1月31日より、中国では2月1日の「春節」(中国・中華圏における旧正月)にともなう連休期間に突入しています。
北京五輪を目前に控える中国では、昨年に続き移動を控える傾向が顕著にみられています。日本でも春節を祝うイベントが行われましたが規模を縮小したうえで開催されています。
2022年の春節について中国と日本の様子を紹介します。
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春節とは
「春節」とは、中国・中華圏における旧暦の正月の事を指します。中国ではもっとも古い伝統的な祭日で、秋の国慶節と並ぶ一大休日でもあります。
時期は毎年異なり、2022年は1月31日から2月6日までが春節期間です。
例年の春節の様子
春節は1年の中でも特別な祝日で、この時期は多くの人が休暇をとって国内外に旅行に出かける傾向にあります。
新型コロナウイルス拡大前には例年「国民の大移動」が起こっており、中国の大手旅行サイト「携程旅游」(CTrip)によれば2019年は4億人以上の中国人が旅行したということです。そのうち海外旅行人数は631.1万人でした。
同期間は訪日中国人観光客も増加する傾向にあります。Trip.comは「2020年春節の旅行トレンド予測レポート」で2020年の春節は日本が旅行先として最も人気になると予測していました。
しかしながら新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、2020年以降は海外旅行に歯止めがかかっています。2021年も政府の移動自粛勧告によって海外旅行から国内旅行への移行や、あるいは移動そのものを控える動きがみられていました。
2022年の春節、中国国内の様子は?
2022年は1月31日より7日間の春節が始まっています。北京五輪と重なる今年の春節ですが、中国政府は昨年に引き続き移動の自粛を呼び掛けています。
中国国内は政府からの自粛勧告続く
北京五輪を目前に控えた中で中国国内での新型コロナウイルスへの感染者が報告されていることからも、拡大を防ぐため14日以内に感染が確認された地域から北京に入ることを制限するなど厳しい警戒態勢を敷いています。
感染症拡大防止の観点から観光業界では「航空券+ホテル」の販売が政府より禁じられており、州を越えた観光事業活動にも厳格な管理体制が敷かれているということです。
文化観光省は春節の休暇中に旅行する際は各個人で感染症の予防対策を講じること、またはオフピークの時期の旅行を予約することなどを呼びかけています。
移動者予測については例年であれば帰省も含めると30億人が移動するとみられていましたが、中国運輸部の試算によれば2022年はその半分以下の約12億人になると予測されています。
テレビ番組で楽しむ春節
いっぽう、年越し番組を通して春節を楽しむ動きは活発にみられています。
中国の放送局、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ)は毎年旧暦の大みそかから元日にかけて「春節聯歓晚会」(「春節の夕べ」、略称「春晩」)を放送しており、今年はモバイル端末でも視聴可能とするため縦動画版による配信も初めて行われました。
同局が発表した統計では、今年の「春晩」の国内外合計総視聴者数は12億9,600万人、中国国内の視聴率は22.01%に上ったということです。
ライブオンデマンドへのアクセスも含めると、アクセス総数は71億3,300万回に達し、すべてにおいて昨年を上回る数値となりました。
日本でも「春節」祝う光景
日本でも春節を祝うイベントが実施されています。
横浜中華街では2月1日、山下町公園で新年のカウントダウンと獅子舞の演舞が行われました。
国内の新型コロナウイルス感染症拡大により、春節に際して開催を予定していたイベントの中で複数は延期や中止となりましたが、獅子舞は予定通り開催されました。春節を祝うと同時に、新型コロナウイルスの退散祈願も含まれています。
また神戸市の中華街、南京町でも旧正月を祝う「春節祭」が実施されました。36年目、34回目の開催となる今年の春節祭ですが、規模を縮小したうえで行われました。
商売繁盛の神様として信仰される「関聖帝君」を特別に広場で祀ったほか、近隣の寺の住職がお経を唱えるなどして新型コロナの感染収束や無病息災を祈ったということです。
感染抑止と「春節」の両立なるか
新型コロナウイルス感染症の影響により移動制限が余儀なくされていることから、中国国内で今年の春節は「旅行自粛モード」の雰囲気が高まっていると考えられます。
しかしいっぽうで、移動制限が厳格化すると不満の声が上がると予想されることから、中国国内の地方自治体からは「緩やかな規制」を求める動きもみられるということです。
感染拡大と春節旅行の両立に今後も注目が集まるでしょう。
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・中央广播电视总台(中央広播電視総台):プレスリリース
・中国政府网(中国政府公式サイト):プレスリリース
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