日本政府観光局(JNTO)は10月23日、メディアブリーフィング(メディア向けの報告会)を開催。「訪日インバウンド観光の最新動向」について、JNTOの取り組みと成果を報告しました。
インバウンド市場における最新のデータや取り組み事例が共有された他、9月に開催されたアドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)の成果や、複便・新規就航を活用した訪日プロモーション(地方路線販売促進等)などについて報告がありました。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
水際対策緩和から1年。インバウンド観光の動きは
2022年10月の水際対策緩和から1年が経ちました。ここまで毎月コロナ前からの回復率が上がっており、9月データではついに2019年同月比96.1%のところまで回復しています。

韓国、豪州、タイ、シンガポールといったインバウンド観光においてライバルとなる国の回復率は、いずれもコロナ前65〜80%の範囲にとどまっており、日本は「他の国と比べても回復率が高い」と指摘しました。
「今後は東アジアをいかに戻せるか」が鍵になるとして、東アジアのリピーターによる訪問意向が高い、地方の空港への複便支援に言及しました。
JNTOによる「地方便の復便」促進の取り組み
JNTOは航空会社、旅行会社と連携し、主に東アジア市場をターゲットとした地方訪問促進キャンペーンを展開。
台湾市場では、LION TRAVELとの地方路線利用ツアーの販売促進を実施しています。2週間で4,200人以上が予約し、仙台線利用の東北商品や、福岡線利用の九州商品が人気となったということです。東北商品については、販売開始後10日程度で初期掲載商品が売り切れとなるほど、大きな反響を得たといいます。
また、香港・タイ市場に向けてPeach Aviation、台湾・タイ市場に向けてKlookとそれぞれ連携し、割引クーポンなどを利用して地方誘客をはかっています。
オーバーツーリズム対策でも地方誘客がキーワードに
政府が先日発表したオーバーツーリズム対策パッケージ案に則り、JNTOでは以下3点を柱に取り組むとしています。
- マナー啓発等:ウェブサイトやセミナー等を通じて、手ぶら観光といった旅ナカでのお役立ち情報や、「責任ある旅行者(レスポンシブル・トラベラー)」としての行動の促進などを進める
- 地方誘客の促進:地方便の復便促進や、アドベンチャートラベルの推進、アジアにおける大規模キャンペーン事業など、地方への誘客を意識して事業を展開。旅行者の分散化へ
- 日本国内の各地域の実情に応じた対応:地域によってオーバーツーリズムの状況は異なるため、実情に合わせて対策を行う
JNTOではこれまでも地方誘客の促進を中心に、これらの対策に取り組んできたと強調。今後は各地域の実情を聞き、「きめ細かな対応」を行っていくとしました。
関連記事:政府、オーバーツーリズム対策案を公表 地方誘客促進・タクシー不足への緊急措置など盛り込む
ATWS2023の成果:参加者満足度90%超、今後はガイドの不足が課題に
また、先日開催されたアドベンチャートラベル・ワールドサミットについても報告がありました。
参加者へ向けたアンケートでは、Japan Lounge(商談会における日本ブース)への満足度や、PSA・DOA(サミット開催地で行われるアドベンチャートラベル体験ツアー)の満足度が、いずれも90%を超えたことがわかりました。

また、日本でのアドベンチャートラベルについて、興味関心が高い体験として挙げられたのが「ハイキング&ウォーキング」で138名。続いて「ネイチャーツアー」が123名、「地域住民との交流」が111人名、「飲食」が106名、「伝統文化体験」が105名と続いています。
今後は質のよいガイドの不足が課題に。英語などの語学力もさることながら、旅行者のニーズに合わせてストーリーを語ったり、危機管理の知識を伝えたりといったスキルを持つガイドが必要になってくるとしました。
MICEでもサステナビリティの取り組みが重要に
ビジネス層の会議やインセンティブ旅行等を誘致するMICE分野では、「2030年までに国際会議の開催件数を世界5位以内に」などの高い目標を掲げています。
MICE分野でもサステナビリティの取り組みが注目されているといい、MICE誘致の際にたとえば廃棄物の管理方法、使い捨てプラスチックの使用率、公共交通機関の充実度、再生エネルギー利用率などをもとに審査される場合があるということです。JNTOではサステナビリティ特設ページを公開するなど、情報発信を続けるとしています。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
【7/16開催】【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※
外食店舗、支援サービス、業界のトップ企業が集結!
さらに、有名飲食店や外食産業を牽引する企業による特別基調講演も開催。
成功企業のリアルな戦略や、これからの外食業界を生き抜くヒントがここに詰まっています!
最新のトレンドを知り、トップ企業の成功ノウハウを学びたい方、
業界の最前線で活躍する企業とつながり、新たなビジネスチャンスを掴みたい方にぴったりのイベントです。
今こそ、業界の未来を共に創る一歩を踏み出しませんか?
皆さまのご参加をお待ちしております!
<応募者特典>
-
イベント登壇企業の各種お役立ち資料
※口コミアカデミー内でのアーカイブ配信は予定しておりません -
本イベントのアーカイブ動画(1週間)
<本セミナーのポイント>
- 有名飲食店&業界をけん引する企業の基調講演 - 成功企業の戦略や実例を直接学べる貴重な機会!
- 外食業界の最新トレンド&成功ノウハウが手に入る - 変化の激しい市場で勝ち残るための最前線情報をキャッチ!
- 外食業界を支える最新サービス&ソリューションの紹介 - 飲食業界の課題解決につながるアイデアが満載!
- トップ経営者や専門家が語る「成長の秘訣」と「業界の未来」
- 業界をリードする企業が実践するプロモーション戦略やDX事例を公開!
- 効率化や売上向上につながる最新ツール・サービスを知るチャンス
詳しくはこちらをご覧ください。
→【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※【7/16開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!