観光庁が「主要旅行業者の旅行取扱状況速報」2021年8月分のデータを発表しました。
この調査では国内の主要旅行会社の商品取扱額を集計し、「(日本人の)海外旅行」「外国人(の国内)旅行」「(日本人の)国内旅行」の3つのカテゴリーに分けて公表しています。
東京オリンピック・パラリンピックの影響もあり、「外国人旅行」部門が大幅に増加し、前年同月比では732.0%となりました。
また昨年とは異なり、緊急事態宣言が都心部で発令されている中の夏休みとなりましたが、すべての部門で昨年より増加しています。
《注目ポイント》
- 8月の総取扱額は783億円で前年同月比117.8%
- 国内旅行取扱額は675億円で前年同月比108.0%
- インバウンド旅行取扱額は52億円で前年同月比732.0%
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国内旅行業者取扱額ランキング:海外旅行・外国人旅行部門で大幅増加
2021年8月の主要旅行業者の総取扱額は783億円で、前年同月比117.8%となりました。
これは、東京オリンピック・パラリンピックの影響もあり特に海外部門で取扱額が前年同月と比べて大幅に増加したことが要因だと考えられます。
前月と比較すると、トップ5の中では東武トップツアーズが4位となり業績を伸ばしていることが分かります。
順位 | 旅行会社 | 取扱額 | 前年同月比 |
1位 | JTB(9社合計) | 358億5,948万円 |
110.8% |
2位 | (株)日本旅行 |
72億5,150万円 |
112.6% |
3位 | KNT-CTホールディングス(13社計) |
63億1,514万円 |
154.7% |
4位 | 東武トップツアーズ(株) |
32億8,824万円 |
231.1% |
5位 | (株)ジャルパック |
32億8,291万円 |
82.8% |
国内旅行取扱額ランキング:緊急事態宣言でも前年同期比より8%増加
2021年8月の主要旅行業者の国内旅行の総取扱額は675億円で、前年同月比108.0%となりました。
7月後半から4度目の緊急事態宣言が発令され、感染者が増加したことから7月ほどの伸びとはなりませんでした。しかし「宣言疲れ」からか、緊急事態宣言が発令されていない前年同月比よりも国内旅行部門でも増加しました。
航空会社が多くランクインしていますが、昨年より取扱額が少なくなっていることから、近場での旅行が増加していることが分かります。
順位 | 旅行会社 | 取扱額 | 前年同月比 |
1位 | JTB(9社合計) | 308億5,018万円 |
100.1% |
2位 | (株)日本旅行 |
62億8,846万円 |
105.4% |
3位 | KNT-CTホールディングス(13社計) |
55億2,807万円 |
143.2% |
4位 | (株)ジャルパック |
32億7,930万円 |
82.7% |
5位 | ANA X(株) |
32億3,534万円 |
86.3% |
海外旅行商品の取扱額:好調だった前月より3億円増加
2021年8月の海外旅行商品の総取扱額は55億円で、前年同月比172.0%でした。
日本でのワクチン接種の進展に加え、7月26日からの「ワクチンパスポート」の導入、さらに入国制限の緩和が影響していると考えられます。
順位 | 旅行会社 | 取扱額 | 前年同月比 |
1位 | JTB(9社合計) | 12億3,518万円 |
148.2% |
2位 | エイチ・アイ・エス(6社計) |
5億7,369万円 |
132.3% |
3位 | 日新航空サービス(株) |
5億3,661万円 |
379.0% |
4位 | エムオーツーリスト(株) |
3億8,681万円 |
182.2% |
5位 | 阪急交通社(3社計) |
3億7,853万円 |
470.9% |
外国人旅行商品の取り扱い額:前年同月比732.0%に
2021年8月のインバウンド向け国内旅行商品の総取扱額は52億円で、前年同月比732.0%でした。
JNTOによると、2021年の8月の訪日外客数は25,900人で、前年同月比199.1%増でしたが、旅行商品の取り扱い額も連動して大きく伸びています。
順位 | 旅行会社 | 取扱額 | 前年同月比 |
1位 | JTB(9社合計) | 37億7,412万円 |
551.1% |
2位 | KNT-CTホールディングス(13社計) |
6億3,350万円 |
前年は取扱額0 |
3位 | 東武トップツアーズ(株) |
4億6,252万円 |
前年は取扱額0 |
4位 | (株)日本旅行 |
2億9,508万円 |
前年は取扱額0 |
5位 | 名鉄観光サービス(株) |
3,875万円 |
177.2% |
緊急事態宣言解除で旅行消費進むか
10月1日から、複数回にわたって延長されていた緊急事態宣言が解除され、「Go To 」各種キャンペーンの再開も知事会などで求められています。
また、自民党の総裁となった岸田氏は「Go To 2.0」を打ち出すなど、消費促進に積極的であることから、旅行業界にも好影響が与えられると考えられます。
さらにコロナ後に向けて、インバウンド誘致を加速させる自治体も出ています。今後も取扱額の増加が期待されるでしょう。
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<参照>
観光庁:主要旅行業者の旅行取扱状況速報(令和3年8月分)
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