米民泊仲介大手Airbnb(エアビーアンドビー)のチェスキー最高経営責任者(CEO)は2021年5月24日のオンライン発表会で、パンデミックによって落ち込んだ旅行需要の回復について「この百年で最大のリバウンドになる」と述べました。
Airbnbの2021年第一四半期の収益は、パンデミック前の2019年同時期を上回っており、旅行需要が大幅に回復していることを示しています。
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Airbnb、旅行需要回復に期待:コロナ前超える業績に
AirbnbのチェスキーCEOは、5月24日のオンライン発表会で、旅行需要回復について、欧米で新型コロナのワクチン接種が進み、外出規制の緩和に向かっていることを踏まえ、レジャー業界の先行きに強気な見方を示しました。
この背景には、Airbnbの収益改善があげられます。
同社によると、2021年第1四半期の収益は、前年比で5%増加し、2019年第1四半期の収益を上回りました。
さらに、2021年第1四半期営業費用の削減により、調整後EBITDA(イービットディーエー)は大幅に改善しました。
EBITDAとはEarnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略で、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益のことを指します。
2021年第1四半期の調整後EBITDAは、2020年第1四半期の3億3,400万ドル(約364億5,075万円、訪日ラボ編集部換算)に対し、5,900万ドル(64億3,890万円)でした。
変動費の改善、マーケティング効率の向上、および固定費管理により、すべての営業費用の項目は第1四半期から減少しており、利益率の向上が図られたことがわかります。
また2021年第1四半期の非都市部での活動リストについては、2019年の同時期から約30%増加しました。
以上から、旅行需要回復のきざしがすでに観測させており、強気な見方を示したものと考えられます。
「柔軟さ」をテーマに100件以上の機能を強化
さらに同日、Airbnbは2021年全サービス機能について100件以上の機能強化を行ったと発表しました。
「柔軟に探す」ことをテーマに、日付設定、マッチング、宿泊先検索が行われるようになりました。
日付設定において固定された日付で検索するのではなく、週末の休暇、1週間の休暇、あるいは1ヶ月の滞在などの検索が可能になりました。
これは2021年に入り、2億件以上の検索が日付の設定なしに行われ、そのうち1億件が今回新しく発表された「柔軟な日付設定」検索機能を利用したものであることから正式に採用されました。
マッチングについても、検索条件の範囲外の物件を表示することで、より多くのリスティングを検索できるように改善しました。たとえば、最高2万円の設定予算の検索では、それを若干上回る一泊2万5000円の宿泊先も表示されるようになりました。
宿泊先検索についても、特定の目的地ではなく、ユニークな宿泊先が検索できる機能が追加されました。日本であると旅館、スペインであると城などがリストとして表示されます。
同社によると、2021年これまでのユニーク物件の検索数は2019年比で94%増加しています。
このほか、新たなフィルター機能も追加され、季節や場所に合わせて、以前よりもさらに細かい条件で検索できるようになりました。
また、ホスト登録手続きの簡素化も進みました。手続きは10ステップで完了できるように改善され、最適な画像を自動的に配置できるようにしたほか、スマートテキスト機能によって最適なタイトルや説明文もサポートしています。
今後の利用拡大を見据えて、今夏にはサポートエージェントの数を2倍に増やし、サポート言語も現在の11言語から42言語に拡大する方針を示しています。
欧米での旅行需要回復が、Airbnbの業績改善、またサービス改善から感じられます。
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<参照>
Airbnb:Airbnb2021年第1四半期決算
Airbnb:Airbnb 2021 全サービス機能100件以上のイノベーションとアップグレードを実施
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