コロナ禍で未だインバウンド再開の見通しが立っていない中、インバウンド業界や観光業界ではどのような意識が持たれているのでしょうか?
また、コロナ禍でも国内での観光需要回復を狙ったGo Toキャンペーンは2021年には再開されず、再開の目処も立っていないというところです。
今回訪日ラボでは、訪日ラボのメルマガ会員向けに独自アンケート調査を行いました。
前回記事に引き続き、その結果をご紹介します。
※調査結果の前編は以下の記事で紹介しています。
関連記事:インバウンド誘致、「コロナ後も積極的」67.9%:インバウンド対策意識調査
<調査概要>
- 調査対象:訪日ラボWebサイト読者・訪日ラボメールマガジンユーザー
- 調査方法:インターネット調査
- 調査時期:2022年1月26日〜2022年2月2日
- 回答者数:131名
- 設問数:24問(回答内容によって異なります)
※なお、本調査結果の「都市部」と「地方」を分けた回答について、「都市部」は総務省の「大都市部」の定義に基づき、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府の6都府県としています。また、企業の所在地を「その他・海外」とした回答は含みません。
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GoTo「再開希望」84%、そのうち「年内(2022年中)」再開希望が95.5%
「政府の経済復興支援策であるGoToトラベルやGoToイートなどの各種施策(以下、GoTo)について、いつかは再開を希望しますか?」という質問を行いました。
その結果、以下の結果となりました。

回答詳細
- 希望する 56.5%
- どちらかというと希望する 27.5%
- どちらかというと希望しない 8.3%
- 希望しない 7.6%
GoTo再開を「希望する」または「どちらかというと希望する」と回答した人の割合は、84.0%でした。
前回の2021年8月調査と比較して、「希望する」と「どちらかというと希望する」を合わせた回答の割合は、3.5ポイント増加しました。
観光事業者は引き続き政府による経済復興支援策を望んでいることがわかります。
GoTo再開希望時期、「年内(2022年中)」が95.5%
続いて、GoToトラベルキャンペーンなどの経済復興支援策に対する、再開希望時期について質問をしました。
上記の質問でGoTo再開を「希望する」または「どちらかというと希望する」と回答した人に対し、「GoToが再開する場合、再開時期はいつごろが望ましいですか?」という質問をしました。回答結果は以下の内容となりました。

回答詳細
- 春の行楽シーズン〜ゴールデンウィークから 54.5%
- 夏の行楽シーズンから 52.7%
- いますぐにでも 18.2%
- 秋の行楽シーズンから 16.4%
- 2023年以降 4.5%
「年内(2022年中)」の再開希望を合計すると95.5%という結果となり、ほとんどの事業者が年内の行楽シーズンでの再開を希望しているということがわかりました。
しかし現段階で再開の見通しが立っていない中、政府の考えと事業者の期待にはギャップがあるようです。
再開希望の有無に対する理由さまざま
さらに上記の再開を希望するかどうかの回答に対する理由について伺ったところ、さまざまな理由の回答が得られました。
再開を希望する方は、
インバウンドビジネスとしては極めて厳しい状況であるので、もし感染症が春に落ち着いてくるなら、なるべく早く対策が実施できること望みます。
オミクロン株による感染が一定程度収まると考えるから
といった、経営上の危機感から早期の需要喚起策を待望する声や、感染拡大の収束を見込んだ上での再開希望の声がありました。
一方で慎重な意見を持つ方の理由では、
前回の失敗を踏まえて改善したうえでの施策であるなら希望する。ただし、顧客レベルが下がる懸念もある。
GoTo を使わなくても、人は旅行や外食を待ち望んでいる。質を高める方が今後の日本にとってもよい。
など、需要喚起策に伴う客層の変化を懸念する声や、「量」より「質」を重視するといった意見が見られました。
そのほか「一時的な効果に過ぎない」という意見や、「事務処理が煩雑だから」という意見もありました。前回のGoToキャンペーンを経て、制度の複雑さや効果に対して疑問視する声があることも事実です。
観光再開に向け「準備している」、前回から倍増
「今後GoToの再開や入国制限の解除など、観光が再び盛り上がった時に備えて、準備はできていますか?」という質問に対しては、以下のような結果となりました。

今回(2022年2月)調査では「準備している」という回答が68.7%でした。
前回(2021年8月)調査で、「準備している」の回答が33.9%だったことから、今回の調査では2倍以上増加していることがわかります。
観光再開への準備状況、「観光誘客に関するPR」が最多
上記の質問で、観光再開に向け「準備している」という回答をした人に対して、「観光再開に向けてどのような準備をしていますか?」という質問をしました。
質問に対する回答結果は以下となりました。

- 観光誘客に関するPR、プロモーション施策の実行 55.6%
- 商品の造成(観光・宿泊プラン、体験商品、お土産、グッズ展開など) 47.8%
- コロナ対策(検温・手指消毒、感染予防行動のアナウンスなど) 45.6%
- 受け入れ環境の整備(スタッフの雇用、GoTo対応のフロー整備、オペレーションの見直しなど) 38.9%
- 口コミ対策、WEB上の情報整備(口コミのチェック・返信対応、Googleマップの情報整備など) 37.8%
GoToの再開に向けPR・プロモーションに注力している事業者が最も多く、つづいて商品の造成、コロナ対策について着手している事業者が多いことがわかりました。
その一方で「口コミ対策、WEB上の情報整備」は最も回答率が低く、観光再開に向けて準備している事業者でもこの分野への対策が比較的遅れているといえます。
関連記事:インバウンド誘致、「コロナ後も積極的」67.9%:インバウンド対策意識調査
今後取り組みたい施策「口コミ対策・Web上の情報整備」が二番目に多い結果に
上記の質問で、観光再開に向け「準備していない」という回答をした人に対して、「観光再開に向けて今後取り組んでいきたい施策はありますか?」という質問をしました。
質問に対する回答結果は以下となりました。

- 観光誘客に関するPR、プロモーション施策の実行 58.5%
- 口コミ対策、WEB上の情報整備(口コミのチェック・返信対応、Googleマップの情報整備など) 51.2%
- 受け入れ環境の整備(スタッフの雇用、GoTo対応のフロー整備、オペレーションの見直しなど) 46.3%
- 商品の造成(観光・宿泊プラン、体験商品、お土産、グッズ展開など) 34.1%
- コロナ対策(検温・手指消毒、感染予防行動のアナウンスなど) 31.7%
すでに取り組まれている準備で最多であったように、「観光誘客に関するPR・プロモーション施策」が今後取り組みたいこととしても最多回答となりました。
しかし、すでに「準備している」で最も回答が少なかった「口コミ対策・Web上の情報整備」が、今後取り組みたい準備では次いで2番目に多い回答を占めました。
「口コミ対策・Web上の情報整備」が準備はできていないが必要である、という認識を持たれていることがわかる結果となっています。
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