VRで旅行を疑似体験!ウィズコロナの新たなコンテンツ「VRトラベル」とは?

公開日:2020年08月11日

本来であれば8月は観光産業におけるかきいれ時ですが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、海外旅行、国内旅行ともに厳しい状況が続いています。

普段頻繁に旅行に出かける人にとって、外出自粛により旅行が出来ないことは一定のストレスがかかるでしょう。

そのような旅行欲求を満たすために注目されているのがVRトラベルです。

VRトラベルでは、360度映像などにより実際に現地にいるような臨場感を味わえることに加え、現実の旅行にはない観光体験も出来るなど、仮想現実ならではの醍醐味もあります。

本記事では、VRトラベルの紹介や観光事業などでの活用事例とVR旅行コンテンツの制作方法について解説します。


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旅行を疑似体験できる「VRトラベル」とは

VR元年といわれている2016年からVR技術は日々進歩しており、これまでにもさまざまな業界や企業で活用されてきました。今回、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、VR技術を利用した旅行へのニーズがより高まっているようです。

360度の写真や動画で現地にいる気分を味わえる

VRトラベルとは、仮想現実旅行、つまり自宅や室内にいながら写真や動画を用いて実際に旅行先にいるような気分を味わえる体験コンテンツのことです。

360度写真や動画を用いたものもあり、これらは普通の写真や動画とは異なり周囲をくまなく見渡せるため、実際にその場にいるような高い臨場感を得られます。

Oculus RiftやGear VRなどのVR専用のウェアラブル端末に向けたコンテンツもありますが、YouTubeなどでVRツールを持っていない人も手軽に楽しめるコンテンツも多く存在します。

現状のコンテンツ内容としては、有名観光地や絶景スポットなど視覚にわかりやすく訴えかける場所が多いようです。

新型コロナの影響で人気が高まっている

VRトラベルはVR技術の発展により少しずつ知名度をあげ、これまで航空会社や博物館などが自社コンテンツの一部として旅先や観光地の映像を提供していました。

そのような中、新型コロナウイルスの感染拡大により多くの人が旅行したくてもできない状況となりました。

外務省の海外安全ホームページによると、7月30日現在で、日本からの渡航者や日本人に対して入国制限措置をとっている国や地域は129か国あります。

旅行をしたい人が旅行の欲求を満たすため、VRトラベルを利用しはじめているようです。

VRトラベルコンテンツ制作会社「Ascape」は、2019年の12月から2020年の4月で同社のアプリのダウンロード数が60%増加したと発表し、VRトラベルの人気が急速に高まりつつあります。

VRトラベルの導入事例を紹介

新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けた地域や企業は、対面でのサービスが難しい状況の打開策としてVRトラベルを導入しはじめています。

京都府宮津市:天橋立をドローンで撮影

京都府宮津市では、新型コロナが落ち着いた後に観光客を呼び込む策として、ドローンを用いて天橋立を撮影した360度バーチャル映像と、ご当地料理のぶりしゃぶを擬似的に食べられるVRコンテンツを制作し、関係者に向けて公開しました。

宮津市では新型コロナウイルス感染拡大による観光客の減少が地域産業に打撃を与えており、2020年3月から5月までの同市における観光消費額は前年同期と比べて約9割減、金額にして約20億円減となっています。

今回制作された映像はYouTubeでの公開を予定しており、VRを通じて海の京都としての宮津市の魅力を再認識してもらうことがコロナ後に観光客を呼び戻す一歩になると期待されています。

国立科学博物館:館内の展示をVRで鑑賞

国立科学博物館では、新型コロナウイルスの影響を受け臨時休館を行いました。それをきっかけに、自宅にいながら科学博物館を楽しめるよう、高画質で撮影された館内の展示物をVRで鑑賞できるコンテンツ「かはくVR」を公式サイト上で提供しています。

「かはくVR」では国立科学博物館の二大展示館である日本館と地球館を巡ることができ、まるでその場にいるかのごとく各展示を鑑賞できます。

館内を自由に直感的に移動でき、リアルでは味わえないバーチャルの醍醐味も体験できます。

VR映像の場合は専用のゴーグルやメガネが必要ですが、3Dビュー映像はパソコンやスマートフォンで手軽に鑑賞したり、テレビの大画面で鑑賞したり、さまざまなシーンで楽しめるコンテンツとなっています。

バーチャルマーケット4:東京を舞台にした仮想空間

「バーチャルマーケット」は、仮想世界でショッピングが楽しめる世界最大のVRイベントのことです。

2020年4月29日から5月10日に開催されていた「バーチャルマーケット4」では仮想空間の東京をイメージした「パラリアルトーキョー」を舞台とし、伊勢丹やWEGOなどが出店しました。

新型コロナウイルス感染拡大による営業時間短縮や外出自粛によって、百貨店をはじめファッション業界の売上も大きな影響を受けています。

日本百貨店協会が7月21日に発表した6月の全国百貨店売上高概況によると、全国の百貨店203店を対象とした調査における全体の売上総額は前年同月比19.1%減で、9か月連続の減収を記録しています。

バーチャルイベントでの販売や宣伝は、対面での営業が厳しい状況を打開する糸口になるのでは、と期待されています。

VRトラベルを制作するには?

実際にVRコンテンツを制作する場合は、360度カメラで撮影をする、専門業者に依頼するという方法があります。

ただ映像を羅列するのではなく、被験者の立場にたったストーリー性を意識するのも大切です。

360度カメラでの撮影が望ましい

VR旅行では、360度周囲を自由に見渡せる映像によって臨場感を演出できます。そのため360度カメラで上下左右前後の全てを映像として記録しコンテンツ制作するのが望ましいでしょう。

360度カメラにはリコーが提供するRICHO THETAやArashi VisionのInsta360などがあり、価格は3万円から10万円ほどで購入できます。

また、通常のカメラでも観光客目線で撮影することでVRトラベルのコンテンツ制作は可能です。

制作したいシーンによって撮影ツールを適切に使い分けるのが良いでしょう。

映像だけでなくコンテンツ性も考慮する

VRトラベルの目的は家にいながら観光を楽しむことなので、映像の精細さと同時に観光コンテンツとして成り立つかどうかにも気を配る必要があります。

自治体や事業者が見せたい映像をただ流すのではなく、ストーリー性をもったコンテンツとなるよう留意することが重要です。

撮影地の選定は慎重に行うことで、コロナ禍でなくても普段なかなか足を運んでもらえていなかったようなイチオシの観光地を世間に広める絶好の機会になるといえます。

VRトラベル制作業者に依頼することも可能

VRトラベルの需要が高まりつつある現在、VRトラベル制作専門の事業者も多く活動しています。

専門事業者であればプロ向けの機材を揃えており、企画から制作までを一任できます。

Googleストリートビューの撮影実績やインバウンド動画制作の経験もある場合が多く、専門事業者に依頼することで質の高いVRトラベルコンテンツが期待できます。

VRトラベルでアフターコロナに向けた種まきを

ウィズコロナやアフターコロナといわれる状況の中で、VR旅行は2つの活用のされ方をしています。

1つは現実の旅行をVR旅行で補完するため、そしてもう1つは、VR旅行で興味をもたせ、コロナ収束後に現地を訪れてもらうためです。

今回紹介した京都府宮津市や国立科学博物館の事例のように、すでに自治体や企業ではVR旅行を通して新しい観光体験を提供する動きがはじまっています。

VR旅行は、コロナウイルスにより人の交流や対面サービスが制限されている中での新事業や広報の有効な手段の1つといえるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!