ロッテリアは外国人ニーズに対応|インバウンド向け商品を含むロッテリアの魅力を紹介

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ロッテリアは、菓子メーカーのロッテが運営するハンバーガーチェーンです。マクドナルドの日本進出、モスバーガーの誕生と同時期の1970年代初頭に開業して以来、多くのファンから愛されています。

ロッテリアの魅力は、バラエティに富んだメニュー展開で多様なニーズに対応することで国内、海外を問わず人気となっています。中でも、インバウンドニーズを的確に汲み取り、販売商品に反映させる姿勢は外国人から高く評価されています。

この記事では、ロッテリアの歴史、魅力、インバウンド対策を紹介します。

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ファストフード飲食店:ロッテリアとは

ロッテリアは、マクドナルドやモスバーガーと並んで人気を博しているハンバーガーチェーンです。その特徴は海外での店舗展開に力を入れている点で、日本国内よりも海外に多くの店舗を設けています。また、独自性あふれるメニュー が多いこともロッテリアならではの強みです。

以下では、ロッテリアが生まれた背景、海外での店舗展開を紹介します。

ロッテリアの始まり

ロッテリアを運営しているのは、「トッポ」や「コアラのマーチ」で有名な菓子メーカーの「ロッテ」です。

ロッテリア(Lotteria)の名称は、親会社であるロッテ(Lotte)と、スペイン語で「セルフサービスの食堂」を意味するカフェテリア(cafeteria)を合わせた造語です。

1972年に創業したロッテリアは同年9月、1号店を東京都の日本橋高島屋に構えています。1971年にアメリカ発祥のマクドナルドが日本へ進出した際は、銀座三越に1号店を出店していることから、当時百貨店にハンバーガーチェーンが出店することはごく自然だったようです。

また、同じく大手ハンバーガーチェーンのモスバーガーも1972年に創業しており、1970年代初頭はハンバーガーブームの黎明期でした。

国内より多い海外店舗数

ロッテリアは日本国内で生まれたチェーン店ですが、特に海外での出店に力を入れています。

韓国では1979年9月に1号店を出店していますが、わずか20年後の2001年9月には700店舗を達成しており、驚異的なスピードで韓国市場を開拓していったことが伺えます。

国内店舗は、訪日ラボ計算によると2020年6月3日時点で337店舗ですが、インドネシアやカンボジアなど、東南アジア8カ国・地域で既に300店舗以上を運営しており、国内に負けない勢いで海外に展開しています。

ロッテリアの創業直後の成長は著しく、創業から5年後の1977年12月には国内で100店舗を展開し、さらに2年後の1979年8月には200店舗まで増加させています。さらに、翌月の1979年9月には海外1号店を韓国にオープンさせるなど、1970年代はロッテリアにとっての急成長期でした。

また、店舗を拡大する中でオリジナリティあふれるメニューの開発にも注力しており、1977年に発売した「えびバーガー」や1984年に発売した「リブサンド」は、今でも看板メニューとして愛されています。「ラーメンバーガー」や「ポテトチップスバーガー」などの変わり種メニューにも挑戦しており、顧客を飽きさせないための工夫も怠りません。

ロッテリアならではの魅力

ロッテリアが多くのファンを獲得した要因の1つが看板メニューの「エビバーガー」と「チーズバーガー」です。競合ハンバーガーチェーンにも同様の商品があるにもかかわらず、ロッテリアがこれらのメニューで人気を博している背景には、さまざまな企業努力や工夫があります。

以下では、それぞれのメニューの魅力を紹介します。

看板商品である「エビバーガー」と「チーズバーガー」

エビバーガーは、1977年に発売された商品です。サクッと食感に揚げたエビカツを、手作業で仕上げたタルタルソースと合わせています。

エビは当時、「おせちに入っている縁起物」や「高級食材」のイメージが強く、日常的に食べるものとは考えられていなかったため、ワンコインで食べられるファストフードにエビを取り入れるのは斬新なアイディアでした。

加えて、ロッテリアでは看板メニューのエビバーガーをよりよいものにするために日々改良に取り組んでおり、エビの品種やパン粉の粗さ、味の決め手となるタルタルソースの材料などを試行錯誤しています。

また、エビバーガーと並ぶ人気メニューが「絶品チーズバーガー」です。「世界一おいしいチーズバーガー」をコンセプトとしており、ロッテリアが通常使用しているミンチと比べて2倍以上粗く挽いた肉でパティを形成しています。また、ファストフード店では管理しやすいプロセスチーズを使用しますが、味わいやコクを重視してナチュラルチーズを使用しています。

期間限定を含むオリジナルメニュー

ロッテリアの魅力は、「えびバーガー」や「絶品チーズバーガー」などのレギュラーメニューだけではありません。オリジナリティあふれる商品の開発にも力を入れており、競合ハンバーガーチェーンとは一線を画すような期間限定メニューを展開しています。

滋賀県のブランドミートである近江牛を使用した「近江牛メンチカツバーガー」や、パティではなく麺をサンドした「ラーメンバーガー」、親会社であるロッテの人気アイス「雪見だいふく」を使用した「雪見だいふくプチバーガー」など、ユニークなアイデアで勝負しています。

レギュラーメニューの味やコストパフォーマンスで競合との差別化を図るだけでなく、ロッテリアでしか食べられない商品でファンを獲得する手法が功を奏しています。

ロッテリアのインバウンド向け商品

ロッテリアでは、海外からの観光客を取り込むためにインバウンドニーズに対応した商品の販売にも力を入れています。以下では、同社がインバウンド需要に着目して開発した、2つのハンバーガーを紹介します。

エゾ鹿バーガー

訪日外国人から人気の観光地である北海道に注目した同社は、2016年に北海道のジビエ料理をコンセプトとした「エゾ鹿バーガー」を発売しています。

鹿肉のミンチにパン粉などを加えることで食べ応えのあるパティを実現しており、メインの味付けには鹿肉のインパクトに負けないようオリジナルのデミグラスソースを採用しています。これはジビエ料理を食べ慣れていない顧客にも食べやすい風味に仕上げるための工夫です。

エゾ鹿バーガーは鋭い着眼点と商品の斬新さが話題を呼び、多くの顧客から好評を得ました。当初は期間限定メニューとして発売されたものですが、根強いファンを獲得したため、北海道内の一部店舗に限り冬期限定商品として再販されています。

ソイ野菜バーガー

ロッテリアでは2019年5月より期間限定で、肉を使用しない「ソイ野菜ハンバーガー」を販売しました。健康志向の顧客向けに開発された同商品は大豆から生成したパティを使用しており、近年増えているベジタリアンの訪日外国人も口にすることが可能な商品となっています。

肉を野菜に変更することで健康的に仕上げるだけでなく、カロリー50%オフ、コレステロール0のマヨドレッシングを使用しており、健康を気遣う顧客のニーズにも対応しています。

なお、同商品には卵や乳製品が含まれているため、ビーガンを始めとした顧客のニーズには対応が難しい現状にありますが、同社は今後さらに拡大が見込まれるインバウンド需要に向けて改良を重ねていくとしています。

外国人ニーズを意識したメニューの考案

1972年に日本橋高島屋でオープンしたロッテリアは、同時期にマクドナルドやモスバーガーなどの競合各社が日本市場に参入する中で急成長を見せました。国内だけでなく海外でも高い人気を獲得しており、日本発のハンバーガーチェーンながらも海外市場開拓に大きな力を注いでいます。

ロッテリアの人気の理由は、「えびバーガー」や「リブサンド」などのオリジナルメニューです。「ハンバーガー」や「チーズバーガー」などの、一般に広く知られている商品だけでなく、独自性のある商品を看板メニューに据える戦略が功を奏しています。また、「雪見だいふくプチバーガー」に代表されるデザートバーガーを考案するなど、オリジナリティの面で新たな挑戦を続けています。

人気観光地の北海道でご当地バーガーとして販売した「エゾ鹿バーガー」や、大豆から生成したパティを使用した「ソイ野菜バーガー」など、訪日外国人をはじめとした多様なニーズへの対応が同社の人気を支えています。

今後、訪日需要の回復にはまだ時間がかかるとの見方が強くありますが、早期に対策を講じることにより、回復初期における需要取り込みが期待できます。ロッテリアの成功事例に見る外国人ニーズを意識したメニュー考案の重要性は、ますます高まっていくでしょう。

<参照>

NNA ASIA アジア経済ニュース:ロッテリアが越に工場設立、年内稼働へ

ワールドビジネスソムリエ:ロッテリアが自社のソイパティをベジタリアンと言わない理由

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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