ロシアのドーピング発覚、東京五輪への参加はどうなる?日本のホストタウン事業にも影響与える

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スポーツの世界で厳しく禁止されている「ドーピング」ですが、ロシアによる組織的なドーピングが行われていたというニュースが記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。

このようなロシアのドーピングに関する不正が続いたことを受け、国際オリンピック委員会IOC)はロシアに対して「国際大会4年間除外」という厳重な処罰を下しました。

今回の記事では、このロシアへの処罰が東京オリンピック・パラリンピックにどのような影響を与える可能性があるのかについてご紹介します。


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ドーピング発覚から処分までの経緯

まず、ロシアの繰り返されるドーピングに対して、4年間の国際大会の出場停止処分を受けたことについてご紹介します。

WADAとは

WADAとは、「世界ドーピング防止機構」のことを指します。

本部はカナダのモントリオールにあり、1999年に国際オリンピック委員会IOC)から独立しました。ドーピングの根絶、ドーピング防止活動を目的としていきます。

国家単位によるドーピング改ざん疑惑

ロシアで行われたソチオリンピックでは、政府ぐるみで組織的なドーピングの隠蔽、不正工作が行われていたことが明らかになりました。

これは、ソチオリンピックに出場した選手に対して行われたドーピング検査の尿検体が、何か月も前に採取されたものと差し換えられていたというものでした。

この不正工作が行われていたのは、ロシア代表選手の全体の4分の1以上にも及びました。

このことから、これが選手による個人的なドーピングではなく、組織的に行われた不正であったのではないかという疑いがかけられることになりました。

除外措置決定

これらの疑惑に対する調査を進めていたコンプライアンス委員会が不正を認定したことを受け、WADAは2019年11月25日、ロシアの選手に対して4年間、主要な国際大会への出場停止処分を科すことを決定しました。

この国際大会への出場停止は、東京オリンピック・パラリンピックも含まれるということです。

これに対し国際オリンピック委員会(IOC)は、厳格な処分を支持する意向を示しました。

ロシア選手の参加はどうなる?

このような国としての国際大会への出場停止処分を受け、東京オリンピック・パラリンピックではロシア人選手はどのような待遇になるのでしょうか。

OARとしての参加

結論から言うと、ロシア人選手はロシア代表として国際大会に出場ができないとしても、個人資格でオリンピック・パラリンピックに参加することは可能です。

彼らは「OAR」Olympic Athlete from Russia(オリンピック・アスリート・フロム・ロシア)として大会に参加することになります。

つまり、「ロシア代表選手」ではなく、「ロシアからのオリンピック選手」という立ち位置です。

ドーピングへの潔白を証明できた選手のみが対象となり、大会に参加できる代わりに国歌斉唱や国旗を持っての大会参加はできないことになっています。

オリンピック以外の大会における影響

今回の処罰は「4年間の国際大会への出場停止」であり、ロシアが参加できないのはオリンピック・パラリンピックだけではありません。

これは、WADAの「世界アンチ・ドーピング規程」に署名している欧州競技大会(European Games)やユニバーシアード(Universiade)などを含む団体が主催する大会には参加できないということを意味します。

しかし、ロシアの都市サンクトペテルブルクで行われることが決まっていた2020年サッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)の準々決勝を含めた4試合、2021年の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)決勝などは、「主要大会、国際大会ではないこと」などを理由に、大会参加が認められています。

除外措置に対するロシアの対応

この厳重な処罰に対してロシア反ドーピング機関(RUSADA)は総会を開催し、WADAに対して「同意しない」という決議が下されました。そして、2019年12月末にはWADAに対して「ロシア制裁に同意しない」旨を述べた文書を送りました。

これらの流れを受け、ロシアのプーチン大統領は、WADAがロシア・オリンピック委員会へのクレームを出していないことなどから、WADAの対応はオリンピック憲章に矛盾していることを指摘しました。

各組織への影響は

今回のロシアのドーピング発覚事件によって、関係する組織にはどのような影響を与えたのでしょうか。

ロシア選手の受け入れを決定していたホストタウン、日本アンチ・ドーピング機構の対策について紹介します。

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参加を受け入れたホストタウン 

オリンピック・パラリンピックの開催に当たり、日本各自治体においては「ホストタウン」として大会参加国と協定し、事前キャンプや地域での交流イベントなどが行われます。

この「ホストタウン」として、2019年末のロシアの大会参加停止処分の決定前に、ロシアの受け入れをすでに決定していた自治体もあります。

新潟県加茂市は2019年2月にロシアとの交流計画を含むホストタウン登録を完了させており、すでにその経済的・文化的交流が進められていました。

また、大阪府池田市は、2017年12月時点ですでにホストタウン登録が行われており、ロシアバレーボール代表チームへの事前合宿の誘致が行われていました。

これらの自治体は、予定されていたイベントや企画の調整が必要となっています。

東京オリンピック・パラリンピックにおけるドーピング対策

このような事態を受け、東京オリンピック・パラリンピックは一層「クリーンな大会」になることが求められています。

日本アンチ・ドーピング機構はWADAやIOCとの連携を取りながら、これまでドーピングが多かった「ハイリスクスポーツ」やドーピングを行うと考えられる時期の特定など、早期対策を行うために活動を始めています。

また、今大会では、ろ紙に血液サンプルを染み込ませて乾かした「ドライブラッドスポット」と呼ばれる新システムの導入を行い、より厳しくドーピングを見逃さないための仕組みを構築しています。

再発防止への体制構築が求められる

組織的なドーピングが行われたロシアは、結果として国際大会への出場停止処分という重い処罰を受けることになりました。この処分により、ドーピングをしていないロシア人アスリートもOARとして出場できるとはいえ、自らの国の国旗を背負って東京オリンピック・パラリンピックに出場することができなくなりました。潔白だった選手のやりきれない気持ちは計り知れません。

このような悲劇を起こさないためにも、再発防止のための緊密な対策と、ドーピングが発覚した場合における厳重な処分を下す姿勢は今後も求められるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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