日本で度々ブームを引き起こすゆるキャラの人気は、国内だけでなく海外にも広がっています。
昨今「cute」を意味する「Kawaii」という日本語の認知が広まっている後押しもあり、「Kawaii Culture」の一環として外国人の熱狂的なファンもいるほどです。
日本の個性あふれるゆるキャラはメッセージ性が強くないことや親しみやすいことから、海外の中でも特にアジアで注目されています。
本記事では、日本でも代表的なご当地ゆるキャラのくまモンやカナヘイの小動物の事例を紹介し、日本のゆるキャラによる地域PRのインバウンド施策を解説します。
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【海外の反応】外国人はゆるキャラをどう思っている?
日本のゆるキャラへの外国人の反応は様々ですが、外国ではキャラクター文化が一般的ではないことから、日本独自のマーケティングコンテンツだという意見が多いようです。
外国人のゆるキャラへの考え方や日本と海外のキャラクターの違いを詳しく解説します。
ゆるキャラは「かわいい」けど「子供向けでしかない」
まず、外国人は日本のゆるキャラのことをどう思っているのでしょうか。
ゆるキャラに肯定的な意見としては、「キャラクター文化の日本ならではでかわいい」「地域の町おこしのきっかけとなっている」という意見があります。
自分の国にはないため、面白い文化であると評価されています。
Twitter:クレヨンしんちゃんについての外国語の投稿(https://twitter.com/jpcollection_fr/status/1254479579990949892)
Twitter:高知県のゆるキャラに関する投稿(https://twitter.com/AynW/status/1267438571520221185)
Twitter:ジャパンエキスポと会場の着ぐるみについての投稿(https://twitter.com/Iloveshinjokun/status/1045200848203206657)
一方で否定的な意見としては、基本的に海外ではマンガやアニメは子供の文化とみなされ、ゆるキャラもこれに該当し、老若男女へのPR方法としては、他の国で通用しないのではという意見もあります。
ゆるキャラに対する評価はかわいいや子供っぽいなど賛否両論があります。ですが、「cute」を意味する「Kawaii」という日本語の認知度が海外でも高まっており、ゆるキャラも「Kawaii Culture」として浸透しつつあるようです。
日本とは違う海外のゆるキャラ
海外のゆるキャラはかわいさや愛らしさが特徴的な日本のゆるキャラとは異なり、ゆるキャラのモデルや着ぐるみのフォルム、顔立ちが独特であることが多いようです。
理由の一つとして、海外ではブラックユーモアやクセのある魅力が人気なことがあげられます。
またゆるキャラの目的として、日本のようにご当地の特産物をキャラクターにするよりも、プロ野球やJリーグのようにスポーツやお祭りで参加者を盛り上げるマスコットとして活用されることが多いようです。
ゆるキャラはアジア圏で人気
上述したように様々な捉え方をされているゆるキャラですが、日本でも代表的なゆるキャラであるくまモンやカナヘイの小動物は海外の中でも、特にアジアから人気を博しています。
アジア圏で人気のキャラクター
日本のゆるキャラとして代表的な「くまモン」は中国でも人気となっています。
何度か改名され現在は、中国人にとって分かりやすい、「熊本熊」(ションベンション、シォンベンシォン)という名前で親しまれ、様々なグッズが発売されています。
また、台湾でも日本のイラストレーター・カナヘイ氏による小動物シリーズなどが特に若い女性を中心に支持されています。
「カナヘイの小動物ピスケ&うさぎ」は台湾新幹線(台灣高速鐵路)ともコラボしており、キャラクターが描かれたラッピング列車が運行されました。
なぜゆるキャラ人気?
くまモンやカナヘイがアジアで人気を得ている理由としては、まず前述したように、「Kawaii」という日本発祥の文化が、海外においても広まりつつあることが挙げられます。「Kawaii Culture」を好む外国人がゆるキャラに好意的な感情を抱いていると考えられます。
多くの日本のアニメや漫画が世界で放映、発売されていることも海外でキャラクターが受け入れられることを後押ししているようです。
また、キャラクターがもつメッセージ性が強くなく、想起させるイメージが少ないことから、流行に左右されず、あらゆる場面で活用できることも人気の理由でしょう。
さらに、表情による親しみやすさやネット上でのファン交流などから親近感を持たれていることがあげられます。
【事例】ゆるキャラがインバウンド需要を喚起
これまで海外におけるゆるキャラの反応を見てきました。最後に、インバウンド対策として、訪日外国人を誘客するためにゆるキャラがどのように活用されているのか解説します。
くまモンで地元PRに力を入れる
くまモンの生まれ故郷である熊本県では、中華圏、特に香港でのPRに力を注いでおり、2017年10月10日には、熊本と香港線の新路線の就航が開始しました。
熊本県に中華圏からの観光客を呼び込むために、くまモンが集客コンテンツとして活用されています。
例えば、くまモンのデザインはシンプルでコストがおさえやすくなっています。そのため、増産された関連商品が中国のショッピングモールや、ECサイトのタオバオで販売され、ご当地PRキャラクターとして認知を広げています。
また、北京や上海にはくまモンがコンセプトのカフェもオープンされ、注目を浴びています。
「くまモン」やっぱりパクリが登場…新中国名「熊本熊」で商標を守れるか?
日本でも人気なゆるキャラは、海外でも多く取り上げられ人気を博しています。ゆるキャラによるインバウンド向けPRの代表例にくまモンがあります。くまモンは、熊本県庁が2010年から展開しているPRマスコットキャラクターで、2011年のゆるキャラグランプリの王者となっています。くまモンはその表情や可愛さから多くの人を魅了しさまざまなところで商品化され、外国人にとっても人気を博しています。日本のアニメやキャラクターのファンが多い中国でも、当然注目を集めており、ECサイトのタオバオでも様々な商品が販売...
カナヘイの小動物 ゆるっと小旅 西武鉄道で行く川越旅
西武鉄道は、インバウンドへのさらなる認知度向上と川越エリアへの誘客を目的に、訪日台湾人をターゲットとして、日本のイラストレーター・カナヘイ氏によるカナヘイの小動物を活用したキャンペーンを実施しました。
このキャンペーンでは指定の乗車券を購入するなどにより、西武鉄道とカナヘイの小動物のオリジナルコラボグッズが手に入るというものです。
キャンペーンに伴い、特設Webサイトでは川越のおすすめ施設やオリジナルアニメーションなどを、繁体字で発信しています。
また、ラッピング電車や駅構内の装飾も実施されました。
「新幹線×カナヘイ」が台湾人に歓迎される理由、ゆるキャラと鉄道は台湾でも鉄板
2019年11月14日より、台湾新幹線(台灣高速鐵路)は日本のイラストレーター・カナヘイ氏の描くキャラクターシリーズ「カナヘイの小動物 ピスケ&うさぎ」とのコラボレーションを開始し、同シリーズのキャラクターが描かれたラッピング列車の運行を開始しました。2020年9月までの運行を予定しており、台湾新幹線限定のカナヘイの小動物グッズも販売されています。鉄道におけるキャラクターコラボレーションにどれほどのポテンシャルがあるのか探ってみました。目次台湾新幹線の2回目のキャラクターコラボレーション台...
ゆるキャラが伝える日本の独自性
外国人にとってキャラクターは子供っぽいという印象を与えるため、海外では比較的、キャラクター文化が発展しづらいといえます。
一方、日本は大人も子供も楽しめるマンガ・アニメの文化が根ざしており、ゆるキャラも一時期ブームを引き起こしたことから、ゆるキャラは日本ならではの文化的土壌だからこそ生まれた集客コンテンツといえるでしょう。
アジアではくまモンやカナヘイといったゆるキャラが人気です。こうしたゆるキャラは、多様な場面で扱いやすく親しまれやすいことから、外国人にも愛されています。
日本の「Kawaii Culture」が広まる中で、ゆるキャラがより一層外国人の注目を集めるかもしれません。
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