまったといえるでしょう。

SODがAV作品の無償公開を実施したことに言及する前澤友作氏のTwitter投稿
▲Twitter投稿:編集部スクリーンショット

Twitter:SODがAV作品の無償公開を実施したことに言及する前澤友作氏の投稿(https://twitter.com/yousuck2020/status/1238389804548542464)

ピンチをチャンスに変え、新型コロナショックを乗り切ろう

新型コロナウイルスの拡大防止策として、休校措置や外出自粛要請などが発生し、経済への影響が心配されています。

それでも、今回紹介した企業のように、こうした社会的制約が強まる事態にあっても、消費活動を停滞させないばかりか、消費者からの企業イメージを高めることに成功するケースもあります。

こうした機運をつかんだ新キャンペーンの実施にはスピード感も大切です。

ただし、5つ目のSODの事例のような事態に陥らないよう、日ごろからリテラシーを高めておく必要があるでしょう。

今回の外出自粛や休校措置により、いつもは時間のない人がゆっくり時間を過ごすようになった側面もあるでしょう。

仕事をしながらの育児の大変さが広く認知される機会になるほか、これまで気づかなかったフードロスなどの社会的問題に注目が集まるタイミングともいえそうです。

新型コロナウイルスの流行はいまだ収束の目処が立たないようですが、企業や組織はこの状況を悲観的にとらえるだけでなく、人々の心理状態や生活環境の変化をしっかりととらえ、この状況だからこそできることは何か考え、実行していくべきでしょう。

<参照資料>

・Global edu:【ワタミの宅食】園児・小中高生を対象に日替わり夕食宅配を4週間無料にて提供<休校支援>

・マネーの達人:【受付終了】「ワタミの宅食」が休校支援 宅配5日分1000円

・食品産業新聞社ニュースWEB:ローソン"ホットミルク半額"初日は「給食用牛乳11万本分」販売、乳牛の飼育地で多く消費

・BCNOR:新型コロナによる家庭学習を支援、小学館が歴史の学習まんが電子版を無料公開

・BUSINESS INSIDER:新型コロナで全て無料開放、学びとエンタメのサブスク必見まとめ

・HUFFPOST:人気マンガ『ONE PIECE』が4月5日まで無料で読める。1巻から60巻を配信。新型コロナの臨時休校でもうれしい話題

・JCASTニュース:SOD動画無料配信に「情報流出」報告 会員のメルアドや閲覧履歴が...会社側「調査中」

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
  • 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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