国内の新型コロナウイルスの感染者数は、9月3日に新たに649人確認され、累計で7万人を超えました。
東京を中心としていまだ感染拡大に歯止めがかからない中、海外の多くの国・地域でも感染拡大が続く一方、経済再開に向けた様々な取り組みが進められています。
この記事では、8月1日から8月31日ごろまでの世界各国の動きについてまとめてご紹介します。
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【新型コロナ海外まとめ7月】 香港、インド、アメリカ、ブラジルで感染拡大、バリ島で9月から外国人観光客受け入れ開始予定
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- 【アジア】韓国の感染拡大続く、中国から香港への医療支援
- 韓国:首都圏中心に感染拡大し警戒続く、医師らによるストも
- 中国:香港へ医療支援、医療関係者へのワクチン投与進む
- 香港:希望者全員に無償検査、大型臨時病院建設も
- タイ:10月から外国人観光客受け入れ再開を検討
- フィリピン:ドゥテルテ大統領、自らロシアのワクチンの実験台に
- 【北・南米】アメリカで国外への渡航中止勧告解除、ブラジル政界でも感染拡大
- アメリカ:国外への渡航中止勧告解除、モデルナのワクチン価格計画明らかに
- ハワイ:オアフ島で感染拡大、警戒続く
- カナダ:J&J、ノババックスとワクチン供給で合意
- ブラジル:政治関係者の感染増加、感染者限定で人気ビーチを開放
- 【オセアニア】オーストラリアでロックダウン強化、NZで102日ぶり感染
- 【ヨーロッパ】イギリス版Go To Eat、ロシアで世界初ワクチン承認
- イギリス: イギリス版Go To Eat、雇用大幅減
- フランス:パリでマスク着用義務化、レッドゾーン増加
- ドイツ:ベルリンで大規模デモ、大規模イベントの感染リスク実験
- ロシア:世界初の新型コロナウイルスワクチン承認
- スウェーデン:上半期の死者数、過去150年で最多を記録
- EU:ワクチンを公平に届ける国際的協力体制に参加表明
- 【中東】イランの死者数、過小報告の可能性
- 【WHO】2年以内のコロナ収束を期待
- 【その他】世界14か国の意識調査結果発表
目次
【アジア】韓国の感染拡大続く、中国から香港への医療支援
アジア圏の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
韓国:首都圏中心に感染拡大し警戒続く、医師らによるストも
首都圏での集団感染続く
韓国の中央防疫対策本部は、8月31日、国内の新型コロナウイルス感染者数が計1万9,947人、死者は324人になったと発表しました。
1日あたりの新規感染者数は、首都圏での集団感染が本格化した8月14日以降、連続で100人を超えています。
ソウル市城北区の「サラン第一教会」に関連した感染者は計1,035人、光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)の8月15日にソウル中心部で開かれた大規模集会に関連する感染者が計369人に上るほか、首都圏ではこれ以外にも、集合住宅団地、複数の宗教施設、畜産業者などに関連した感染者が増加しています。
医師らによるストライキ
韓国政府は8月26日、医大の定員拡大などの政府政策に反発し、無期限の集団休診(ゼネスト)に入った医師と専攻医(研修医)に対して業務開始命令を出しました。
命令に違反する場合は、医師免許の取り消しなど、厳しい処分を下す方針です。
「社会的距離の確保」第2段階を維持
8月28日、韓国の丁世均(チョン・セギュン)首相は、新型コロナウイルス対応を話し合う中央災難(災害)安全対策本部の会議で、8月30日に終了予定だった首都圏の「社会的距離の確保」の第2段階措置を1週間延長することを発表しました。
当初第2段階が継続となる予定だったものの、8月30日には、同措置は第2段階と第3段階の間にあたる第2.5段階に引き上げられました。
首都圏の新規感染者数が10日連続で200人を超えたことをふまえて、最高レベルとなる第3段階への引き上げを求める意見もある中、経済的・社会的影響を考慮し、状況を見守る考えを示しました。
なお、第2.5段階の措置は9月6日までとされていましたが、韓国政府はこれをさらに1週間延長する方針です。
首都圏以外の地域でも、当面は第2段階体制が維持される見通しです。
中国:香港へ医療支援、医療関係者へのワクチン投与進む
香港へ医療支援
中国の国家衛生健康委員会(NHC)は、8月6日までに、新型コロナウイルスの感染再拡大が進む香港を支援するため、臨床検査技術者ら50人以上を派遣することを発表しました。
中国南部・広東省の20以上の公立病院から選出した50人を香港に派遣するもので、中国本土から医療器材なども供給すると述べました。
地元の公衆衛生当局が500床の臨時病院を設立するのを支援するため、中国湖北省の武漢市からも医療専門家6人がすでに香港に派遣されたとしています。
この臨時病院は8月1日から患者の受け入れを開始したということです。
医師らにワクチン投与
8月22日、国家衛生健康委員会の科学技術発展センターの責任者は、国営中国中央テレビ(CCTV)とのインタビューで、中国で7月以降、新型コロナウイルス感染拡大に前線で対応する医師らへ、実験段階のワクチンを投与していることを明らかにしました。
同責任者によれば、中国医薬集団(シノファーム)傘下の中国生物技術(CNBG)が開発したワクチンは、アラブ首長国連邦(UAE)、ペルー、モロッコ、アルゼンチンの各国で治験の最終段階に当たる第3相試験が実施されているということです。
緊急時に一定の規模と時期に限って投与を認める手続きが明記されている中国のワクチン関連法に基づき、8月22日に発熱外来の医療スタッフ、防疫担当者、入国管理当局者らへの投与が承認されました。
今後は秋から冬にかけての感染拡大を防ぐため、医療関係者を対象とした「免疫のバリア」ができ次第、交通機関や市場、一部のサービス業界で働く人への接種が進められる方針です。
香港:希望者全員に無償検査、大型臨時病院建設も
希望者全員に無償検査実施、大型臨時病院建設
8月25日時点で、香港では累計感染者数が4,711人、死亡者は77人となっています。
8月10日、香港政府は、希望者全員に新型コロナウイルスに感染しているかの検査を無料で実施することを決定しました。
唾液を使う検査キットを配布する可能性が高いということです。
亜洲国際博覧館(AWE)には臨時病院が建設され、すでに8月1日から軽症者を受け入れる形で運用が開始されています。
さらにAWEの第2期用の土地に、中国の武漢に建設されたような大型の臨時病院も建設する予定になっています。
雇用維持助成金第2弾の申請受付開始
香港政府は、新型コロナウイルスで経営環境が厳しい企業と、従業員のために給与の50%を補填する経済政策「雇用維持助成金」の第2弾について、8月31日から申請の受付を開始しました。
6月~8月の給与について、9,000香港ドルを上限として3ヵ月補填する第1弾の政策では、190万人を対象に総額440億香港ドルが支給されました。
8月になっても新型コロナウイルスが終息する気配が見えないことから、9月~11月分の給与の半分を補填する第2弾を行うことが決まりました。
再感染の事例が確認される
8月24日、香港大学などの共同チームは、香港の男性が新型コロナウイルスに4か月半ぶりに再感染したことを発表しました。
男性は3月に陽性反応が出た際に、咳やのどの痛み、発熱、頭痛などの症状が3日間確認されました。
8月15日に渡航先のスペインからイギリス経由で帰還した際に、空港の入境検査で再び陽性判定が出ましたが、症状はなかったということです。
チームは、男性が最初の感染で得た免疫は短期間しか持続しなかったとしていますが、専門家らによれば、再感染しても無症状だったのは免疫の作用と考えることもでき、ワクチンにも同じような効果を期待できる可能性があるとしています。
タイ:10月から外国人観光客受け入れ再開を検討
タイでは、一部のリゾート地での長期滞在を対象に、10月から外国人観光客の受け入れを再開することを検討しています。
ピパット観光相は「セーフ・アンド・シールド」と呼ばれる計画を発表し、タイ最大のリゾート地であるプーケット島を先行モデルとする案をプラユット首相に提出し、承認を待っていると述べました。
同計画では、外国人観光客はプーケット島到着後、指定区域に14日間留まることが義務付けられ、隔離期間の初日と最終日に新型コロナウイルス感染の検査を受けた後、島を自由に移動できるようになるということです。
島外に出る場合は、さらに7日間の隔離が追加され、最後に3回目の検査を受ける必要があります。
フィリピン:ドゥテルテ大統領、自らロシアのワクチンの実験台に
8月10日、国営テレビを通じた演説で、フィリピンのドゥテルテ大統領は、ロシア政府が正式に承認した新型コロナウイルスのワクチンについて、自ら実験台として接種を受ける意向を明らかにしました。
ロシアのプーチン大統領は、世界に先駆けて新型コロナウイルスのワクチンを承認したと発表しましたが、治験データは未発表で、最終段階の第3相も完了しておらず、有効性や安全性には疑問の声も出ています。
しかしドゥテルテ大統領は「12月までには新型ウイルスがなくなっていることを期待する」とコメントし、友好関係にあるロシアからワクチンの供給を優先的に受けることができるだろうと語りました。
【北・南米】アメリカで国外への渡航中止勧告解除、ブラジル政界でも感染拡大
北米から南米の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
アメリカ:国外への渡航中止勧告解除、モデルナのワクチン価格計画明らかに
モデルナのワクチン価格
8月5日、新型コロナウイルスのワクチン開発を進めるアメリカのバイオ企業「モデルナ」は、ワクチンの費用を1回あたり40ドル(約4,200円)以下に設定する計画を明らかにしました。
ワクチンや治療薬の値段設定には注目が集まっており、アメリカのバイオ企業「ギリアド・サイエンシズ」は、6月に治療薬候補の抗ウイルス薬「レムデシビル」の小瓶の値段が520ドルになるとの見通しを発表していました。
モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は、同社のワクチンは手頃な水準になると表明しています。
国外への渡航中止勧告を解除
8月6日、アメリカの国務省は、4か月以上にわたり続けていた国外への渡航中止勧告を解除しました。
一部の国で、安全に関する状況が改善していることをふまえ、個別に渡航警戒レベルを判断する従来の仕組みに戻すとしています。
同省は新型コロナウイルスの流行を受けて、3月19日に渡航警戒レベルを最も厳しい「レベル4:渡航中止・退避勧告」に引き上げていました。
ロサンゼルスで大規模集会への対抗措置
8月5日、ロサンゼルスのガルセッティ市長は、7日から、大規模な集会を行う住宅などへの電気・水道の供給を停止することを発表しました。
感染拡大の原因となる大規模集会への対抗措置で、大規模集会の通報を受けたロサンゼルス警察が事実確認の上、市の水道電気局に通告し、対象の家屋や施設について向こう2日以内に水道と電気の供給を止めるよう要請します。
回復期血漿療法の緊急使用許可
8月23日、アメリカの食品医薬品局(FDA)は、新型コロナウイルス感染症患者の回復期血漿(けっしょう)を使った治療法に関する緊急使用許可を発表しました。
FDAによれば、これまでに7万人以上の患者が、新型コロナウイルス感染症から回復した人の血液を利用した血漿治療を受けており、同治療法について判明している潜在的メリットの方が、潜在的リスクを上回るとしています。
CDCが警鐘
8月14日までにアメリカの疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド所長は、新型コロナウイルスの感染状況について、当局が推奨する対策に従わない場合、秋にはアメリカの保健衛生史上最悪の状況になると警鐘を鳴らしました。
マスクの着用、適切なソーシャルディスタンスの確保、手洗い、人混みへの対処という4つの基本的な対策を呼び掛け、すべての人が実行する必要があると強調しました。
ハワイ:オアフ島で感染拡大、警戒続く
ハワイ州のイゲ知事は、8月9日までに、離島間を移動する場合の14日間の自主隔離期間を設ける措置を11日から再び導入すると発表しました。
オアフ島を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、他の島への感染拡大を阻止する狙いがあります。
ハワイ州では入院している感染者の人数は117人で、このうちオアフ島が115人を占めています。
オアフ島の病院の集中治療室の収容率は53%を超えており、新規感染者の発生ペースが続けば8月末までに病院の収容能力が飽和状態に達しかねないとの危機感が示されていました。
オアフ島・ホノルル市のコールドウェル市長は、すべての海岸と公園を閉鎖させると発表し、ボウリング場、商店街やミニゴルフ場などの屋内施設も閉鎖される一方、海岸での散歩、サーフィン、魚釣りやダイビングなどは認めるとしました。
ホノルル市警は、新型コロナウイルス予防策を浸透させるための特別版を結成し、巡回活動の強化や苦情への対応を進めるとしています。
カナダ:J&J、ノババックスとワクチン供給で合意
8月31日、カナダのトルドー首相は、アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とノババックスの両社と、開発中の新型コロナウイルスのワクチン1億回分の供給について大筋合意したことを明らかにしました。
カナダ保健省の承認獲得を条件として、J&Jが最大3,800万回分、ノババックスが最大7,600万回分としています。
ノババックスは2021年の第2四半期にも供給を始める計画ですが、いずれも金銭面での条件は明らかになっていません。
カナダはそれまでにも、アメリカのファイザーとモデルナとも数百万回分の新型コロナウイルスのワクチン候補の供給契約を結んだと発表していました。
ブラジル:政治関係者の感染増加、感染者限定で人気ビーチを開放
政治関係者の感染相次ぐ
8月3日、ブラジルの大統領首席補佐官を務めるウォルター・スーザ・ブラガ・ネット陸軍大将が、新型コロナウイルスに感染したことが明らかになりました。
ブラジルの閣僚級では、これが7人目の感染であり、7月にはボルソナロ大統領やミシェリ大統領夫人も感染が確認されていました。
感染者限定で人気のビーチと島を開放
ブラジル北東部ペルナンブコ州の行政当局は、8月30日までに、世界的に有名なビーチがあるフェルナンド・デ・ノローニャ諸島を、新型コロナウイルスの感染を経験した観光客限定で開放することを明らかにしました。
少なくとも過去20日間以内にPCR検査で陽性反応を示した結果の証明が必要で、新型コロナウイルスに対する抗体の存在を示す血清調査の結果開示も求められます。
当局は記者会見で、訪問者を限定する理由には明確に触れませんでした。
【オセアニア】オーストラリアでロックダウン強化、NZで102日ぶり感染
オセアニアの新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
オーストラリア:感染拡大でロックダウン強化、自宅待機手当導入も
メルボルンで感染拡大、ロックダウン強化
8月2日、オーストラリア南東部のビクトリア州は、同国第2の都市であるメルボルンで、新規の新型コロナウイルス感染者数が、1日あたり671人と過去最高となったことを受けて非常事態を宣言しました。
夜間外出禁止や外出制限などのロックダウン強化が実施され、全ての制限が6週間継続されます。
メルボルン都市圏は第4段階のロックダウンに移行し、夜間外出禁止の時間外でも、必需品入手のための外出は1世帯につき1人のみ、1日1回に限定され、外出範囲も自宅から半径5キロ以内に制限されます。
自宅待機手当導入
8月3日、オーストラリアのモリソン首相は、新型コロナウイルス関連の労働者支援策を発表しました。
病気休暇を使い切った後も隔離のため自宅待機を支持された労働者向けに、2週間で1,500豪ドルを支給するパンデミック休暇手当を支給することを表明しました。
ニュージーランド:102日ぶりに感染相次ぐ
8月11日、ニュージーランドでは102日ぶりに4人の新型コロナウイルスの感染が確認されました。
感染者は最大都市オークランドに住む家族4人で、最近の海外渡航歴はなかったということです。
アーダーン首相は、オークランドの警戒レベルを翌12日正午から3日間、4段階中2番目に高い「3」に引き上げました。
翌13日には、さらに14人の新規感染者が確認され、うち1人はフィリピンからの入国者で、残りの13人は11日に感染が確認された4人と関係があったということです。
ニュージーランド議会は、今年9月の選挙へ向けて8月12日に解散予定でしたが、延期されることとなりました。
【ヨーロッパ】イギリス版Go To Eat、ロシアで世界初ワクチン承認
ヨーロッパの新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
イギリス: イギリス版Go To Eat、雇用大幅減
イギリス版Go To Eat
イギリス政府は、ロックダウン後のレストランやパブを支援するため、外食の食事代の半額を政府が負担する「Eat Out to Help Out」キャンペーンを開始しました。
8月中の月・火・水曜日に、7万2,000か所以上の会場で割引が適用されるもので、割引の上限は一人あたり10ポンドで、アルコールには適用されません。
一方で週末は対象外のため、依然売上が厳しいと訴える店や、アルコールが対象外のため管理が煩雑だと困惑する店もあるようです。
新たな検査方法導入
イギリス政府は、8月3日から介護施設や研究所などで、新型コロナウイルスやインフルエンザの新たな検査方法を導入すると発表しました。
それまでの検査方法では、新型コロナウイルスの検査結果が分かるまでの時間は、検査全体の4分の3が24時間以内、残りの4分の1が最大2日となっています。
新しい検査方法は90分で結果が分かるもので、新型コロナウイルスとそれ以外の季節性の感染症を区別するのに役立つとしています。
3月以降73万人が職を失う
イギリスでは新型コロナウイルス感染拡大により経済が打撃を受けた3月以降、73万人の雇用が失われたことが分かりました。
英国家統計局(ONS)によると、4〜6月期の65歳以上の労働者の数は過去最高の落ち込みを記録し、24歳未満の人達も影響を受けているということです。
全体的な雇用者数の落ち込みも2009年の景気後退以降、最高の水準で、平均賃金も記録を取り始めた2001年以降、初めて下落しました。
失業率は3.9%と横ばいで、これは一時帰休の人や職探しをしていない人が含まれていないためとされています。
フランス:パリでマスク着用義務化、レッドゾーン増加
8月27日、フランスのカステックス首相は、新型コロナウイルス対策の強化を発表し、検査拡大に加え、首都パリではマスクの着用が義務化されました。
新型コロナウイルスが流行している「レッドゾーン」地域の指定も、2カ所から、南部マルセイユ周辺やジロンド、ボルドーなど21カ所に増やしました。
フランスでは30万人近くが感染し、死者は3万500人以上にのぼっています。
オリヴィエ・ヴェラン保健相は、9月から、新型コロナウイルス検査を1週間で100万件規模まで引き上げると約束しました。
ドイツ:ベルリンで大規模デモ、大規模イベントの感染リスク実験
ベルリンで大規模デモ
8月1日、ドイツの首都ベルリンで、政府による新型コロナウイルス対策の行動制限に抗議する大規模なデモが行われました。
「自由の日――パンデミックの終焉」とデモ主催者らが名付けた行進には、極右やネオナチ団体、ワクチン反対派を含む約1万7,000人が参加しました。
警察はデモ参加者らがソーシャルディスタンスの確保やマスク着用のルールを守っていないと警告し、主催者がデモを中止した後は、参加者らは同市のシンボルであるブランデンブルク門の前で座り込みを行いました。
大規模イベントの感染リスク実験
8月22日、ドイツの研究者らは、音楽コンサートの感染リスクを分析する実験を行いました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で制限されている大規模な音楽、スポーツイベントの再開に向けたもので、東部ライプツィヒの屋内会場で、歌手ティム・ベンツコさんのコンサートが開催されました。
会場での濃厚接触を記録し、多くの人が手で触れた場所を特定するため、1,500人の観客らはマスクと接触追跡用の小型発信機を配布され、蛍光ジェルを手に塗って参加しました。
チームは収集されたデータを分析して数理モデルを作成し、予防策の有効性などを評価して年内に結果を発表する予定だということです。
ロシア:世界初の新型コロナウイルスワクチン承認
8月11日、ロシアのプーチン大統領は、世界に先駆けて新型コロナウイルスのワクチンを正式に承認したと発表しました。
モスクワのガマレヤ研究所が開発したワクチンで、治験の最終段階となる第3相は承認後に実施される予定となっています。
プーチン大統領の娘の1人が試験的に接種を受け、接種後に発熱したものの、回復したということです。
これまでの試験結果のデータは未発表となっており、取材したCNNは、ロシアの主張する安全性や有効性は確認できていないとしています。
スウェーデン:上半期の死者数、過去150年で最多を記録
スウェーデンでは、8月21日までに、2020年上半期の死者数が、過去150年で最多を記録したことが分かりました。
上半期のスウェーデンの死者数は5万1,405人で、2019年の同時期より6,500人多く、割合では15%増加しました。
上半期の死者数としては、スウェーデン国内が飢饉に見舞われ5万5,431人が死亡した1869年以来、最多を記録しています。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学によれば、スウェーデンの新型コロナウイルス感染による死者数は、同時点で5,802人となっていました。
人口増加の規模も2005年以来の低水準にとどまっており、2020年に増加した人口は前年の半分に満たない6,860人となっています。
スウェーデンでは緩やかな感染封じ込め策を取っていますが、首都ストックホルムの住民の抗体保有率は、4月下旬時点で7.3%に留まり、集団免疫の形成に必要な70~90%をはるかに下回っています。
EU:ワクチンを公平に届ける国際的協力体制に参加表明
8月31日、EU(ヨーロッパ連合)の執行機関にあたるヨーロッパ委員会は、WHO(世界保健機関)などが立ち上げた、世界各国に新型コロナウイルスのワクチンを公平に届けるための国際的な協力体制「COVAXファシリティ」への参加を表明しました。
ヨーロッパ委員会は、同体制へ4億ユーロ(日本円でおよそ505億円)を拠出すると発表しています。
同体制には、8月24日時点で、日本やイギリス、カナダなど172の国・地域が関心を示しているものの、ワクチン開発が盛んなアメリカなどは参加していません。
WHOは同体制に参加するには、9月18日までにその意思を確定する必要があるとして、関心を示していない国々と交渉を続けるとしています。
【中東】イランの死者数、過小報告の可能性
中東の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
イラン:公式発表の3倍の死者数が指摘される
イランでの新型コロナウイルスによる死者数が、実際は政府発表の3倍近くにのぼることが、BBCの調査で分かりました。
ペルシャの保健省は、新型コロナウイルスによる死者数を7月20日時点で1万4,405人としていましたが、実際には4万2,000人にのぼっていたことが、政府の記録から分かったということです。
感染者数についても、公式発表では27万8,827人とされていましたが、実際にはその倍近い45万1,024人だったということです。
イランで新型コロナウイルスの流行が始まった時期は、イラン革命の記念行事と議会選挙とタイミングが重なったため、政権が国民の支持を誇示するため、数字を操作した可能性があるとみられています。
【WHO】2年以内のコロナ収束を期待
WHO(世界保健機関)の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
5歳未満の子供のマスク着用推奨せず
8月24日、WHOと国連児童基金(ユニセフ)は、5歳未満の子供のマスク着用は推奨しないとの指針を発表しました。
幼い子供は大人に比べると感染しにくく、他人にも移しにくい可能性があり、これは子供の年齢による可能性があると指摘していますが、アメリカの疾病対策センター(CDC)が2歳以上の子供にマスク着用を勧める姿勢とは食い違っています。
さらに6~11歳のマスク着用については個別のリスクに応じた判断を求め、12歳以上は大人と同じ指針に従わせるのが望ましいとしました。
中南米で家庭内暴力増加
WHOの米州事務局、汎米保健機構のエティエンヌ事務局長は、8月22日までに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、中南米諸国の一部の国などで、家庭内暴力が増加していると報告しました。
アルゼンチンで家庭内暴力を訴える連絡件数が3分の1増加し、メキシコでは昨年対比50%以上激増しているということです。
報告されるのは一部の事例であるため、実際には状況はさらに深刻である可能性があるとしています。
2年以内の収束期待
8月21日、WHOのテドロス・アダノム事務局長は、新型コロナウイルスについて2年以内に収束することを期待しているとの見解を示しました。
1918年に流行したスペイン風邪は収束に2年かかったことに触れ、現在の技術革新によって、新型コロナウイルスの感染拡大はより短期間で終わらせられる可能性があるとしました。
【その他】世界14か国の意識調査結果発表
8月27日、新型コロナウイルスへの政府の対応に対する国民の評価について、世界14か国で行われた意識調査の結果が発表されました。
政府の対応について、14か国の平均は「良い」が73%と多数を占め、「悪い」は27%にとどまりました。
評価が最も低かったのはイギリスで、次いでアメリカ、日本は下から4番目でした。
新型コロナウイルスを機に国民の結束が強まったという回答が最も多かったのは72%のデンマークで、日本は47%で6位となり、最下位は18%のアメリカでした。
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<参照>
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ソウル聯合ニュース:https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200826001200882?section=politics/index
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CNN.co.jp:https://www.cnn.co.jp/world/35158521.html
BBC:https://www.bbc.com/japanese/53858673
CNN.co.jp:https://www.cnn.co.jp/fringe/35158831.html
朝日新聞:https://news.yahoo.co.jp/articles/61369e60fd1680d792213aa587733673661d69b4
NNA ASIA:https://www.nna.jp/news/show/2087682
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
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