日本国内では新型コロナウイルス感染拡大の収束のめどが立たず、観光業界は大きな打撃を受けています。
政府による観光関連産業支援策「Go Toトラベル」事業は、2月7日まで全国的に停止されており、今後再開されるのか、注目が高まっています。
本記事では、これまでに実施された「Go Toトラベル」ははたして成功だったのか、これまでの効果を振り返ります。
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一時中止の「Go Toトラベル」、全国停止は8日以降も延長
「Go Toトラベル」事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2月7日まで全国的に停止されています。
政府は2月1日、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の延長に伴い、観光支援事業「Go Toトラベル」の全国停止を8日以降も継続する方針を固めました。感染拡大が落ち着いている地域もありますが、当面は人の往来を促す事業を再開する環境にはないとの判断からです。
一部の県の知事から要望が出ている「Go Toトラベル」事業の部分的再開については、第三次補正予算で増額が見込まれている地方創生臨時交付金1.5兆円を、各地域や観光関連で活用してはどうかとの考えも示しています。
Go Toトラベルの効果はどうだったか
未だ感染収束に予断を許さない状況が続いていますが、「Go Toトラベル」事業はこれまでどの程度経済に影響を与えたのでしょうか。
開始から5か月で旅行者は41倍に
観光庁は2021年1月に、「Go Toトラベル」事業における利用実績を発表しました。
7月22日~12月15日の利用人泊数は、少なくとも約8,282万人泊で、7月31日までの200万人から約41倍に増加しました。
同期間の割引支援額は少なくとも約4,842億円で、10月1日~12月28日の地域共通クーポン付与額は、少なくとも約1,011億円にのぼりました。
また「Go Toトラベル」事業で利用された宿の価格帯は、5,000円以上10,000円未満の利用者が最も多い37.4%を占め、次いで5,000円未満が26.5%と、比較的低価格の宿が人気であったことが分かっています。
訪日ラボ独自調査では9割以上がGo Toトラベルの効果を実感
訪日ラボでは、訪日ラボのメルマガ会員向けに「Go Toトラベル」事業への反応に関する独自アンケート調査を実施しました。
2020年9月18日〜2020年10月7日の調査期間中、106名から回答を得ています。
調査の結果、「Go Toキャンペーン(主にGo Toトラベル、Go Toイート事業)は、観光産業全体にとって良い影響を与えていると思いますか?」という設問に対し、都市部、地方ともに「非常に良い影響を与えていると思う」「良い影響を与えていると思う」の合計が95%以上を占めました。
「非常に良い影響を与えていると思う」の回答の割合は地方では2.8%だったのに対し、都市部では21.3%にのぼり、特に都心部で観光需要の回復を強く実感あるいは期待していることがうかがえました。
【独自】GoTo「良い影響ある」96.7% 、菅首相に「インバウンド期待」72.5%
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Go Toトラベル利用で感染者数は増加したか
新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けた観光業を盛り上げたとして一定の評価を受けるGo Toトラベル事業ですが、旅行で人の移動が活発になることで感染拡大の要因となっているのではという声も見られます。
11月27日の政府の発表では、26日の時点で「Go Toトラベル」利用者のうち、202人が新型コロナウイルスに感染したといわれています。
観光庁が12月に発表した11月15日までの「Go Toトラベル」利用人泊数が約5,260万人泊で、感染者の割合としては約26万人に1人となっています。
もちろん、旅行者の全てに検査を実施したわけではありませんが、「Go Toトラベル」の利用者は旅行前、旅行中に体温や健康状態のチェックをされるため、健康状態の芳しくない人はそもそもキャンペーンに参加ができません。
旅行をすることが全くリスクのない行為というわけではありませんが、日常生活と比較して遥かに高いリスクがあるとみなすのは早計でしょう。
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新しい生活様式に合った再開の模索を
現在は新型コロナウイルス感染拡大の第3波に直面するなど厳しい状況にありますが、観光業界に対しては「Go Toトラベル」がプラスの効果をもたらしているのは間違いありません。
「Go Toトラベル」と新型コロナウイルス感染拡大の関係については賛否両論があるものの、因果関係の有無については未だ議論が続いています。
観光業界およびインバウンド業界にとっては、いずれ訪日外国人観光客を受け入れるためにも、まずは国内旅行を安全に回復させなければなりません。
感染状況を慎重に注視しながら、新しい生活様式にあった観光振興の道を模索する必要があります。
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<参照>
観光庁:Go To トラベル事業における利用人泊数の推移について
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