「Hyper Japan」はイギリスで開催される最大規模の日本イベントで、日本の伝統文化から最新ポップカルチャーまで、見て、聞いて、触れて、食べることができるユニークな催しです。
Hyper Japan 2019は10周年を迎え、盛大に盛り上がりました。
この記事では、Hyper Japanで実際に行われたイベントから、参加者の声まで、人気の理由を考察します。
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会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
Hyper Japanとは
Hyper Japanとは、ロンドンで開催される日本の最新カルチャーを紹介するイベントです。
半年に1回の頻度で催されており、イギリスのみならず、フランスやベルギーなどヨーロッパ各国から参加者が訪れ、その規模は年々拡大しています。
「フェスティバル」と呼ばれる夏のイベントでは、コンサートを中心としたエンターテイメントが繰り広げられ、「マーケット」と呼ばれる冬のイベントは食べ物や雑貨などを購入できるお買い物を中心としています。
イギリス最大規模のジャパンフェスティバル
主催はクロスメディア社というロンドンに拠点を置く会社で、1987年からイギリスと日本をつなぐ活動を行っており、日本文化を世界に発信する広報宣伝活動が主な事業内容です。
Hyper Japanは最新の日本カルチャーをイギリスだけではなくヨーロッパ全土に紹介するのが目的であり、初めて開催されたのが2010年、2018年には8万人以上の来場者が訪れるほどの大規模イベントとなりました。
ホームページから出展に関する問い合わせをすることができ、漫画・アニメ・ゲーム・ファッション・食べ物など幅広いカテゴリーから出展内容を選択することが可能です。
Hyper Japanのイベント内容
- 日本食:Hyper Japanの中でも特に人気が高いのがフードエリアで、日本酒をテイスティングできる「Sake Experience」は2019年で7回目の開催となりました。参加者はテイスティングだけではなく、投票によるランク付けも行っています。その他、日本食ワークショップや和菓子の歴史を振り返るイベントもあります。
- ゲーム・アニメ・漫画・映画:コミックマーケットさながらのアニメグッズや、フィギュア、漫画の販売からコスプレショーまで開催されており、アニメ監督や声優といったスペシャルゲストによるトークショーが好評です。任天堂といった大企業が出展していることもHyper Japanを盛り上げる要因になっています。
- 音楽・パフォーマンス:ライブ型ステージが会場に設置され、これまでにX JAPAN、布袋寅泰、でんぱ組.incなどのアーティストがパフォーマンスを披露してきました。ニコニコ動画で生配信されたこともあり、日本での注目度も高まっています。
10周年を迎えたHyper Japan 2019
10周年を迎えたHyper Japan 2019は、2019年7月12日〜7月14日に開催されました。
2019年にラグビーW杯、2020年に東京オリンピックと立て続けに世界的祭典が開催予定であることを見越してか、今年は新たな試みが始まっています。 参加企業もフードエリアで47社と増加し、日本の自治体や観光関係者によるブース出展も目立ちました。
多様な文化がさらに身近に感じられるよう、工夫を凝らしたステージにも注目が集った模様です。
「Activity Zone」では、ワークショップとして書道や折り紙など、実際に日本文化を体験出来るほか、将棋や麻雀といったボードゲームの対戦が出来るスペースを設けました。
さらにオリジナルラグビーボールを製作するペインティングコーナーといった、イギリス現地でもラグビーW杯を盛り上げるアクティビティが用意され、ゲーム・アニメエリアに置いてもAR技術を活用したテクノスポーツトーナメントが初開催されました。
イベントに関心の高い若年層からシニア層まで幅広い年代を取り込むことに成功しています。
参加者の反応は?
参加者の反応はTwitterにも投稿されています。以下の投稿はコスプレイヤーになってからHyper Japanを心待ちにするようになった参加者のものです。
日本のファッションに興味がある彼女は友人たちと「ギャル」の格好をするのが楽しく、今回はてるてる坊主を製作するワークショップで日本文化を学んだと、嬉しそうに報告しています。

Twitter:Hyper Japan 2019参加者のコメント(https://twitter.com/hellolizziebee/status/1152874356973932545)
(編集部翻訳:今回は先週私が旅行していた@HYPERJAPANevent!友達全員に会って、かわいいものをたくさん買って、本当に素晴らしい時間を過ごしました💖これが、ハイパージャパンが好きな理由の全てに関する私のブログ投稿です!)
また、普段から日本のゲームに親しんでいる参加者も確認できます。任天堂がHyper Japanに出展したことがきっかけで参加するようになったようです。普段のTwitterの書き込みにも任天堂関連のものが多く、改めて世界に日本ゲームのファンがいることを実感できます。
参加者の目的は違えど、それぞれが自分の好きなジャンルを楽しめるのがHyper Japanの魅力と言えるのではないでしょうか。
イベントが終了した後にはSNSで「また行きたい」という声が多数つぶやかれています。
近年の海外から見た日本文化
神社仏閣、日本庭園に温泉などいわゆる「わびさび」を感じられる文化に触れたいと外国人は感じているようです。
一方で、漫画・アニメを代表するポップカルチャーやビジュアル系バンドなどが若年層に受け入れられており、「ANIME」「OTAKU(海外ではアニメ好きのことを指す)」といった日本語が世界共通語となりつつあります。
訪日外国人が期待していることの1位は日本食を食べること
観光庁が発表した2018年の訪日外国人の消費動向によると、旅行消費額の20%以上が飲食費を占めています。
訪日前に期待していたことの70.5%が日本食と回答しており、満足度では92.7%にのぼるなど、その注目度の高さが伺えます。
和食は無形文化財に登録されている上、ヘルシーで健康的というイメージが定着していることが人気につながっているようです。
繊細で技巧を凝らした食文化は見た目の美しさだけではなく、肉や魚、野菜を豊富に使われている料理が多く料理法も多彩なため、食べたことのないメニューが食べられると外国人観光客は感じているのでしょう。
国によって期待する料理は異なり、アメリカ人は定番の寿司、中国人は魚料理、台湾人はラーメンといったように、食べることに抵抗がない、受け入れ難いマナーがないものを好む傾向にあります。
日本ならではのポップカルチャーも人気
ヨーロッパは世界の中でも珍しく、日本のポップカルチャーに高い興味を示している地域です。
内閣府の調査によると、日本に興味を持つきっかけになったのがアニメ、漫画、ゲームと答えた人が75%にも及び、他国とは異なる視点で日本を見ていることがわかりました。
ただし、ポップカルチャー自体を訪日目的にしている外国人観光客はまだまだ少数派で、訪日目的の占める割合はわずか9.8%です。
それでも団体ツアーではなく、個人旅行で訪れる人の中には秋葉原での買い物を楽しんでいたり、近年では映画やアニメのモデルとなった地域を訪れる「聖地巡礼」が流行になりつつあります。
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海外でのイベントが訪日のきっかけに?
日本文化を紹介することを目的とした海外イベントは「食」を中心に人気を集めていますが、これからますます多様化していくことが予想されます。体験型の催しが増えるに従って、自分の興味関心との接点に気付き、実際に日本を訪れたいと感じる人が増えてくるかもしれません。
Hyper Japanのような海外イベントをきっかけに、日本への関心をかきたてることができれば、訪日外国人の増加にもつながっていくでしょう。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
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詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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