ブッキング・ホールディングスなどの旅行関連会社が今年度の営業成績を発表しました。
それによると、各社が共通して売上高や総予約額の増加が拡大しており、観光業界からはインバウンドの再開を期待する声が上がっています。
全体として、世界が観光回復に向かって進んでいることが伺えます。
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ブッキング・ホールディングス、売上高・総予約額136%増
ブッキング・ホールディングスは、世界最大の売上高を持つオンライン旅行会社であり、特に、宿泊予約の分野で世界最大の販売数を有しています。
今回、2022年第1四半期(1月~3月)の営業実績を発表しました。
売上高は、前年同期比136%増の27億ドル(約3,510億円)となりました。これにより、旅行需要の回復が続いていることが判明します。
しかし、当期損失は、前年同期の5,500万ドル(約72億円)から7億ドル(約910億円)に拡大しました。
これは、前年同期は3,200万ドル(約42億円)の株式益を計上した一方で、当期は、株式損失の9億8,700万ドル(約1,283億円)を計上させたことが原因です。
キャンセル数を含めた総予約額は、前年同期比129%増の273億ドル(約3.5兆円)と著しく増加しました。
ブッキングCEO「今夏に向けて旅行需要の回復は続く」
ブッキング・ホールディングスは、2022年第2四半期は、世界の旅行トレンドが引き続き強化されており、夏の繁忙期に向けて準備を進めています。
同社のグレン・フォーゲルCEOは、決算発表にあたって、「2022年の第2四半期もこれまでのところ世界的な旅行トレンドの回復が続いており、今夏もこの傾向が続くだろう」と話しています。
加えて、「ブッキングは、支払いプラットフォームを拡張していくなど、引き続きConnected Trip(コネクテッド・トリップ)戦略を進めていく」と表明しています。
ブッキング・ホールディングスは、回復基調の中で旅行需要を取り込むために、Booking.comの決済プラットフォームの拡大を進めています。
また、Connected Trip(コネクテッド・トリップ)の実現に向けて前進しています。
Connected Trip(コネクテッド・トリップ)について、フォーゲル氏は「すべての旅行に関するサービスをプラットフォーム上で、ワンストップでシームレスに予約できるようにしていく」と話しています。
関連記事:Booking.com、旅行予約が前年同期比の8.5倍、売上高も243%増 欧米で需要好調
米エクスペディア、売上高81%増 赤字幅も大幅改善
米エクスペディア・グループは、2022年第1四半期(1月~3月)の営業実績を発表しました。
それによると、オミクロン株の感染拡大やウクライナ危機などがあったものの、2021年比で増収を達成し、損失も大幅に改善しました。
売上高は、前年同期比81%増の22億4,900万ドル(約2,924億円)に増加し、当期損益は、前年同期の6億600万ドル(約789億円)から1億2,200万ドル(約159億円)と大きく改善しました。
総予約額も前年同期比58%増の244億1,200万ドル(約2.9兆円)と大幅に増加しました。
部門別の売上高は、旅行比較「トリバゴ」を除いたエクスペディア・グループが前年同期比80%増の21億7,200万ドル(約2,824億円)でした。
トリバゴは、前年同期比153%増の1億1,600万ドル(約151億円)です。
また、プロダクト・サービス別の売上高では、宿泊が全体の72%を占め、前年同期比78%増の16億1,000万ドル(約2,093億円)と大幅に増加しました。
航空は、前年同期比50%増の7,400万ドル(約96億円)となり、宿泊では、ホテル、バケーションレンタルとも泊数が増加し、平均客室単価(ADR)も上昇しました。
エクスペディアCEO「観光、旅行も回復」
同グループのピーター・カーン副会長兼CEOは、「旅行市場の完全な回復に欠かせない都市観光、ビジネス旅行、海外旅行も回復している」と話しました。
今年の旅行需要の回復に期待感を示しています。
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ルフトハンザ、旅行需要の大幅な増加により回復傾向
世界各地で事業を展開する航空グループであるルフトハンザ・グループは、第1四半期に5億8,400万ユーロの損失を計上したにもかかわらず、需要の大幅な増加を受け、休暇旅行において今夏の予約は記録的に増加すると予想しています。
グループ航空会社のルフトハンザ、スイス、オーストリア航空、ブリュッセル航空、ユーロウイングスは3カ月間で2019年の定員の57%を運航しました。
また、6月までの四半期で75%を運航する計画で、今夏は短距離路線で95%、長距離路線で85%に上昇しました。
ルフトハンザは、グループ航空会社での観光地へのフライト予約がこれまで以上に増えていると報告しました。特に米国、南米、地中海は需要が高いといいます。
また、休暇を過ごす人は「これまで以上に多い」と示唆し、高い観光需要に加え、ビジネス旅行も回復傾向を強めていると報告しています。
しかし、同グループはウクライナ戦争とインフレの大幅な上昇により、ビジネス旅行が年末までに、それら危機以前の70%程度までしか回復しないだろうと予測しています。
ルフトハンザCEO「新規予約は週ごとに増加」
グループの最高経営責任者であるカーステン・シュポール氏は、次のように述べています。
「この数週間で、人々の旅行に対する意欲がいかに高いかが明らかになりました。特に休暇やレジャーを目的とした新規予約は週ごとに増加しています」と話しました。
また、シュポア氏は、グループが年初に「依然として高い(コロナ)感染率に悩まされている」ことを指摘し、年初の低い座席積載率と燃料費上昇をグループ損失の原因として挙げました。
関連記事:3月の訪日外客数は66,100人、前年同月比438.4% 入国制限緩和の影響で
米オンライン旅行市場、2022年18%増加の予測
旅行調査の世界大手フォーカスライト社によると、2021年の米国オンライン市場全体におけるOTA(オンライン旅行会社)のシェアは35%から37%に上昇しました。
しかし、サプライヤーのウェブサイトが63%を獲得し、過半数を維持しています。
ホテル販売は、OTAは52%を占めましたが、2025年には48%までシェアを落とすことが予想されています。
主要OTAは、エクスペディアグループとブッキング・ホールディングスの2社で2021年のレジャー・非管理型旅行市場の約93%を占めたことが判明しました。
全世界では、エクスペディアが2019年比67%の水準、ブッキングは、2019年比79%でした。
2020年と比較すると、エクスペディアはほぼ2倍、ブッキングは2倍以上に伸ばしました。
関連記事:OTA(Online Travel Agency)とは | オンライン旅行予約サイト8選・利用のメリットと注意点
米国オンライン旅行市場、2019年にはわずかに及ばない水準
フォーカスライトは新たに発表した調査レポートで、米国オンライン旅行市場は、2022年に18%成長して767億ドル(約9兆7千億円)に達すると予測しました。
これは、2019年にわずかに及ばない水準であり、2023年にはコロナ禍前を超える予想ですが、海外旅行の回復は国内より遅れる状態が続く見通しです。
OTA(オンライン旅行会社)の2021年の予約総額は652億ドル(約8兆3千億円)で、2019年の82%水準でした。
2019年には及びませんが、着々と世界が観光回復に向かって進んでいると言っても過言ではありません。
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<参照>
ブッキング・ホールディングス:Booking Holdings Reports Financial Results for 1st Quarter 2022
エクスペディア:EXPEDIA GROUP REPORTS FIRST QUARTER 2022 RESULTS
フォーカスライト運営サイト「フォーカスワイヤー」:THE STATE OF ONLINE TRAVEL AGENCIES
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