中国で急激に盛り上がる「銀髪(シルバー)経済」ネット環境に慣れたシニア世代がターゲットに

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ここ数年、ネットニュースなどで取り上げられている銀髪(シルバー)経済という単語があります。60歳以上のシルバー世代いわゆる「銀髪族」をターゲットとした経済のことを指します。

銀髪経済がなぜ再注目されているのか、今後の展望について、中国を軸にマーケティング、コンサルティングを手がける株式会社ENJOY JAPANのYouTubeチャンネルにて解説されています。



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銀髪(シルバー)経済とは?

2020年時点で中国の60歳以上の人口は2億6,000万人を超え、総人口の18.7%を占めています。銀髪族の人口は今後も増える見込みで、2025年には3億人、2025年には4億8,000万人を超えると言われています。

そんな日本以上に高齢化社会が急速に進む中国において、各業界から注目を集める経済マーケットが銀髪経済です。

アリババグループ:株式会社ENJOYJAPAN
▲アリババグループ:株式会社ENJOYJAPAN

銀髪経済という単語は以前からありましたが、2016年にアリババグループが年収40万元(およそ680万円)で65歳以上の人を募集する求人広告を出したことで一気に話題となりました。

改めて注目されている理由

以前の中国では、スマートフォンを使えるのはシニア世代の約半数と言われていて、デジタルディバイド(情報格差)が社会問題にもなっていました。

しかし2020年から続くコロナ禍によって、シニア世代もネット環境に触れる機会が増えたことで改めて注目を浴びるようになりました。

自宅にいる時間が増え、家族にスマートフォンで商品を注文する方法を教わる人や、同世代の友人たちとコミュニケーションをとるために始めたという銀髪族が急増しました。

2021年1月~9月 米小麦などの売上:株式会社ENJOYJAPAN
▲2021年1月~9月 米小麦などの売上:株式会社ENJOYJAPAN

また、2021年の1月から9月にシルバー世代がオンラインで購入した米・小麦粉・油・ティッシュなどの売上高は前年同期比で10倍を超えたという結果も出ています。

スマートフォンで選択するサービスや商品の幅も拡大しており、オンラインでの旅行予約、介護用品を自分で注文するなどの行動が見られます。

若者向けのコンテンツで活躍する銀髪族も

ショート動画アプリ抖音中国版tiktok)ではシルバー世代の活躍が見られます。

ハイヒール姿で華麗なダンスを披露する80歳の女性はフォロワー1,500万人を超えているインフルエンサーとして有名です。

「食いしん坊おばさん」と言われている100歳の女性もフォロワーは700万人に上り、ウェディングドレスのイメージキャラクターにも起用されました。

抖音(中国版tiktok):株式会社ENJOYJAPAN
▲抖音(中国版tiktok):株式会社ENJOYJAPAN

媒体社も銀髪族を意識し始めています。

アリババグループ傘下の通販サイト淘宝(タオバオ)では写真や文字の大きさを拡大した商品ページをローンチし、銀髪族の人々にとって画面が見やすくする工夫をしています。一方、商品の詳細ページまで行くと文字の大きさが元に戻ってしまうなどの課題はあります。

淘宝(タオバオ):株式会社ENJOYJAPAN
▲淘宝(タオバオ):株式会社ENJOYJAPAN

このような銀髪族のインターネット利用を促進する動きは、他の媒体でも見られるようなると予想されます。

銀髪経済は今後どのような発展をするか

中国の定年は男性が60歳、女性が55歳です。

日本のように同じ職場でフルタイム再雇用で働く人は少数派で、身近な人の紹介などでパートタイム的に働く人が多く、可処分時間が長いと言われています。

銀髪族の可処分時間:株式会社ENJOYJAPAN
▲銀髪族の可処分時間:株式会社ENJOYJAPAN

そこにコロナ禍でスマホ使いこなせるようになった銀髪族の行動範囲が広がったことが相まって、中国企業にとってもターゲットとするビジネスチャンスが格段に広がっています。

銀髪族世代の人口は今後も増える一方です。化粧品や家電などレッドオーシャンが増えてきた中国マーケットの中において、今後中長期的な観点で銀髪経済がブルーオーシャン市場となることが予想されます。

しかし「儲かる」と判断すれば一気に資金を投下し、市場のNo.1シェアを取ろうとするのが中国流ビジネスのやり方です。

この銀髪経済を舞台にしてどのように企業同士の戦いが繰り広げられ、どの企業が生き残るのか。今後の動向に目が離せません。

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<参考>

・株式会社ENJOYJAPAN:公式サイト

・YouTube:【トレンド】銀髪(シルバー)経済が激アツな件について

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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