世界各地で日本料理屋が展開され、訪日外国人にとって滞在の大きな目的ともなる日本食ですが、食べなれない食材や味付けがあります。
回転ずしやラーメン店はアジアやヨーロッパの各都市にも出店しており、大衆向けの料理として人気を博していますが、日本人にとっては同じく一般的な食材や料理であっても、口にするのに抵抗感のあるものも少なくありません。
今回は、編集部にて訪日経験のある外国人へ行ったヒアリングと口コミを参考に調査した「外国人が意外と苦手/好きな日本の食べ物」を、その理由とともに紹介します。
※画像はすべてフリー素材
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外国人はこんな日本食が苦手!意外な7つの食材や料理
日本を訪れたことがある外国人十数名にアンケートを実施し、得られた回答の中には意外なものもありました。
1. こんにゃく
「食感が苦手」
おでんや煮物に入っていることの多い「こんにゃく」が挙がりました。こんにゃくが持つ独特の食感は外国人には馴染みがないようです。
また、こんにゃくの見た目も苦手と思われる原因かもしれません。外国人からはこんにゃくは得体の知れない黒いつぶつぶの入った不気味な物体に見えるそうです。
寿司に使われる「のり」もその見た目から苦手な人が多く、カリフォルニアロールのように海外では内側に巻かれることが多いので「黒い食べ物」に抵抗を感じるのでしょうか。
2. うどん
「見た目からは何から作られているのかわからない」
「食感がちょっと苦手」
和食・日本食の中でも比較的手軽に安く食べることのできる食べ物である「うどん」が挙がりました。パスタのように細くなく、フォークで巻けないことにも驚くようです。
また、蕎麦やラーメンを苦手と思う人も多く、その理由として、すすって音を立てて食べることに違和感を覚えることが多いようです。
食事中に音を立てることをマナー違反とする国では特に敬遠されがちです。
3. 漬物
英語表記では「pickle」となるため、ピクルスの味を想像してしまい、「漬物」を食べた時にそのしょっぱさに驚くそうです。
特に梅干しの酸っぱさを苦手と感じる外国人が多いです。
アンケートの中には、「浅漬けはおいしかったよ」という意見もありました。
4. 鍋物
「みんなで箸で鍋をつつくのは気が進まない」
特に欧米人からの意見で、食習慣として大皿で料理を盛られることが少ない国の人には、より受け入れられないようです。
5. もんじゃ焼き
「ごっちゃっとしてる感じが何が入っているかわからないから怖い」
「あまり見た目が綺麗に見えないのでおいしそうに感じない」
日本人でも見た目の好き嫌いはわかれますが、鍋と同じくみんなで一つのものを食べることにも抵抗があるようです。
6. 頭や尻尾がついているえび
「頭やしっぽがついたままだと見た目がグロテスク」
「目が合うからかわいそうで食べるのに躊躇してしまう」
日本では舟盛りのように頭付きで盛り付けることでキレイに見せるため、あえてそのままにすることがありますが、これを外国人は苦手と思ってしまうようです。
7.卵かけご飯
「生卵かけちゃうの?」
海外では生卵を食べる習慣がないところが多く、スーパーでは常温で売られていることも多いため衛生的にも生卵を食べることはありません。
海外からの観光客に提供する食事で気を付けたいこと
これらのことから、味そのものだけでなく食べたことのない食感、食文化的に食べたことのない方法で食べるものが苦手なようです。
訪日外国人観光客により満足のいく日本旅行をしてもらうには、こうした傾向を知っておいて、苦手だと考えられるものの提供の仕方などを工夫すると良いでしょう。
ただし、あくまでも傾向なのでその人が食べたいと思うものを確認し、食べられるように提供・提案することが一番大切です。
意外と人気な日本の食べ物
ここまで苦手な食べ物を紹介してきましたが、訪日外国人に聞いた好きな日本の意外な食べ物も紹介します。
ワサビ
「豆腐や刺身、白米にまでワサビをつけて食べたくなるほどワサビが好き!」
ここまでではなくても、ワサビの鼻に抜ける感覚が癖になると感じる人もいるそうです。
ワサビと答えた人の多くが訪日インド人だったので、スパイスの刺激や感覚に似ていたのかもしれません。
枝豆
豆を食べる文化は外国にもあるため受け入れやすく、程良いしょっぱさが美味しいそうです。
海外でも「edamame」として売られていて、サラダなどに使われています。
ロンドンCoco壱番屋に大行列!イギリス人が好きな日本食5選
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外国人の意外な好き嫌いから文化を理解することにもつながる
外国人が意外と好き・嫌いな日本食を紹介しました。外国人の好き嫌いの傾向を知ることは具体的な施策に活かすことはもちろん、文化を理解する入り口となります。「なぜ外国人はこれが好きなのか」を考えることは、国民性や文化的な背景などを調べることにつながっていきます。
客層のターゲットとなる国の文化などを理解することでより寄り添った対策が取れるため、一度食文化の傾向を考えてみると良いでしょう。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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