エチオピア最大の地方州であるオロミア州の観光委員会は、デジタル技術で中国人観光客の誘致を目指しており、その先駆けとして多様な土地・文化・伝統・長い歴史を紹介するウェブサイト「Visit Oromia - Google Arts and Culture」を開設しました。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
デジタル技術で中国人観光客の誘致
オロミア州観光局長のLelise Dhugaa氏は、新華社(中国の国営通信社)の取材に対し、オロミア州と中国の異文化コラボレーションが、より多くの中国人ツアーオペレーターや通訳者がこの地域の観光セクターに関わり続けていることから、勢いを増していることを明らかにしました。
Dhugaa氏は、「私たちは中国の旅行会社や言語専門家と協力し、エチオピアの観光地を宣伝し、特にオロミア地方に多くの中国人観光客を誘致しています」と述べました。
オロミア観光委員会は、多様な土地、文化、伝統、長い歴史を持つオロミアのプロモーションのために、「Visit Oromia - Google Arts and Culture」と名付けたウェブサイトを立ち上げました。

このウェブサイトは、オロミア観光委員会が主催する観光技術週間において開設されました。
観光関連の問題に対する政策討議プラットフォームの構築と、デジタル技術を用いた国内の観光地のプロモーションを目的としています。
Dhugaa氏は、エチオピアの豊かな自然や歴史的な観光地がほとんど宣伝されていないことに触れ、「私たちは、エチオピアで初めてとなるデジタル技術を使って、エチオピアの食べ物、衣装、観光地などを宣伝しています」と述べています。
委員によると、観光分野での協力関係を強化する一環として、観光地の開発や企業間関係の強化について中国企業と合意に達しているとのことです。
「我々は中国の兄弟たちと非常に良いパートナーシップを築いており、中国の成長する観光市場を開拓するために "Land of Origin "というブランドのもと、中国のソーシャルメディアプラットフォームで "Visit Oromia" を立ち上げました」とDhugaa氏は続けました。
また、「初めてこの地域を訪れる中国人観光客には、中国企業や通訳が地域内のあらゆる場所でサービスを提供するため、コミュニケーションの障壁に直面することはない」と断言しました。
中国語を話すツアーガイドやレストランも
エチオピア政府は、中国の観光部門とパートナーシップを結び、エチオピアを訪れ、観光やホスピタリティ部門に投資したいと考える中国人が増えてきていると述べました。
エチオピアの観光地開発を担当するシレシ・ギルマ観光大臣は、「中国はコアマーケットになりつつあります。中国からより多くのお客さまをお迎えするようになり、もはや潜在的な市場ではなくなっています。したがって、エチオピアの首都であるアディス・アベバをはじめ、中国語を話すツアーガイドやレストランもあります」と述べています。
エチオピアのオロミア地方には、世界観光機関(WTO)が2021年の最優秀観光村に選んだウォンチ湖をはじめ、エチオピア大地溝帯にあるいくつかの湖があります。
自然、歴史、文化的遺産に恵まれた東アフリカのエチオピアは、最近、10年間の開発計画の一環として、観光分野における中国とのパートナーシップを強化する意向を明らかにしました。
デジタル技術の導入にはコストなどが障害に。
エチオピア政府によると、エチオピアは2019年に41,837人の中国人観光客から1億5,700万米ドル(約215億円)を獲得しました。
中国人観光客は、会議、出張、レジャーを求めるなど、さまざまな目的で東アフリカの国を訪れました。
しかし過去数年間、エチオピアの観光部門は再発する紛争に苦しんでおり、コロナ禍の社会経済的影響によって悪化していました。
中国人観光客をはじめとする外国人観光客誘致の一環として、エチオピアは先週、観光技術週間を開催し、観光関連問題の政策討議プラットフォームの構築、観光デジタルチャンピオンや革新者のネットワーク強化、観光セクターのパートナーの結集を想定しています。
観光技術週間に参加した専門家や政策立案者は、エチオピアの観光分野における未開発の潜在能力を活用するための協調的な取り組みを呼びかけました。
主催者によると、技術の進歩と急速なデジタル化の到来により、すべての旅行会社は地理的な障壁を避け、オンライン方式で顧客にアプローチしています。
しかし、資金不足、トレーニング費用の高さ、技術革新の速さ、高速ブロードバンドのコストなどが、観光におけるデジタル技術のさらなる導入の大きな障害になっているといいます。
関連記事:世界の航空需要、コロナ前の7割超まで回復/各国で新規開設・増便・再開ぞくぞく【世界の航空便増減まとめ 8月】
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
<参照>
「Visit Oromia - Google Arts and Culture」:公式ホームページ
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!