正式種目の一つであるボクシングは、古代オリンピックの時代からある競技です。近代オリンピックではほぼすべての大会で実施されており、女子は2012年のロンドン大会から正式種目となりました。
アマチュアのみとされてきたボクシングは、2016年のリオデジャネイロ大会よりプロ解禁となり、2020年の東京大会ではますますの盛り上がりを見せることでしょう。ボクシングの競技紹介、スケジュール、見どころ、日本代表選手などを紹介します。
※新型コロナウイルスのパンデミックを受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年程度の延期が決定しました。詳細な日程、選考基準などは、公式情報が発表され次第、順次更新します。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
ボクシングの競技概要
ボクシングは、リングの上で2人の選手がパンチだけで勝敗を決めるというシンプルなスポーツです。ここでは、ボクシングの歴史やルールといった競技の概要を説明します。
ボクシングとは
ボクシングとは、両手にグローブをはめた2人の選手が、四角いリングの中でパンチをし合い勝敗を決めるスポーツです。自分の拳だけを使い、トランクス上部の「ベルトライン」より上、首筋・後頭部・背中を除く上半身を攻撃できます。
あごや心臓、みぞおちなど急所と呼ばれる身体の部分を、一瞬の隙をついてパンチすることで相手を倒します。自分を守るディフェンスと相手を観察して素早く急所を突くオフェンスのバランスが非常に重要なスポーツです。
ボクシングの歴史
紀元前4000年ごろに、古代エジプト軍隊でボクシングがおこなわれていたことが判読できる、象形文字や絵が見つかっています。オリンピックの正式種目となったのは第23回大会からで、当初は「相手が負けを認めるか気を失うまで試合を続ける」というルールで行われていました。
古代におけるボクシングでは死者も出るほど危険な競技だったため5世紀にはローマ皇帝により禁止され、ローマでは17世紀後半に安全なルールが制定されるまで途絶えていたという歴史もあります。
近代におけるボクシングの始祖は1695年に生まれたイギリスのジェームス・フィグ氏といわれています。フィグ氏は1718年にロンドンで「ボクシング・アカデミー」を設立し、ボクシングの指導を行いました。フィグ氏が当時教えていた「ボクシング」とはグローブを嵌めず素手で行うほか、蹴り、投げ、締め、噛みつき、目つぶしも許容されさらには武器の使用も含まれていたものでした。
現代のボクシングのルールにより近づいたのは1867年の「クインズベリー・ルール」からとされています。このルールにより投げ技が禁止され、ラウンド制、グローブの着用、KO負けが導入され、それからも数々の選手の安全を考慮した修正を受け、現在のボクシングの形に至っています。
勝敗のつき方
ボクシングの勝敗は様々な方法で決まりますが、一番わかりやすいものがKO(ノックアウト)です。相手のパンチによってダウンし、10秒以内に立ち上がれず、競技を続けられなかった際の判定方法です。
ダウンしなくても、明らかに競技を続けることが難しいとレフェリーが判断した場合や、本人やセコンドがギブアップをした場合は、TKO(テクニカルノックアウト)になります。リングにタオルが投げられるのを見たことがあるかもしれませんが、それはセコンドからのギブアップの合図です。
3分×3ラウンドの試合が終わった時点で決着がつかない場合は、5人のジャッジの採点による判定になります。判定は10点満点の減点式で、1ラウンドごとに有利な方には満点がつけられ、ダウンや反則などがあった場合は減点になります。
2人の選手の間に競技の続行が不可能と思われるほどの差がある場合や、選手がケガをして医師の判断で試合の継続が困難となった場合などは、レフェリーが試合を終了させるRSC(レフェリー・ストップ・コンテスト)となります。また、3回の警告(減点)を受けた選手は失格となり、勝敗が付きます。
東京オリンピック・ボクシング競技の注目ポイントは?
日本には最低限出場できる選手の数として男子4人、女子2人の開催国枠が与えられています。予選を経て選手が自力で出場枠を勝ち取れなかった場合、予選終了後に強化委員会が選手を決定します。代表選考や注目選手について解説します。
※新型コロナウイルスのパンデミックを受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年程度の延期が決定しました。詳細な日程、選考基準などは、公式情報が発表され次第、順次更新します。
代表選考
リオオリンピックでのボクシングは男子が10階級、女子はフライ級、ライト級、ミドル級の3階級での開催でした。東京オリンピックでは女子のフェザー級、ウェルター級が加わり、男子10階級、女子5階級で開催予定です。日本は男子がフライ級からライトヘビー級の6階級、女子は全5階級に挑戦します。
男子は、2019年9月の世界選手権優勝者が、11月の全日本選手権大会で優勝すると日本代表選手として選出されます。しかし、全日本選手権で敗れた場合には、世界選手権と全日本選手権の両優勝者が、同12月にBox off(決定戦)をし、代表が決定します。
女子は、同10月の世界選手権と日本選手権の優勝者同士が決定戦をし、その勝者が日本代表として選出されます。
日本代表に選出された選手は、4月21日現在、男子はライト級の成松大介選手、ミドル級の森脇唯人選手、フライ級の田中亮明選手、ウェルター級の岡澤セオン選手、女子はフライ級の並木月海選手とフェザー級の入江聖奈選手です。
注目選手
男子は、ライト級の成松大介選手に期待がかかります。リオ五輪出場者でもある成松選手は高校からボクシングを始め、全日本選手権では通算9度の優勝経験があります。11月の全日本選手権ライト級で優勝し、予選出場権を獲得しています。
女子では、メダル候補と言われるフライ級の並木月海選手に注目です。2018年の世界選手権では銅メダルを獲得、2019年の世界選手権では惜しくも3回戦で敗退しましたが、同選手権で過去に2回優勝している、カザフスタンのナジム・キザイベイを破る実力があります。
競技開催概要
東京オリンピックで開催される種目は以下の通りです。また、会場は国技館が予定されています。
<種目>男子:フライ級(48-52kg),フェザー級(52-57kg),ライト級(57-63kg),ウェルター級(63-69kg),ミドル級(69-75kg),ライトヘビー級(75-81kg),ヘビー級(81-91kg),スーパーヘビー級(91kg超)
女子:フライ級(48-51kg),フェザー級(54-57kg),ライト級(57-60kg),ウェルター級(64-69kg),ミドル級(69-75kg)
<大会時のアクセス>
都営大江戸線「両国駅」下車徒歩約5分
プロアマ問題
長らく「アマチュアの祭典」とされていたオリンピックですが、段階を踏んでプロ参加の容認が進んできました。ボクシングも2016年のリオオリンピックからプロの出場が解禁されていますが、賛否両論を呼んでいます。
プロ解禁となったオリンピック
ボクシングは1904年にオリンピック種目になって以来、アマチュアのみが参加できる競技でした。2016年のリオオリンピックでも、ボクシングはプロの参加が認められない唯一の競技でしたが、オリンピック開催の2か月前に急遽プロ解禁が決定され、プロボクシング界からの大きな反発が起こりました。
プロとアマチュアのボクシングは全く性質の異なる競技であり、経験の差やルールの違いによるアマチュア選手の大けがのリスクがあったためです。特に、リオオリンピックではヘッドギアが廃止され、アマチュア選手にとってはとても危険な競技になることが予想されていました。
さらに、「神聖なオリンピックを商業的に利用すること」への懸念もありました。
プロとアマチュアの違い
プロとアマチュアは、2つのスポーツに区別されるほど異なったものです。前提として、プロは収益を上げることが目的であり、観客を盛り上げるような派手なパンチやダウンにポイントが加算されます。対してアマチュアは、的確で質の高いパンチのポイントが高くなります。
競技の時間はプロが3分×12ラウンド、アマチュアは3分×3ラウンドのため、試合のスピード感にも差があります。また、計量の仕方も異なります。プロは前日に計量してその後試合までに体重を戻せますが、アマチュアは連日計量しなければならないため、各試合後も次の試合への体重調整が必要です。
そして、プロは年に2,3回の試合をしますが、アマチュアはトーナメント制で連日試合をすることになります。
こうした点に、プロとアマチュアのボクシングにはその競技性に大きな隔たりがあることが分かります。
選手や連盟の動向に注目
ボクシングでオリンピックに参加するには、国内の大会で優勝し、そこから世界選手権やアジア選手権などを勝ち抜かなければならないため、非常に難しいといえます。
しかし今回の東京オリンピックは開催国枠があり、日本人選手にとって大きなチャンスといえます。
本番だけでなく、予選大会など数々の大会も見られるのがオリンピックの醍醐味です。オリンピックが始まるまでの過程も選手や連盟の動向に注目が集まります。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!