4月29日以降、中国本土向けも含めて水際対策がほぼ撤廃される形となりました(有症状者への入国時検査のみ)。いよいよ「中国インバウンドの再開」が目前に迫っています。
一方、中国ではグレートファイアウォールと呼ばれる大規模情報検閲システムの影響でGoogle、Facebookなどの世界的検索エンジンやSNS等が使えず、独自の情報プラットフォームが発達しています。そのため、中国向けのインバウンド対策では他の国・地域とは違った施策が必要であり、何からやればいいのかお困りの方もいらっしゃるのではないかと思います。
そこで訪日ラボでは2023年6月、レストラン検索・予約サイト「食べログ」と共同でセミナーを開催。本記事では主に飲食店の方向けに、中国の最新インバウンド事情などのデータ・事例をもとに徹底解説したセミナーの内容を、ダイジェストでお届けします。詳細はアーカイブ配信もございますので、ぜひご覧ください。
→【アーカイブ配信】中国インバウンド再開目前!食べログ × 訪日ラボ緊急セミナー
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
最新のインバウンド動向:2023年は年間2,000万人ペース
セミナー前半では、訪日ラボコンサルティング事業部部長の川西より、最新のインバウンド動向についての解説がありました。2023年の訪日外国人客数は、現在年間2,000万人ペースで推移しています。

訪日中国人は電子ビザ発給開始で回復するか
中国からの訪日外客数は、中国のいわゆる「ゼロコロナ政策」の影響が尾を引いて、大きな回復はみられていません。しかし中国はコロナ前「インバウンドの最大顧客」であり、回復してくれば一国だけでかなりの訪日客数になると予想されます。
そんな折、在中国日本国大使館は6月13日、中国人向けに観光目的の電子ビザを発給することを発表しました。手続きが電子化・簡素化されたことで、今後は訪日中国人の回復をさらに促進することが期待されます。

食べログネット予約で、大衆点評からも予約を受付
セミナー後半では、株式会社カカクコム 食べログビジネス本部の山方氏より、中国からの飲食店予約動向などについてお話しいただきました。
訪日中国人の半分以上が利用している中国最大級の口コミサイト「大衆点評」の活用は、中国向けのインバウンド対策として効果的です。食べログではコロナ前より大衆点評と連携しており、「食べログネット予約」に在庫を掲載していると大衆点評からも予約が受け付けられるようになっています。

大衆点評からの飲食店予約動向:人気は「焼肉」
そんな食べログのデータをもとに、中国インバウンドの最新トレンドも解説。たとえば、訪日外国人に人気の日本食には寿司やラーメンなどさまざまなものがありますが、大衆点評からの予約で一番人気のジャンルは「焼肉」ということです。

特に和牛の人気が高く、中国版Instagramと呼ばれる小紅書(レッド)でも和牛のハッシュタグは1.2億ビューを集めています。

セミナーアーカイブ動画配信中!
セミナー終盤には視聴者の皆さまよりたくさんの質問をいただきました。飲食店でのインバウンド対策や訪日中国人観光客の効果的な集客方法など、飲食店事業者の皆さまが関心を寄せられている質問一つひとつに登壇者が回答しておりますので、ぜひアーカイブ配信よりご覧ください。
→【アーカイブ配信】中国インバウンド再開目前!食べログ × 訪日ラボ緊急セミナー
セミナー登壇者
山方 李記(株式会社カカクコム 食べログビジネス本部 ビジネス企画部 プロダクトマーケティングチーム)
2016年8月に食べログにジョイン。法人営業や申込業務のDX推進を経て、2020年より食べログ店舗会員向けの情報発信を担当。メルマガの配信内容充実化や効果的なプロモーション企画に携わり、メールの開封率を約2倍に引き上げる。現在は、プロダクトマーケティングチームの一員として食べログ店舗会員向けの商品案内番組ナビゲーターやウェビナー開催、キャンペーン企画に従事。
川西 哲平(株式会社mov 訪日ラボ コンサルティング事業部 部長)
大学卒業後、新卒から通信・モバイルコンテンツ関連の業務に関わり2014年より大手通信事業者で訪日外国人向けのWi-Fiアプリケーションの立ち上げから宣伝、 販促を担当。当時未成熟市場であった訪日外国人へのプロモーションを各国で積極的に実施し、累計200万ダウンロードを突破させ当時日本で最大規模の利用者数へと成⻑させる。また、全国の自治体や官公庁へWi-Fiの接続データとGPSデータを利用したビックデータのセミナー、 広告のアライアンス・企画・販売にも従事。現在は株式会社movで大手企業や官公庁へのコンサルティングを行う。
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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!
<参照>
JC Connect:大衆点評