中国発の配車サービスDiDiは、2018年よりソフトバンクと連携し、日本でもタクシーの配送から決済までアプリ上で一括で行えるサービスを実施しています。今回、新型コロナウイルスの影響を受け、タクシー業界では利用客の減少による深刻な業績の悪化が見られました。
タクシーの配車を手掛けるDiDiモビリティジャパンは、7月から、一部エリアでのサービス中止、サービスの利用料の設定を開始することを発表しました。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
新型コロナで訪日客が減少・タクシー業界の業績悪化が顕著に
新型コロナウイルス感染拡大による自粛要請に起因して、人の移動が大幅に制限されるようになりました。訪日外国人観光客数は過去最低を記録し、さまざまな業界に影響を与えています。タクシー業界でも外出自粛要請に伴い大幅に利用者が減ったため、売り上げの減少が顕著に現れました。
ソフトバンクグループの苦境
ソフトバンクグループでは、過去最大となる1兆3,646億円の大赤字を記録したことを報告しました。この要因は、通信事業では売り上げが伸びたものの、投資ファンドである「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の売り上げが大幅に下がってしまったことだと考えられます。
ソフトバンクはこれまでに、Uber、Grab、DiDi、などのグローバル企業に投資を行っています。こういった企業では、外出自粛によりサービスを利用する人が減ったため、売上の低下が顕著に見られました。
DiDiは打開策として規模の縮小・アプリ利用料の設定を開始
DiDiは訪日中国人向けのサービスも展開していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、こうした事業も先行きが不透明です。
日本国内でも外出自粛や緊急事態宣言などタクシー業界にとって厳しい状況が続きました。
今回、全国各地でサービスを中止することでコスト削減を、またアプリの利用数を設定することで赤字脱却を目指しています。
7月から一部エリアのサービス中止を決定
タクシー配車アプリ「DiDi」を運営するDiDiモビリティジャパン(東京・千代田)は2020年7月1日以降、一部地域を除きサービスを中止することを発表しました。これにより、大都市部を除く多くの地域ではサービスが利用できなくなりました。
対象となる地域は以下の通りです。
全地域:青森|秋田|新潟|群馬|石川|滋賀|和歌山|山口|長崎|大分|宮崎
北海道:富良野市、南富良野町、占冠村、美瑛町、上富良野町、中富良野町
兵庫:姫路市、赤穂市、相生市、宍粟市、たつの市、神崎郡、佐用郡、揖保郡、赤穂郡、稲美町、播磨町、淡路市、洲本市、南あわじ市
広島:福山市、旧豊浜町・旧豊町区域を除く呉市、浦崎町
サービス再開の際には、順次報告されるとのことです。
7月13日から「アプリ利用料」がスタート
DiDiモビリティジャパンは2020年7月13日より、DiDiを利用した際にアプリ利用料を徴収することを発表しました。
アプリ利用料の設定料金は各地域ごとによって異なり、アプリ上でサービスを利用する前に確認できます。
また、支払い方法が「現金・その他」の場合に発行していたタクシー車内での領収書の発行も終了し、DiDiアプリ上で登録されたメールアドレス宛に領収書が発行されるようになります。
昨年までと異なる「売り方」「売る相手」の戦略が必要に
さまざまな業界で、新型コロナウイルスの影響を受けています。自粛要請が解禁された現在でも、訪日客の回復はまだ見込めません。観光客の渡航にはまだ制限があり、インバウンド業界では2019年までのやり方では収益を上げるのが難しくなっています。
同じく中国のDiDiが、日本で展開するフードデリバリーサービスの「DiDi food」はまずは大阪で事業を展開し、その後全国にサービスを拡大することが伝えられています。
新型コロナウイルスの流行により、消費者心理や行動に変化が起こっています。業界を問わず、これまで続けてきた売り方の変更や、売る相手(商品のターゲット)を再度検討し、新たなやり方を選んでいかなければならないでしょう。
訪日ラボ 最新版セミナー&インバウンド情報まとめ
訪日ラボおすすめの記事をご紹介します。
【インバウンド情報まとめ 2024年8月後編】7月の訪日外客数329万人 中国がコロナ後初の1位に 他
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に8月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。
最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!
本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→7月の訪日外客数329万人 中国がコロナ後初の1位に / 沖縄県の観光収入が過去最高に 人材確保の課題解決も【インバウンドまとめ 2024年8月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!