京都市観光協会(DMO KYOTO)は、観光客の訪問以降を定量的に把握することを目的に、京都観光意向指数(通称:行こう指数)を開発したと発表しました。
行こう指数とは、京都への訪問意向を反映していると考えられる5つの分野に関する指数を独自に重みづけをした上で合成し、算出するものです。
新型コロナウイルスや台風などの災害などの影響が比較的少なかった2019年を100として、この基準よりも高まっているか、下回っているかを可視化する狙いがあります。
将来的には需要予測への活用や、外国人観光客版への拡張も検討しているとしています。
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「京都観光意向指数」とは
京都市観光協会は、観光客の現在の京都への訪問意向を定量的に把握することを目的に、京都観光意向指数(通称:行こう指数)を開発しました。
行こう指数は、日本人による京都旅行や観光に関するサイトへのアクセスなど元にした京都旅行や観光への意向を示す指数で、2019年の平均値を基準として算出されます。
京都府内からのアクセスを除いた閲覧(スマートフォンからの閲覧は除く)が対象となり、消費者ネット行動ログデータを保有するヴァリューズによる推計値を利用しています。
これまでの訪問実績にまつわる情報が中心だったデータ収集から、訪問前の意向を多角的に考慮・算出することで、訪問につながる先行指標としての活用が期待されています。
訪問につながると考えられる指数は「京都観光情報サイト指数」「施設公式サイト指数」「グルメサイト指数」「宿泊予約サイト指数」「ツイート指数」の5つであり、これらの各指標を京都市観光協会のこれまでのマーケティングの知見に基づき重み付けをし、行こう指数として算出するとしています。
![▲指数の算出イメージ:京都市観光協会公式サイトより 指数の算出イメージ:京都市観光協会公式サイトより](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/9112/main_ikousisuu_image-1560x859.png?auto=format)
2020年の動向はどうだった?GoTo+紅葉で10月は5割増
2020年の毎月の「行こう指数」は、3月まで前年並で推移していましたが、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令された4月に38.8と激減し、今年の最低値となりました。
その一方で、緊急事態宣言が解除された後は「行こう指数」は徐々に回復し、9月には前年を上回る水準となりました。
11月には紅葉への関心が高まったことや、GoToトラベルキャンペーンの対象に東京発着の旅行が加わったことで旅行人口が増えたことで、10月には155.8と、前年平均の5割増と極めて高い値を記録しました。
紅葉時期には早い段階から情報収集をする人が多いことから、10月の宿泊予約サイト指数は200を超え、GoToトラベルキャンペーンが適用される宿泊プランを検索する人が急増したと考えられます。
![▲2020年の「行こう指数」と市内主要ホテルにおける日本人実宿泊客数:京都市観光協会 2020年の「行こう指数」と市内主要ホテルにおける日本人実宿泊客数 京都市観光協会](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/9149/main_ikousisuu_1-1560x825.jpg?auto=format)
しかし、12月の実宿泊客数の指数は60.7、「行こう指数」は67.1と、一転して大きく落ち込むこととなります。
この時期は新型コロナウイルスの「第3波」とも呼ばれる感染再拡大を受け、GoToトラベルキャンペーンの見直しが行われたタイミングと重なります。
行こう指数と実宿泊数の推移を比較すると、行こう指数が上昇した次の月には実宿泊週が伸び、またその逆の現象も観測できます。行こう指数が実需を予測する先行指標としても機能していることがわかります。
また、行こう指数と実宿泊客数とのあいだに乖離がある今の状態は、「行きたくてもいけない」状況にあると見ることができます。実際、2019年の推移では行こう指数と実宿泊数はほぼ同水準にあるため、2020年の推移はウィズコロナ時代の観光需要を表す特有の状況を示しています。
今後、緊急事態宣言が10都府県で3月7日まで延長することとなり、観光業界への需要の冷え込みも想定されます。そうした中で行こう指数がどのように推移するのか、注視していきたいところです。
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