2032年夏季五輪、豪・ブリスベンが最優先候補地に IOCの選定基準にも変化か「持続可能」がキーワードに

東京五輪の開催が近づくなか、2月24日、2032年夏季五輪の開催候補地がオーストラリア・ブリスベンに一本化されました。

既存施設を活用できることや、開催時期に天候が良いこと、国際的スポーツイベントを主催した経験などが評価されたようです。

2032年の五輪がブリスベンで開催されることが有力になったことで、今夏に予定されている東京五輪が他の五輪イヤーにふたたび延期される可能性は、さらに低くなったと見ることもできます。

本記事では、ブリスベンが候補地に一本化された経緯と、IOCの選定基準の変化について考察します。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

オーストラリア・ブリスベンが最優先候補地に

国際オリンピック委員会(IOC)は2月24日、非公開の理事会で、2032年夏の五輪について、オーストラリアのブリスベンを候補地として一本化することを提案し、理事会で承認されました。

オーストラリアでの五輪開催は過去に2回あり、1956年のメルボルン、2000年のシドニーに続き、3回目となります。

IOCのバッハ会長が最終的な開催地決定ではないと明言したほか、将来開催地委員会のクリスティン・クロスターアーセン委員長も「決定ではない」と発言しており、今後ブリスベンと詳細な議論をしていく見通しとなっています。

2019年時点では、オーストラリア以外にもインドやインドネシアなど複数のアジアの国や、ドイツ、アルゼンチンなども候補地に名乗りを上げていました。

さらにカタールのドーハや、ハンガリーのブダペスト、ドイツのルール地方なども関心を示していました。

なぜブリスベン?IOCの選定基準

ブリスベンを候補地として一本化した理由としてIOCは、既存の競技場の8~9割を活用した大会の開催計画や、大会開催期間となる7~8月の天候が良いこと、国際的なスポーツイベントの主催経験などを挙げています。

オーストラリアでは、ブリスベンを擁するクイーンズランド州のゴールドコーストで、2018年にイギリス連邦のスポーツ大会である「コモンウェルスゲームズ」を開催した実績があります。

「持続可能」がキーワードか

「五輪が開催都市と開催国にもたらす長期的、持続的効果」は「オリンピックレガシー」と呼ばれ、開催国に長期的な利益をもたらすにはどうすればよいか考え行動することが重要だとされています。

しかしこれまでの大会では、さまざまな「負の遺産」も生まれています。

北京五輪では環境問題が改善されず、リオ五輪では選手村の住宅や競技施設の廃墟化などの問題が残されました。

オリンピックアジェンダ2020では、コストの削減や既存施設の活用などが掲げられていました。

IOCは、ブリスベン2032のプロジェクトが、オリンピックアジェンダ2020と完全に一致しているとしています。

五輪の開催や誘致のトレンドとして「持続可能」が重要なキーワードとなっていることが考えられます。

遺すは負の遺産か、それとも...?オリンピックレガシーをめぐる8つのテーマ、過去の開催国の事例

※新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年延期され、開会式は2021年7月23日(金)、閉会式は2021年8月8日(日)となりました。2020年の東京オリンピック・パラリンピック(以下、2020年東京大会)が間近に迫っており、政府と地方自治体、国民が一丸となって大会に向けて準備を進めています。そんな中、オリンピックが開催国に長期的で持続可能な効果をもたらす「オリンピックレガシー」を創出することは開催国の大きな目標となっています。レガシーは英語で「遺...

東京五輪開催に向けて:今夏の開催に前向きな姿勢崩さず

ブリスベンが2032年夏季五輪の開催候補地として有力となったことにより、東京五輪を他の五輪イヤーへ再延期することは難しくなったといえるでしょう。

日本の五輪開催への最近の取り組み

2021年夏に予定されている東京五輪開催に向け、聖火リレーについてのコロナ対策のガイドライン作成や、五輪組織委員会の橋本新会長と菅総理大臣の初会談などが行われています。

橋本会長は、今後、週に1度定例会見を開くとし、組織委員会の取り組みを国内外へ発信していく考えです。

取り組みを透明化し、アピールしていくことで五輪開催への意欲や現状なども見せていく狙いとみられます。

「五輪のあり方」について、見直しは進む

2032年夏季五輪の候補地は、オーストラリアのブリスベンが最有力となりました。

使用予定の施設や気候、国際大会の開催経験などが鍵となったとみられます。

東京五輪の再延期は事実上厳しくなったと考えられ、日本は変わらず今夏の開催に前向きな姿勢を示しています。

<参照>

日本オリンピック委員会:6.第27回 シドニー大会

IOC:BRISBANE AND AOC INVITED TO TARGETED DIALOGUE FOR THE OLYMPIC GAMES 2032

IOC:Olympic Agenda 2020 closing report

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる


関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!