2020年初頭から世界各地で問題となっている新型コロナウイルスですが、最も早く感染が確認された中国では、人々は日常を取り戻し始めています。
メッセージ機能をメインに据えた中国のスーパーアプリであるWeChatは、今回の在宅勤務期間には企業へのサポートを提供するなど、社会のインフラとしての存在感を一層強めました。
2020年5月14日にWeChatと中国信通院が合同で発表した「2019-2020微信就業影響力レポート」から、アプリの最新基本情報や、コロナ禍における就業支援、経済復興に果たした役割を紹介します。
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Web版のWeChatの使い方
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【最新】WeChat基本情報:アクティブアカウント数は12億250万に
WeChatは中国の三大IT企業の一社であるテンセントが提供するメッセージングアプリで、中国で広く利用されており、中国版LINEなどと呼ばれています。
2020年第1四半期のテンセントの財務報告によれば、月間アクティブアカウント数は12億250万人となっています。
LINE同様、組織や企業がフォロワーに向けてコンテンツを配信できる「公式アカウント」も存在し、この公式アカウントの件数は2,000万以上となります。
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WeChat Pay:行政サービス、医療、教育での利用が伸びる
WeChat PayはQRコード等を用いた決済サービスです。現在ネットショップだけでなく市内の小売店で広く採用されています。
アカウント間の送金にも利用されており、月間アクティブアカウント数は8億、1日で10億回以上の取引数があります。
WeChat Payによる支払い人数の増加が著しい3つの分野には、行政サービス、医療、教育が並びました。
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ミニプログラムの成長でWeChat経済圏が拡大
WeChatミニプログラム(小程序)はWeChatのアプリ内で立ち上がるミニアプリです。ゲームや旅行予約、ECといった様々な業種がミニプログラムを展開しています。
WeChatミニプログラムのデイリーアクティブユーザー数は4億にも上り、2019年の取引額は前年比160%の8,000億元(12兆円)と、巨大な経済圏を形成しています。
また、企業向けの「企業WeChat」のサービスも展開しており、業界では50以上、250万超の企業に利用されています。
WeChatのエコシステム(経済圏)
WeChatには様々な機能があるため、WeChat内だけで消費に関わる手順が全て完結します。例えば、ミニプログラム内のネットショッピングで欲しいものを検索、そしてWeChat Payを利用して購入まで完了できます。
商品の購入後にはチャットやタイムライン(朋友圏)において、情報拡散も期待できます。
新たなサービスや概念の誕生に応じて、WeChatの経済圏には新しいビジネスチャンスも生まれます。この経済圏に関係する企業は、現在6万件を超えています。
2019年はWeChatにより2,963万人に対する就業の機会が提供されたとしています。また副業の機会や、発展途上の地方での就労機会の提供にもつながっています。
新型コロナで経済打撃、消費回復にWeChat Payでクーポン配布
感染拡大の影響で雇用が不安定となる中、WeChatは雇用を支える企業の安定化を目的に、リモートワークオフィス、非接触型取引、ミニプログラムなど一連のサービスを開放し、企業の迅速な回復を支援しました。
同時にミニプログラムを通して手軽に求職者が仕事に就けるような支援も行いました。
また新型コロナウイルスの影響で落ち込んでしまった消費活動を回復させるために、中国各地の市政府はWeChat、そのほかスマホ決済が可能なAlipayやMeituan(美団)といったサービスでもクーポンを配布しています。
中国で存在感を増し続けるWeChat、インバウンド対策にも活用
中国ではWeChatを通して政府が経済復興策を打ち出したり、雇用安定のためのプラットフォームになるなど、WeChatはますます生活と切り離せない存在となっています。
中国は、国別訪日外客数で1位であり、訪日旅行中の需要取り込みについて検討している事業者は大都市、地方とも少なくありません。
緊急事態宣言が一部では解除され、今後徐々に海外との往来も回復していくことが期待できます。市場の回復を見据え、様々な業界でインバウンド中国市場に向けた旅マエ、旅ナカ、旅アト施策についても、積極的に検討するようになってくると考えられます。
施策の優先順位を判断できるようになるためにも、中国人が日常どのようなシーンでネットサービスやアプリを活用しているかについて、理解を深めておくとよいでしょう。
<参照>
・WeChat:重磅!《2019-2020微信就业影响力报告》发布
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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