世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国際的な人の往来は長期間にわたり停止状態にあります。
しかしながら、一部の国や地域では国境を再開させ、海外からの観光客受け入れが再開するほか、海外への旅行も可能になっています。
本記事では、観光再開各国の現状やワクチン接種率などをまとめています。
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観光再開国の現状まとめ
世界各国では、ワクチン接種の普及とともに観光が再開しています。
主要11か国の現状を紹介します。
中国
中国では、海外観光客の受け入れについての発表は行われていません。
フォーカスライトがまとめた最新レポート「中国旅行マーケット2020-2024年」によれば、中国では2021年中に国内旅行市場が回復する見込みで、海外旅行を含めた再開は2024年となると予測されています。
5月1日から始まった労働節の5連休では、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準となる、のべ2億6,500万人が移動する見通しです。
6月12日~14日の端午節連休では、前年比139%増となる5,000億円にのぼる観光収入があり、観光客数はコロナ前の水準まで回復しています。
なおマスクの着用義務は継続されていますが、来春に緩和されるとの予測もあります。
関連記事:端午節連休、観光収入5,000憶円 前年比139%増加 観光客数はコロナ前まで回復
韓国
韓国は、7月24日よりサイパンとの間でトラベルバブルを開始しました。
ワクチン接種が完了し、約2週間が過ぎて抗体が形成された人が出国が認められる対象で、今後はサイパン以外の行き先候補としてシンガポールやタイ、グアムが挙げられています。韓国人が多く行く観光地のうち、防疫状況が安定している国を選定して協議していく予定です。
なお韓国における7月31日時点でのワクチン接種完了者の割合は13.94%となっており、マスクの着用義務は継続されています。
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台湾
台湾は、4月1日よりパラオとの間でトラベルバブルを開始しました。
旅行者は搭乗前にPCR検査を受ける必要があるものの、入国後の隔離は免除されます。
渡航は団体旅行に限られ、個人旅行は不可となっているほか、使用できる施設は限られており、マスク着用が必須とされています。
また台湾は5月19日から非台湾籍者の入境を一時停止しており、8月3日時点でも停止状態は継続されています。
感染状況が悪化していることから、現在は台湾域内でのマスク着用が義務づけられており、違反した場合には過料が科されます。
なお、7月30日時点のワクチン接種完了者の割合は1.6%となっています。
タイ
タイでは7月1日から、外国人観光客を隔離なしで受け入れる「プーケットサンドボックス」が開始されました。
タイ政府がリスクが低~中程度と定めた国・地域からのワクチン接種を受けた人が対象で、入国後最初の14日間はプーケットで過ごします。
なお、ワクチン接種はタイに入国する14日前に完了している必要があります。
日本は高リスク国であるものの、観光目的を含むすべての人の入国が認められています。なお、入国時にはタイ王立大使館または領事館が発行する入国証明書(COE)が必要となります。
7月25日時点のワクチン接種完了者の割合は5.23%となっており、国内ではマスク着用が義務づけられています。
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オーストラリア
オーストラリアでは4月19日より、ニュージーランドとの間でトラベルバブルが開始されていました。
条件として、移動前の14日間にどちらかの国に滞在していることや、過去14日間に新型コロナウイルス検査で陽性反応が出ていないこと、新型コロナウイルスの症状がないことなどが挙げられています。
なお、デルタ株感染拡大によって8月3日現在は一時停止となっています。
8月1日時点のワクチン接種完了者の割合は15.27%となっていますが、デルタ株の感染拡大によりロックダウンが実施されており、シドニーでは8月末まで延長されています。
関連記事:シンガポールとオーストラリアが旅行再開へ前進、「双方の準備が整えば再開は可能」とシンガポール首相
アメリカ
8月1日時点で、アメリカにおけるワクチン接種完了者の割合は49.26%にのぼっており、ワクチン接種の進展が早いことから、ワクチン接種目的で渡米する人が増えています。
アメリカ政府はESTA(エスタ)による米国への渡航を認めており、2020年7月16日より在日米国総領事館では、一部のビザ申請に関する業務を再開しています。
観光目的での入国は、条件を満たせば可能で、受け入れ停止などは行われていません。
アメリカ行きフライト出発前3日以内に取得した新型コロナウイルス陰性証明書が必要で、一部の国や地域からは入国が停止されています。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、2021年5月に屋外でのマスク着用義務を解除しましたが、変異ウイルスの拡大を受け、ワクチン接種完了者にもマスク着用を推奨すると方針を転換しました。
なおアメリカ国内の航空需要は回復しており、5月28日~31日のメモリアルデー連休では、アメリカの空港の保安検査場を通過した人の数が、新型コロナウイルス感染拡大以降最多を記録しました。
7月1日~5日の独立記念日連休の連休では、4,770万人以上のアメリカ市民の移動が見込まれており、2019年に次ぐ過去2番目の多さとなっています。
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フランス
フランスでは、7月31日時点のワクチン接種完了者の割合は47.13%となっています。
ワクチン接種を終えた証明などを提示することを条件として、海外観光客を受け入れを再開しており、EU加盟国のほか、日本も含む複数の国、地域が対象となっています。
6月17日からは屋外のマスク着用義務を原則として無くすとともに、20日から夜間外出制限もとりやめるとしています。
一方で、変異株の影響を受け、美術館などの文化施設、飲食店、長距離鉄道などを利用する際にはワクチン接種か検査の陰性結果を証明する「衛生パス」の提示を義務化しました。
9月15日以降は医療従事者にワクチン接種を義務付けるということです。
スペイン
スペインは6月7日から、ワクチン接種完了者を対象に、全世界からの観光客受け入れを再開しました。
また6月26日からは、公道、屋外のスペースで、1.5mの対人距離を保てる場合に、マスクの着用義務が解除されました。
なお、7月29日時点のワクチン接種完了者の割合は57.61%となっています。
イギリス
イギリスでは、海外観光客の受け入れについて発表は行われていませんが、海外旅行が条件付きで解禁されています。
「green list」というシステムに基づき世界各国を「赤・黄・緑」に分類し、5月17日から「緑」の国や地域への海外旅行が可能としています。
7月19日からは、ワクチン接種を完了させていることを条件に「黄」の国に対しても帰国時の隔離を免除しており、さらにマスク着用義務を含む国内へのほぼすべての規制を撤廃しました。
なお7月31日時点のワクチン接種完了者の割合は、56.49%となっています。
関連記事:イギリス、海外旅行をついに解禁 条件付きで今月17日から
イタリア
イタリアでは、4月下旬にはワクチン接種を終えた人からのワクチンパスポートの国内運用が開始されています。
7月31日時点のワクチン接種完了者の割合は、52.03%となっています。
イタリアはEU加盟国のため、EUのリストに基づいて観光客を受け入れており、ヨーロッパのほとんどの国から観光客を受け入れています。
到着から48時間以内に新型コロナウイルス検査の結果が陰性であることを提示する必要があるものの検疫はなく、ヨーロッパ圏ではない国々からの観光客は14日間の自主隔離が求められます。
また感染予防の対策を講じた航空便で到着した、アメリカやカナダ、日本、UAEなどからの観光客も受け入れ、隔離措置を求めないという措置も取っています。
政府は、6月28日からマスク着用義務を撤廃しましたが、一方で7月末までとなっていた非常事態宣言は12月末まで延長するとしています。
8月6日からは、飲食店の屋内席やジムなどの利用に際してワクチン接種や陰性の証明提示を義務化するとのことです。
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