日本食は特有の出汁を活かした味付けや、寿司など欧米では通常食べない生魚を使った繊細な料理が、健康志向の高まりとともに世界的に人気を博しています。
イギリスでも日本食の人気が高まり、定番の寿司やラーメン、うどんなどを提供する店舗が多く出店され、イギリス人の好みに合わせた独自のメニューも作られています。
今回は、イギリス人に人気の高い和食とイギリスでの日本食事情について紹介します。
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ロンドンCoco壱番屋にオープンで大行列!
日本のカレーチェーン「カレーハウスCoco壱番館 LeicesterSqware店」が2018年12月12日にロンドンに欧州一号店としてオープンしました。オープン後初の週末には行列ができる賑わいを見せました。
レスタースクエア店はロンドンの繁華街に位置し、流行に敏感な女性やカップルに利用してもらえるべく、洗練されたデザイン性と空間を演出しています。
ロンドン市民をはじめ、現地で働く日本人、中国人などのアジア人、30台前後のアッパーミドル層のカップル、ファミリーをターゲットとして、今後5年間でイギリス国内に約10店舗の展開を目指しています。
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イギリスで起こる日本食ブーム
イギリスの新聞インディペンデント紙が2018年に行った調査によると、イギリス人が外食に選ぶ外国料理トップ10には日本食はランクインしていません。
しかし、行ってみたい外国食ランキングには上位に入っており、今後さらなる日本食への需要が見込まれます。
イギリスに浸透しつつある日本食
日本食レストランはイギリス全土にあり、毎年その数を増加させています。レストランだけでなくスーパーなどでも寿司は必ず売られていますし、カップラーメンなどの日本の食品を目にすることが当たり前になっています。
日本食レストランはロンドンにその多数があり、2014年時点で全英で674店舗のうち、434店がロンドンにあります。
日本食のブームの背景にはイギリス人の健康志向の高まりがあり、長寿な人が多くいる日本人が食する日本食は体に良いという印象からイギリスに浸透しつつあります。
イギリス全土に展開する日本食チェーンも多数
イギリス全土に展開する日本食チェーン店も増えています。日本食レストランでチェーン店が占める割合はイギリス全土で35.5%となっています。ロンドン以外の地域での集計では42%とロンドン以外の地域の方がチェーン店が多い傾向にあります。
有名な日本食チェーン店としては、麺料理を中心としたチェーン店のWagamama、寿司を中心とした日本食レストランチェーンのitsu、wassabi、Yo!Sushiなどの日本食チェーンブランドがあります。
イギリス人に人気の日本食5選
イギリス人は食に対して非常に保守的だと言われています。伝統を重んじる傾向の強いイギリス人ですが、近年の健康志向の高まりの中で、日本食は体に良いという印象が強いようです。
1. 寿司
サーモン、茹で海老、カリフォルニアロール、カニかまぼこ、チキンカツなどを巻いたもの、アボカド、きゅうりが人気となっていて、巻き寿司は海苔巻きではなく、裏まきが主流です。
シャリは機械で握る店がほとんどのようです。英国人起業家のサイモン・ウッドロフが回転寿司のチェーン店「YO!Sushi」を成功させています。
2. ラーメン、うどんなどの麺類
日系のラーメン店が、ロンドンでここ数年一気に増加しています。「スパイシーサーモン・ラーメン」、「ピーナッツバターラーメン」など、変わり種の独自のメニューも見られます。
ラーメンに次いでうどんの人気も高く、讃岐うどんが有名です。イギリス人の好みに合わせて、「チキンスープ」などが出汁に使われていることもあります。
3. カツカレー
もともと日本のカレーは、かつてインドがイギリスの統治下にあった歴史からイギリスを通じて紹介されたのですが、それとは別物として日本食のカレーが人気となっています。
スーパーでは「カツカレーキット」までが売られるようになっています。ただし、具材はポークカツではなく、チキンカツが主流となっています。
4. お好み焼き
イギリスの伝統料理 Bubble and squeak(キャベツやケールなどとポテトをつぶしたものをフライパンで焼いた料理)に似ていることもあり、お好み焼きはイギリス人になじみやすい料理のようです。
お好み焼きソースも、ウスターソースの発祥の地でもあるイギリスでは受け入れられやすいようです。ただ、トッピングに脂っこい豚バラや脂っこい揚げかすを載せたものは敬遠されがちです。
5. 餃子
餃子も人気の日本食です。さまざまな形の餃子がありますが、日本風の焼き餃子の人気が高い傾向にあります。具材の中身には、アレルギーや宗教で食べられない人がいるので注意が必要です。
餃子の中身も鴨、海老、チキン、野菜など幅広く揃えてあります。タレは甘めのものの方が好まれるようです。
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イギリス人は日本食が好き?
健康志向の高まりによって、日本食への健康に良いという認識がイギリス人の日本食ブームをもたらしています。
しかし、もともと食に対して保守的な考えを持っているイギリス人は、本当に日本食が好きなのでしょうか?
実際のところの日本食の人気度について考えてみましょう。
イギリス人は食に保守的
イギリス人は外食する際、行く店を決めるのに時間をかける傾向にあります。グループでのお店選びに平均25分ほどかけて考えたのち、実際に行くのは行きつけの店になるといったように食に対して保守的な傾向にあります。
イギリスのデータ分析会社、YouGovが2018年に行った調査によると、実際に外食でイギリス人が選ぶ料理の第1位はパブフードで、パブで提供されているイギリスの伝統料理です。最近では各国の外国食レストランができているのですが、食に保守的なイギリスは伝統料理を選ぶ傾向がまだ高いようです。
「日本食を食べたことがあり、日本食が好きだ」と答えたのは57%
イギリスのYouGovの調査によると、実際に日本食を食べたことがあり、日本食が好きだと答えたイギリス人の割合は約半分となっています。
寿司、ラーメン、うどん、お好み焼きなどの日本料理を提供する多くの日本食レストランがイギリスで開店していますが、店のオーナーが日本人でない場合も多くあります。
そのような店では、独自に解釈された料理が日本食として提供されているケースもまま見受けられ、本当の日本食の味が提供されているのか疑問が付くところではあります。
また、普段食さない生魚を使った、寿司、刺身などは初めての味覚であるため最初に味わった際に、どのように初めての味覚を受け取っていいか戸惑う方も多いのではないでしょうか。
今後の需要増に期待しPRを
イギリス人は食に対して保守的な傾向にありますが、日本食人気の高まりから寿司、ラーメン、うどん、カレー、お好み焼き、餃子などの日本食を提供する日本食レストランが増加傾向にあります。
ロンドン郊外では日本食レストランのチェーン展開も進んできています。日本食は「試してみたい」外国料理ランキングでは第4位にランクインし、今後もイギリス国内で日本食の需要が高まる可能性が期待できます。
イギリス国内では認知度だけでなく、イギリス人の好みに合うメニュー作りやわかりやすさなどが鍵となりそうです。
データでわかる訪日英国人観光客
「ジェントルマン」発祥の地、イギリスからやってくる訪日英国人観光客はマナーやエチケットには敏感な性格を持ちます。基本的に相手との間に距離を置いた付き合い方をするため、欧米系の顔だからといって対米国人に接するときのような、あまりにもフレンドリーな態度は控えたほうが賢明です。
訪日英国人観光客のインバウンド
訪日英国人は2016年の訪問数で29万人と11番目となっており、英語圏では3番目の数値となっています。訪日英国人観光客の特徴としては、中高年の高所得者層が多く、長期滞在型(およそ13日程度)の旅行形態が多いため、旅行中消費額も高い傾向にあることです。日本の伝統的文化への関心が高く、人気のルートは東京、京都、奈良などがあります。桜、紅葉の時期の観光客数が増加することも特徴。さらに、最近は日本食への関心も高まりつつあります。
<参照>
JETRO:英国日本食品消費動向調査
INDEPENDENT:Top 10 cuisines British people choose when eating out
YouGov:Italian cuisine is world’s most popular
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