10月29日、日本国内の新型コロナウイルスの感染者数は10万人を超えました。
第2波に見舞われた今夏の急増後、8~9月にかけて減少傾向にあったものの、10月に入り再び増加傾向を見せています。
いまだ感染収束のめどが立たない中、海外の多くの国・地域でも感染が拡大し、再び厳しいロックダウンを余儀なくされる国も出ています。
一方で、外国人観光客の受け入れ再開など経済再開に向けた動きが進んでいる地域もあります。
この記事では、10月1日から10月31日ごろまでの世界各国の動きを中心にまとめてご紹介します。
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- 【アジア】タイで外国人観光客の受け入れ再開
- 【北・南米】ファイザー、ワクチン開発「90%超に効果あり」と発表 ハワイは隔離なし入島可能に
- 【オセアニア】 オーストラリアでロックダウン解除、日本との国際線再開へ
- 【ヨーロッパ】英仏独でロックダウン、ロシアでも感染者急増
- イギリス:厳しいロックダウンにデモも、コロナ検査開発進む
- フランス:再び全土でロックダウン
- ドイツ:11月から緊急ロックダウン
- スペイン:全土の緊急事態宣言を来年5月まで延長
- イタリア:非常事態宣言を来年1月末まで延長
- ロシア:感染者急増、ワクチン接種準備進む
- スウェーデン:高齢者の自主隔離措置を解除
- EU:ワクチン確保進む、コロナ状況示す色分け表示を導入
- 【中東】イランで感染第3波、公共の場では屋外でもマスク着用義務化
- 【WHO】感染拡大抑制の行動を呼びかけ、航空機内の感染リスクは低いとの見解
- 【その他】コロナのリスクマップ、UNWTOによる国内旅行報告書
目次
【アジア】タイで外国人観光客の受け入れ再開
アジア圏の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
タイ:外国人観光客の受け入れ再開
4月に新型コロナウイルスの影響により商業便の運航を禁止したタイでは、外国人観光客の受け入れが再開されました。
スワンナプーム空港は、その第1陣として、10月20日夜に上海からの中国人旅行者39人が到着したことを発表しました。
旅行者はマスクを着用し、フェイスシールドやゴム手袋を着用している様子もみられました。
タイ政府は、2020年の海外からの観光客数について、過去最高を記録した2019年の3,980万人の5分の1以下となる670万にとどまると予想しています。
フィリピン:1月のブラック・ナザレ祭中止
フィリピンでは、新型コロナウイルスの感染者数と死者数が、いずれも東南アジアではインドネシアに次いで多くなっています。
感染者の多い首都マニラでは、流行抑制措置が11月末まで1か月延長されました。
大規模集会の禁止や、公共交通機関でのソーシャルディスタンスの確保などが求められるほか、教会の収容人数についても、上限30%の制限が設けられています。
ワクチンの政府間取引について言及
10月27日、フィリピンのドゥテルテ大統領は、新型コロナウイルスワクチンの購入について、腐敗のリスクを防ぐため、政府間の取引が望ましいとの考えを示しました。
中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)は、11月にもフィリピンで新型コロナウイルスワクチンの後期臨床試験を開始する可能性があり、当局は申請を精査しています。
「ブラック・ナザレ祭」中止
新型コロナウイルスの影響により、フィリピンの首都マニラで毎年1月に開かれる「ブラック・ナザレ祭」が、2021年1月は中止されることが決定しました。
ブラック・ナザレ祭とは触れると癒やされる力を持つとされる木製の黒いキリスト像を持ち出して、市内を20時間以上回る祭りで、人口の約8割をカトリック教徒が占めるフィリピンでは、例年数百人が集まっていました。
外国人駐在員の入国制限緩和
10月22日、新型コロナウイルス対策のためのフィリピン政府の省庁間タスクフォース(IATF-EID)は、外国人駐在員の入国制限を緩和することを発表しました。
11月1日から、地域統括本部(RHQ)や地域運営統括本部(ROHQ)に勤務する外国人駐在員や、投資委員会(BOI)や経済特区庁(PEZA)の登録企業の投資家または従業員である外国人の入国を認めるものです。
ただし緩和措置の適用にあたっては、入国時に有効な査証を持っていること、フィリピン政府指定施設での入国時検疫を予約していることなどが条件となっています。
【北・南米】ファイザー、ワクチン開発「90%超に効果あり」と発表 ハワイは隔離なし入島可能に
北米から南米の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
アメリカ:1日当たり感染者数が最多を記録
1日当たり感染者数が最多を記録
4日に報告された新規感染者数は10万2,831人と過去最多となり、初めて10万人を超えました。
9月初めに感染者が微減したものの、感染者数は再度急増しており、アメリカ全土で感染が拡大しています。
ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、日本時間10月31日午前時点で、アメリカでは904万人超の感染が確認され、死者数は22万9,600人を超えています。
NYなど3州で州をまたぐ移動自粛要請
10月20日、ニューヨーク、ニュージャージー、コネティカット3州の知事は、3州の州境をまたぐ不要不急の移動を自粛するよう、共同声明を発表しました。
ニューヨーク州には、隣接する州から多くの人が通勤しており、隣接する州からの訪問者に自己隔離を課すことはしないとしています。
NYのブロードウェー、来年5月末まで公演中止
10月9日、アメリカの業界団体ブロードウェー・リーグは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、3月半ばから閉鎖されているニューヨーク・ブロードウェー劇場街の公演中止を2021年5月末まで延長すると発表しました。
ニューヨーク・メトロポリタン・オペラ(MET)も、2020/21年シーズンの公演を全て中止すると発表しており、再開は2021年9月が予定されています。
米商工会議所、コロナ対策強化を呼びかけ
10月29日、アメリカの商工会議所は、加盟企業や地域社会の代表者らに対し、ロックダウン再導入による経済活動停止を回避するため、マスク着用義務などの新型コロナウイルス対策を強化するよう呼びかけました。
商工会議所の政策部門幹部ニール・ブラッドリー氏は、中小企業に大きな打撃を与えた前回のようなアプローチではなく、一部の分野の活動を制限し、経済活動の全面的な停止は避けるアプローチが必要だと主張しています。
カナダ・メキシコへの渡航制限措置延長
10月19日、アメリカの国土安全保障省(DHS)は、3月に導入されたカナダとメキシコへの不要不急の渡航制限措置を、11月21日まで延長すると発表しました。
新型コロナウイルスの感染拡大の抑制が目的で、カナダのブレア国境安全・組織犯罪減少相も、渡航制限措置の1か月延長を明らかにしました。
ファイザー 新型コロナワクチン開発 90%の予防効果があると初期データ発表
アメリカの大手製薬会社ファイザーが、ドイツの企業ビオンテックと開発しているワクチンが、治験で予防の有効性が90%を超えたとする初期データを11月9日、発表しました。
臨床試験のデータによると、対象となった約4万3,000人のうち新型コロナウイルスの感染が確認されたのは94例とのことです。そしてこの感染が確認された方の9割は偽薬を投与されたグループであり、ワクチンの予防の有効性は90%を超えたとしています。
ファイザーとビオンテック両社は来週にも規制当局に申請する計画だということです。承認が得られれば、2021年末までには最大13億回分のワクチンを製造する計画であり、日本政府は同社から1億2,000万回分のワクチンの供給を受けることで基本合意しています。
ハワイ:旅行前検査プログラムを開始
ハワイ州は、10月15日より、新型コロナウイルスに伴う入国管理として、旅行前検査プログラムを開始しました。
ハワイに到着する72時間前までの検査で陰性だった場合、旅行者は14日間の自主隔離なしでハワイに入島することが可能になります。
各郡の首長らは、旅行前検査プログラムを導入した州政府の対応を批判しており、到着時の2回目の検査を義務付けるべきだと主張しています。
カウアイ島とマウイ島では、それぞれの島に入島する旅行者に対し、2回目の自主検査を求めることを決め、ハワイ島でも、隔離の代わりに、入島後に抗原検査を実施する予定としています。
カナダ:感染者20万人超える
10月19日、カナダの新型コロナウイルス感染者数が累計20万人を超えました。
同日にカナダ政府の公表したデータでは、カナダ全体の新型コロナウイルス感染者数は累計20万1,437人、死者は9,778人となっています。
カナダの人口の約6割を占めるオンタリオ州とケベック州で感染者数が急増しており、国内感染者数の8割近くが両州で確認されています。
人口がそれほど多くないマニトバ州やアルバータ州でも感染者が増加しており、カナダにおける感染第2波は、第1波よりも深刻になると見られています。
ブラジル:感染者500万人超える
10月6日、ブラジル保健相は、ブラジルの新型コロナウイルス感染者数が500万人を超えて500万694人となり、死者は14万8,228人と、15万人に迫っていることを明らかにしました。
アメリカ、インドに次いで世界で3番目の感染者数が多く、特にサンパウロ州は死者が3万6,000人にものぼっています。
新型コロナウイルス対策をめぐっては、ボルソナロ大統領への批判もあったものの、政府が約6,000万人の非公式の労働者らに手厚い給付金を支給するなどして、支持率は上昇しています。
ブラジルでは依然として新型コロナウイルスの感染状況が深刻なものの、商店、レストラン、一部の学校は再開するなど平常に戻りつつある様子も見られています。
【オセアニア】 オーストラリアでロックダウン解除、日本との国際線再開へ
オセアニアの新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
オーストラリア:メルボルンのロックダウン解除、日本との国際線再開へ
10月28日、オーストラリアで新型コロナウイルス感染の中心となっていたビクトリア州で、過去24時間に確認された感染者数が1人となり、4か月続いた州都メルボルンのロックダウンが解除されました。
入国手続きに新デジタルシステム導入
オーストラリア政府は、従来の入国者カードに代わって、新デジタルシステム「デジタル・パッセンジャー・デクラレーション(DPD)」を導入すると発表しました。
導入後は、オーストラリアへの旅行者は自身のモバイルやPCから、DPDへ旅行者情報を登録することが必要になり、将来的には新型コロナウイルスのワクチン接種証明書をアップロードできるように設計されます。
オーストラリア内務省はDPDに対応した電子観光ビザを開発し、その他のビザも電子化していく計画としています。
ニュージーランドから隔離なしの渡航開始
10月16日、ニュージーランドからオーストラリアへの隔離なしでの渡航が開始され、ニュージーランドから数百人が飛行機でシドニーに到着しました。
承認された便の搭乗客はシドニーでの隔離措置が不要ですが、ニュージーランドへの渡航者は管理下での2週間の隔離が必要となります。
日本・シンガポール・韓国への国際線再開へ
10月15日、オーストラリアのスコット・モリソン首相は、日本・シンガポール・韓国への国際線再開に向け、各国の首脳と議論を進めていることを明らかにしました。
2021年には、感染者が少ない国を対象に、さらに国際線を再開させたい意向としています。
ニュージーランド:オークランドの警報レベルをレベル1に引き下げ
10月5日、ニュージーランドのアーダーン首相は、新型コロナウイルスの警報レベルについて、オークランドにのみ設定されていたレベル2の設定を、10月7日以降、その他の地域と同じレベル1へ引き下げると発表しました。
102日ぶりの市中感染発生に伴って、4段階ある警報レベルが引き上げられていましたが、レベル1では入国規制以外の制限措置がなくなり、集会人数の制限や公共交通機関利用時のマスク着用義務が撤廃されます。
ただし市中感染の再発に備え、訪問先で接触追跡アプリを使って移動履歴を記録するほか、ソーシャルディスタンスの確保や、公共交通機関やスーパーなどの混雑する場所でのマスク着用が推奨されています。
【ヨーロッパ】英仏独でロックダウン、ロシアでも感染者急増
ヨーロッパの新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
イギリス:厳しいロックダウンにデモも、コロナ検査開発進む
厳しいロックダウンにデモも
10月16日深夜から、イギリス政府は、ロンドン及び隣接するエセックス州の警戒レベルを上から2番目に高い「高リスク」に引き上げ、厳格なロックダウンを行いました。
新型コロナウイルスの感染第2波抑制が目的で、自宅やレストランなど全ての屋内で他世帯との社交的な集まりが禁じられ、渡航可能な地域が縮小されます。
規制強化対象となったイギリス国民は全人口の57%にあたり、翌17日には、規制強化に反対するデモがロンドン中心部で行われました。
イギリスのインペリアル・コレッジ・ロンドンの研究チームは、イングランドで1日に10万人近くが新型コロナウイルスに感染しているとの研究結果を発表しています。
オックスフォード大でコロナ検査開発
10月15日、イギリスのオックスフォード大学は、5分未満で結果が判明する新型コロナウイルス感染症検査を開発したと発表しました。
2021年初にも検査装置の開発を始め、半年後には承認を得て利用開始を目指すもので、企業や空港での大規模な検査に使用される可能性があるとされています。
フランス:再び全土でロックダウン
10月28日、フランスのマクロン大統領は、10月30日から12月1日までの約1か月にわたり、フランス全土で再びロックダウンを実施すると発表しました。
国民は医療処置や必要不可欠な買い物、運動のため毎日1時間外出する以外は自宅待機を命じられ、外出時に特別な証明書の携帯が義務付けられ、警察官によるチェックも行われます。
レストランやカフェ、必需品を販売しない小売店は少なくとも2週間閉鎖されますが、前回3月のロックダウンとは異なり、ほとんどの学校は閉鎖されず、在宅勤務ができないと雇用主が判断した場合は出勤が認められます。
今後2週間で公衆衛生状況が改善した場合は、政府は一部店舗の再開などを検討するとしています。
ドイツ:11月から緊急ロックダウン
緊急ロックダウン
10月28日、ドイツのメルケル首相は、新型コロナウイルス感染拡大の対応のため、11月2日から1か月間、緊急の部分的なロックダウンを実施すると発表しました。
集会は2家族、10人以下に制限されるほか、私用及び不要不急の旅行の自粛、ホテル宿泊を出張者のみに限定するなどの措置が取られます。
レストラン、バー、ジム、プール、映画館、劇場は閉鎖され、コンサートも中止されるものの、プロスポーツなどのイベントは無観客での開催が許可されます。
学校や託児所の運営は、ソーシャルディスタンスや衛生上のルール順守を条件としたうえで継続されます。
また、ロックダウン中の損失を補うため、100億ユーロ(118億2,000万ドル)の企業向けの支援パッケージを打ち出し、従業員50人以下の中小企業は、11月について昨年同月の売り上げ高の75%を受け取れるようにしました。
メルケル首相とドイツ16州の首相は、ロックダウン2週間後に再度会合を開き、対応の効果について精査するとしています。
外国人観光客の回復見込み後退
ドイツ観光局は、インバウンド市場の回復の見通しについて、主要マーケットとなる法人の出張などの業務渡航の回復が遅れると予測し、訪独外国人宿泊数は、2023年でも2019年対比84%にとどまるとの見解を示しました。
2019年の訪独外国人宿泊数は10年連続で過去最高を記録しましたが、新型コロナウイルスの影響により、2020年1月~7月までの累計宿泊数は、同59.9%減まで落ち込みました。
ドイツ観光局は、将来的なトレンドとして、欧州周遊ではなく1か国を訪問する旅行が主流になり、団体旅行が減少する一方で個人旅行が増加すると予測しています。
スペイン:全土の緊急事態宣言を来年5月まで延長
スペイン議会は、10月25日に全土に対して2週間の緊急事態を発令しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、29日に緊急事態を2021年5月9日まで延長しました。
10月29日時点で、スペインの新型コロナウイルス感染者数は累計116万83人、死者数は3万5,466人にのぼっています。
ただしサンチェス首相は、統計漏れを考慮すると累計感染者数は300万人を上回るとしています。
イタリア:非常事態宣言を来年1月末まで延長
10月7日、イタリア政府は、10月15日を期限としていた非常事態宣言を、2021年1月31日まで延長することを発表しました。
10月25日には、感染予防のための行動規則を強化し、飲食店の影響を午後6時までに制限するほか、スポーツジムや映画館を閉鎖しました。
イタリアでは感染拡大が著しかった3~4月を経て、6~7月には落ち着いたようにみられたものの、夏の休暇シーズンを経て再び感染が拡大し、10月に入ってからは4月後半の水準に戻りつつあります。
ロシア:感染者急増、ワクチン接種準備進む
感染者数が過去最多に
ロシアでは新型コロナウイルスの感染が拡大しており、10月9日、新規感染者数が1万2,126人と過去最多を記録し、累計では127万2,238人となりました。
10月6日、モスクワ市当局は、感染者の4分の1以上を占める高齢者層を保護するため、学生と高齢者による市内公共交通機関の利用を制限する措置を発表しました。
厳格なロックダウンが行われていた5月11日当時の感染者数の最多記録を上回りましたが、今回はロックダウンは行われず、予定もないとしています。
ただし地元メディアは、モスクワ市が感染第2波を抑制するため、バーやナイトクラブの閉鎖を検討していると報じています。
ワクチン接種準備進む
10月30日、ロシアのラコワ・モスクワ副市長は、新型コロナウイルスワクチン接種を大規模に実施する準備を進めていると明らかにしました。
ワクチン供給量が整えば、11月にも希望するモスクワ市民はワクチンを接種できるとしています。
ロシア通信(RIA)によれば、これまでにモスクワ市民約9,000人がコロナワクチン「スプートニクⅤ」を接種したとされています。
日本国籍者のロシア入国可能に
11月1日以降、日本国籍者のロシア入国が再び可能となる見込みとなっています。
搭乗前72時間以内に取得した新型コロナウイルスの陰性証明書と、到着後14日間の自己隔離義務付けは従来通りとなっています。
日本人駐在員の赴任やロシアへの帰還の再開が期待され、在モスクワ日系企業からは歓迎の声が上がっています。
ロシアと日本の間のフライトは、11月1日から東京~モスクワ便が週2便、東京~ウラジオストク便が週1便就航する予定となっています。
スウェーデン:高齢者の自主隔離措置を解除
ロックダウンを実施せず、国民の自主的な予防措置に任せる方針を取っているスウェーデンでは、新型コロナウイルス感染率の低下を踏まえ、高齢者に求めていた自主隔離措置を解除しました。
欧州全体で新型コロナウイルス感染第2波が広がり、各国で隔離措置の強化や外出禁止令が検討される中、スウェーデンでは例外的な対応が取られています。
EU:ワクチン確保進む、コロナ状況示す色分け表示を導入
コロナ状況示す色分け表示導入
10月9日、EU各国は、コロナ禍において渡航者に対する検査や隔離措置の指針となる、共通の色分け表示システムを導入することを合意しました。
EU全域を新型コロナウイルスの状況に応じて、グリーン、オレンジ、レッドに色分けし、データが不足している場合はグレーで表示するもので、EU加盟国はグリーンゾーンからの渡航者を容認する方針としています。
グリーンゾーンに指定されるのは14日間の人口10万人当たりの感染者が25人未満かつ陽性率が4%未満の地域で、レッドゾーンに指定されるのは人口10万人当たりの感染者が50人以上で陽性率が4%以上の地域、もしくは陽性率が低くても感染者が150人以上の地域となります。
色分けは、EUの専門機関である欧州疾病予防管理センター(ECDC)によって毎週更新されます。
コロナワクチン確保へ
10月2日、EUのフォンデアライエン欧州委員長は、EUが新型コロナウイルスワクチンの確保のため、さらに多くの企業と交渉していることを明らかにしました。
欧州委員会は、すでに英製薬大手アストラゼネカ、フランス同業サノフィと英グラクソ・スミスクラインの2社連合と、開発中のワクチンの供給を受けることで合意していると発表しています。
さらに米バイオ医薬モデルナ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、ドイツのバイオ医薬キュアバック、米ファイザーと独バイオ医薬ベンチャーのビオンテックの2社連合との間でも、開発中のワクチン確保に向けた協議が進んでいると表明しています。
これに加え、EU高官筋はEUが7件目のワクチン確保に向けて、米バイオ医薬ノババックスと協議していると明らかにしました。
WHO権限強化を提案
10月30日、EU保健相は、WHOが感染症のパンデミックに適切に対処できるよう、権限を強化する必要があるとの見解を示しました。
加盟国の公衆衛生危機への備えが不十分な場合に、指摘できるようにする必要があるとしています。
EUの保健相会合でWHO改革に関する提案を採択し、11月中旬に開かれるWHO会合で同案を提出する予定としています。
【中東】イランで感染第3波、公共の場では屋外でもマスク着用義務化
中東の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
イラン:公共の場でのマスク着用義務化
10月6日、イランは10月10日から、首都テヘランで公共の場では屋外でもマスク着用を義務化すると発表しました。
テヘランでは、すでに7月から屋内の公共の場でのマスク着用が義務化されているものの、国内メディアは多くの人が規則を守っていないと報じています。
イランでは新型コロナウイルスの感染第3波が発生しており、病床は不足状態にあり、特にテヘランの状況は深刻だとされています。
【WHO】感染拡大抑制の行動を呼びかけ、航空機内の感染リスクは低いとの見解
WHOの新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
感染拡大抑制の行動を呼びかけ
10月15日、WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は、感染拡大第2波の収束に向け、各国政府に迅速な行動を呼びかけました。
欧州で、マスク着用や集会の規制など、新型コロナウイルス感染拡大抑制のための厳しい措置が行われれば、2021年2月までに最大28万1,000人の命が救われるとしています。
北半球で重大な局面
10月23日、WHOのテドロス事務局長は、新型コロナウイルスの流行が、特に北半球で重大な岐路に直面しているとの見解を示しました。
早急な対応を呼びかけるとともに、検査体制を改善し、感染者の接触状況の追跡や、感染疑いのある人を隔離するなどの対応により、各国とも強制的なロックダウンは回避できるとしています。
航空機内の感染リスク低い
10月22日、WHOは航空機内での新型コロナウイルス感染リスクは「極めて低い」が、可能性は排除できないとの認識を示しました。
WHOはこれまで機内でのコロナ感染の事例として、ロンドン発ハノイ行き、シンガポール発中国行きの2便での発生を確認しています。
【その他】コロナのリスクマップ、UNWTOによる国内旅行報告書
その他の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。
新型コロナのリスクマップ
リスクマネジメントソリューションを提供するインターナショナルSOSは、新型コロナウイルスのリスクを可視化する世界マップ「COVID-19インパクトマップ」を作成しました。
新型コロナウイルスが、各国の医療や安全性、ロジスティスクスなどに及ぼす影響を可視化したもので、従業員の健康と安全を守るためのソリューションとして開発されました。
多国籍企業に対して国レベルのリスクインサイトを提供することを目的として「International SOS Risk Map」で一般公開されており、毎日情報が更新されています。
「新型コロナウイルス感染者数の14日間移動平均」「国内移動規制および海外渡航規制」「現地での規制緩和策およびその効果」「健康と安全に関わる潜在的な脅威」について、国別の影響度が1~5のスケールでされています。
国連世界観光機関、国内旅行の報告書を発表
国連世界観光機関(UNWTO)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界的に国内旅行の重要性が高まっていることを受け、国内観光にフォーカスした報告書を発表しました。
国内観光の拡大に向けた対策とともに、世界各国で展開されている国内旅行需要喚起策についても紹介しています。
UNWTOによれば、2018年の世界の国内旅行者数はおよそ90億人で、海外旅行者14億人の約6倍となっており、OECD加盟国では、国内旅行での消費額は全旅行支出の75%を占めているとされています。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
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<参照>
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【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
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