新型コロナに従業員が感染したら?公表する?しない?もしものときに事業者がやるべき対応まとめ

公開日:2020年04月07日

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が続いており、首都圏を中心に感染者数が大幅に増加しています。どんな予防に努めていても、従業員が感染してしまうリスクはゼロではありません。事業者として、従業員が感染してしまった時にどのような行動をとるべきかは、事前にしっかりと考えておく必要があります。

企業向けの新型コロナウイルスの対応については、厚生労働省から指針及びガイドラインが出されています。事業者はこれらの指針やガイドラインに沿って、適切な対応を取っていくことが求められます。

まず企業として行わなくてはならないことは「伝染させない・悪化させない」ということです。そのために事業者として具体的にどのような行動をとるべきか、シーン別に詳しくお伝えします。

発熱などの症状がある場合

まず、厚生労働省では、発熱などの風邪の症状がある従業員については、会社を休むよう呼び掛けています。これは本人のため、そして感染拡大を防ぐためにも重要です。企業には、社内の理解など、従業員が休みやすい職場環境を整備することが求められています。

無理な勤務などはせず休養に努め、回復するまで人との接触をなるべく避けるように促しましょう。

従業員が休む場合の取り扱い

新型コロナウイルスへの感染が確定していない段階で、発熱などの症状があるために従業員が自主的に休む場合は、通常の病欠と同じ取り扱いとなります。

一方で発熱などの症状を理由に一律で従業員を休ませるなど、企業側の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまるため、休業手当を支払う必要があるとされています。

感染した場合に備えてやっておくべきこと

従業員が感染することを前提に、社内でのオペレーションを用意して社員へ徹底すると良いでしょう。

オペレーションの内容は、感染予防に関する手洗いうがいや体調不良を感じた時のフロー、病院への受診方法や隔離が必要になった場合の取り扱いなどが考えられます。

また従業員の感染が確定した場合、保健所から調査が行われます。感染が確定した場合に備えて、シフト管理の徹底と回復するまでの間に「誰と会ったか」「どこへ行ったか」などの行動記録を付けてもらうようにしましょう。

シーン別、感染が確定した場合

いざ従業員やその周囲の人が新型コロナウイルスに感染していることが確定した場合、どのような行動を取るべきでしょうか。想定されるシーン別に、事業者が取るべき行動についてお伝えします。

本人が感染した場合

従業員本人が感染してしまった場合に備えて、従業員からの報告先と、社内での情報共有方法をあらかじめ決めておきましょう。社内に「新型コロナウイルス感染症対策本部」など感染に関する対応を行う専門チームを作っておくこと、スムーズに対応を進めることができます。

従業員には「帰国者・接触者相談センター」で相談するよう伝え、その後の対応については相談センターや医療機関、保健所からの指示に従いましょう。

また、濃厚接触者の判定のための保健所からの調査に備えて、感染した従業員の行動内容を本人と会社側でも整理しておきましょう。症状が出始めた日以降の行動を全て把握しておく必要があります。

なお従業員の感染が判明した場合、対象の従業員は都道府県知事の指示のもとに、就業制限を受け休業することになります。「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられるため、休業手当を支払う必要はなく、従業員が被用者保険に加入していれば、傷病手当金の補償が適用されます。

従業員の家族が感染した場合 

従業員本人が感染していなくても、従業員の同居家族が感染する可能性もあります。

その場合、従業員には「濃厚接触者と判定されたかどうか」及び、その他保健所から伝えられた内容を報告してもらうよう求めましょう。従業員本人に症状が出ていなくても、2週間はリモートワークを推奨するなど出社を控えてもらうことが望ましいでしょう。

従業員が濃厚接触者の可能性がある場合

従業員本人やその同居家族が感染していない場合でも、従業員が「濃厚接触者」として特定される可能性もあります。

濃厚接触者とは、国立感染症研究所 感染症疫学センターによって下記のように定義されています。

  •  新型コロナウイルス感染症が疑われる者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
  •  適切な感染防護無しに新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診察、看護若しくは介護していた者
  •  新型コロナウイルス感染症が疑われる者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
  •  手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、必要な感染予防策なしで「患者」と接触があった者(患者の症状やマスクの使用状況などから患者の感染性を総合的に判断)

従業員が濃厚接触者として特定された場合には、保健所からの指示に従うようにしましょう。濃厚接触者に対しては、保健所より咳エチケットと手洗いの徹底の指導が行われます。事業者は接触状況に応じてリモートワークなどの指示を検討する必要があるでしょう。 

従業員が感染した場合、公表すべきか 

従業員が感染した場合、企業としてその事実を公表すべきでしょうか。

公表すべきかどうかについては、ルールが決められているわけではないため、ケースバイケースで企業側で判断する必要があります。感染した従業員が不特定多数の人に接する業務を担当していた場合は、不特定多数に感染を拡大させてしまっている可能性があるため、公表を検討する必要があるでしょう。

公表に当たっては、無用な混乱を避けるよう注意が必要です。

  • 判明している感染経路
  • 濃厚接触している可能性のある人がどのくらいいるのか
  • それらの人達の感染状況
  • 感染した従業員からの感染拡大防止策

などについてもセットで公表すると良いでしょう。また、飲食店などの場合、周辺の店舗への影響についても配慮する必要があります。

事前に周辺店舗へ伝えておいたり、周辺店舗での感染防止対応などについても併せて公表するなどの対応が考えられるでしょう。

事業者が知っておきたい雇用を従業員を守るための助成金

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は企業向けの助成金を整備しています。雇用や従業員を守るために、どのような助成金があるのか、またそれぞれの助成金の内容について把握しておきましょう。

雇用調整助成金の特例

雇用調整助成金は、景気の後退等の経済上の理由により、事業者が事業を縮小し雇用調整を行わざるを得なくなってしまった場合に、労働者に一時的に休業等を行い雇用を維持した場合に休業手当や賃金の一部を助成するものです。

今回の新型コロナウイルスの感染による影響が広範囲かつ長期化することが懸念されるため、4月1日より、従来の雇用調整助成金の支給要件を緩和する特例措置が設けられています。

従来よりも雇用調整助成金を受けられる可能性が高くなっているため、最新の支給要件に該当するか確認しましょう。

小学校休業等対応助成金

地域によっては、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、小学校等が休校になり、保護者が出勤できなくなるケースも出てきています。

これを受けて、保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、労働基準法の年次有給休暇とは別に、有給の休暇を取得させた企業に対する助成金が創設されました。

該当する従業員がいる場合は申請するようにしましょう。

【新型コロナ対策】助成金・融資まとめ:国・地方ごと、申請方法の一例まで徹底解説

新型コロナウイルスの影響により各業界の店舗で顧客が激減し、事業の継続が難しくなっている事業者が多く発生しています。また、飛沫感染の防止のため、テレワークや休暇取得の推進が急務となっています。この記事では、事業主の経営支援やテレワーク推進、休暇取得などにかかる国・地方の助成金や融資を一覧にまとめ、さらに申請方法の一例まで詳しく解説します。関連記事新型コロナウイルス3月まとめIOC委員「オリンピック延期」発言、開催は2021年?【新型コロナマップまとめ】感染者・死亡者・累積症例数など丸わかり6...

<参照>

厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

ストレスチェックmagazine:新型コロナウイルス感染予防で、企業が取るべき「対策」と「指針」は?

SmartHR:従業員が新型コロナウイルスに感染した場合の報告内容と、企業側の対応

日経クロストレンド:従業員が新型コロナウイルスに感染したとき、企業がなすべきこと

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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