「ゼロコロナ政策」 WHOが批判 中国側は正当性を強調

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10日、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、中国の対新型コロナウイルス施策である「ゼロコロナ」政策について、「持続可能とは思えない」として、別の対策に移行することが必要だとの考えを示しました。

一方、中国側は「無責任な言論を発信しないよう望む」と述べ、WHOの言動をけん制しました。


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WHO ゼロコロナ政策は持続不能と批判

中国では現在、新型コロナウイルスの感染を徹底して封じ込める「ゼロコロナ」政策が継続されています。特に感染拡大が続く上海では市内各地で厳格な外出制限が設けられています。

このような中国の政策について、WHOのテドロス事務局長は10日の記者会見で「ウイルスの挙動や今後予想されることを考えると、持続可能とは思えない」と述べました。

さらに、中国の専門家との議論の中で「持続不可能であり、シフトが非常に重要である」ことを伝え、初期とは違う状況を踏まえた別の対策に移行することが必要だとの考えを示しました。

WHOで危機対応を統括するライアン氏は、人権や人々の生活への影響を考慮して「ゼロコロナ税策が社会や経済に与える影響についてバランスをとる必要がある」と述べました。

今回のようにWHOが各国の新型コロナウイルス対策を評価するのは異例です。

中国 政策の正当性を主張

中国外務省の趙立堅報道官は11日の記者会見で、「中国政府の感染対策は歴史の検証にも耐えうるものであり、科学的かつ効果的で、中国が世界で最も感染対策が成功している国の1つであることは、国際社会の誰もが認める事実だ」と述べ、政策の正当性を強調しました。

その上で、「関係する人々が中国の政策を客観的かつ冷静にとらえ、無責任な言論を発信しないよう望む」と述べ、WHOの「ゼロコロナ」政策を否定する言動をけん制しました。

ゼロコロナ政策の現状

上海では、オミクロン株の拡大などの理由から感染者が急増しており、2022年に入ってからの感染者数は9,000人を超えました。

感染者数増加を受け、3月28日から事実上のロックダウン(都市封鎖)が続いており、市民の大半が外出を原則禁じられています。また、鉄鋼生産都市である河北省唐山市も、3月22日から一時的なロックダウンを実施しています。

一方、オミクロン株は従来型よりも重症化リスクは低いにも関わらず、中国政府が「ゼロコロナ政策」を続けていることについて、国内からも懐疑的な見方が出ています。

中国の著名な憲法学者の童之偉教授が「住民を強制的に隔離施設に移送するのは違法である」との批判をネット上に公表しました。その後、投稿は削除され、アカウントも使用停止の措置が取られました。

ゼロコロナ政策 グローバルサプライチェーンにも影響

ロックダウンが続く上海は国際金融センターであるとともに、多くの多国籍企業の中国本社や生産工場が置かれています。また、コンテナ取扱量世界トップの上海港もあります。

ロックダウンの影響で、中国の主要港の沖で待機するコンテナ船の数は2月から2倍近くに増えています。運転手への厳格な感染対策などで港湾業務は滞っており、入港が遅れているのが原因です。

影響は中国国内だけでなく、サプライチェーンを通じて海外の経済にも打撃をもたらしています。

例えば、スポーツ用品大手のナイキやアディダスなど、世界的な大手企業を顧客に抱える中国の繊維企業の生産に支障が生じています。寧波では、ナイキやアディダス、 ユニクロなどのサプライヤーである、申洲国際集団の生産拠点が1月3日からロックダウンになり稼働が停止しました。

他にも自動車部品の輸出が滞ったことにより、日本や韓国、欧州の自動車メーカーが生産停止を余儀なくされたり、IT製品においても、中国で委託生産を行う企業の出荷が遅延しています。

ゼロコロナ政策の失敗は世界経済にとっても大きなリスクに

アメリカの調査会社「ユーラシアグループ」が、今年の年始に「2022年の10大リスク」を発表していました。

2022年の最大リスクとして取り上げられたのは、中国が進める「ゼロコロナ政策」の失敗です。多くの先進国では新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが終焉に向かっているとした一方で、中国は異なり、危機的状況に陥ると予想しました。

この影響は、グローバルサプライチェーンを通じて世界経済にも及び、世界経済にとって大きなリスクとなってきているのが現状です。

また、中国を最大の輸出先とする日本の経済は、特にその影響を受けやすいのも事実です。中国のゼロコロナ政策の長期化が見込まれるなか、今後のグローバルサプライチェーンのリスクを警戒していく必要があります。

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<参照>

・ロイター:WHO chief says China's zero-COVID policy not 'sustainable'

・Eurasia Group:TOP RISK 2022

・THE WALL STREET JOURNAL:China Covid-19 Lockdowns Hit Factories, Ports in Latest Knock to Supply Chains

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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