1月17日、日本政府観光局(JNTO)は訪日外客統計(2023年12月および年間推計値)を発表しました。
統計によると、2023年の訪日外客数は2,500 万人を突破。2019年比では78.6%にとどまったものの、 2023年12月の訪日外客数は273万4,000人と2019 年同月比で108.2%となり、急速な回復を見せています。
また同日には、観光庁が訪日外国人消費動向調査を公表。訪日外国人の消費活動も活発になっている様子がうかがえます。
本記事では、それらの最新データを交えて、香港市場のインバウンド動向について解説します。
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2023年の訪日香港人客数は211万4,400人。9月以降コロナ禍前の水準まで急速に回復
日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客統計によると、2023年の訪日香港人客数は211万4,400人でした。2019年比で92%まで回復していて、ピークとなった2017〜2019年の水準まであと一歩の結果となっています。

一方、訪日香港人客数の年間推移を見てみると、2023年9月以降は2019年の同月とほぼ同じ水準で推移。香港での旅行代金の高騰によって回復の鈍化が懸念されていたものの、下半期に突入し、インバウンドにおける香港市場が急速に回復してきたことがわかります。

その理由として、香港と日本を結ぶ直行便が回復したほか、地方路線の運行再開や新規就航が大きく貢献しているだけでなく、紅葉時期による訪日需要の拡大などが挙げられます。
訪日外国人客数を国・地域別に見ると、香港は4番目に多い結果となりました。全体に占める割合も伸ばしており、2019年の訪日香港人客数は229万人で7.2%でしたが、2023年には211万人で8.4%となっています。
回復傾向にある訪日需要において、香港の存在感がますます大きくなっていることを感じさせる結果となっています。

2023年の訪日香港人消費額は4,795億円で世界5位。2019年比136%で急成長
訪日香港人客数は2019年比で92%に減少したものの、訪日香港人の消費額は2019年より高くなっています。
観光庁が1月17日に公開した訪日外国人消費動向調査によると、2023年の訪日香港人の消費額は4,795億円で、2019年比で136%となりました。3か月ごとの推移を見ても、いずれの時期も2019年を上回っています。

過去10年と比較しても2023年の訪日香港人の消費額は圧倒的に高く、訪日香港人の消費が新型コロナウイルス感染症拡大前よりも活発になっていることがうかがえます。

訪日外国人の消費額を国・地域別に見てみると、2023年の訪日香港人の消費額は台湾、中国、韓国、米国に次いで5番目でした。
2019年より順位はひとつ落としていますが、2023年の訪日外国人旅行消費額の全体が5.3兆円と過去最高を記録したなか、香港が全体に占める割合は7.3%から9.1%に伸びています。

訪日香港人の消費額を種目別に見ると、買物代が1,505億円、宿泊費が1,472億円、飲食費が1,125億円、交通費が479億円、娯楽等サービス費が212億円でした。
買物代と飲食費の割合が2019年比で若干減った一方で、宿泊費が30%から31%と買物代と同等の予算が割かれるようになったことがわかります。モノよりも旅ナカでの体験、いわゆる“コト消費”を重視する傾向が高まっているようです。

2023年の訪日香港人の一人あたりの旅行支出は22万7,160円でした。全体平均の21万2,193円よりも高い水準を誇り、アジア圏では中国、シンガポール、インドに次いで4位となっています。
一方で、日本との距離が近く宿泊日数が短い傾向にあるため、現時点では爆発的な伸びは期待できない状態です。
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<参照>
JNTO:訪日外客数(2023年12月および年間推計値)
観光庁:訪日外国人消費動向調査
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