台湾・欧米豪市場の特徴をアンケートから解剖!訪日目的や予約タイミングなど、インバウンドの最新動向を分析

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2024年5月の訪日外国人は304万人と、3か月連続で300万人を超えました。急回復を見せるインバウンド市場の中心となっているのは、台湾・香港や欧米諸国からの観光客です。

そこで、台湾・香港人向けの訪日情報サイト「ラーチーゴー(樂吃購)」と英語圏向けの訪日メディア「ジャパンガイド」は、台湾・欧米豪市場それぞれの訪日旅行動向に関する共同調査を実施。

アンケートの分析結果から、欧米豪や台湾・香港からの訪日客が、

  • どのような目的で訪日したのか
  • どのようにして前準備をしているのか
  • 日本では何を買うのか

などが見えてきました。

「ラーチーゴー」と「ジャパンガイド」、訪日客向けに共同調査を実施

台湾・香港人向けの訪日情報サイト「ラーチーゴー(樂吃購)」と英語圏向けの訪日メディア「ジャパンガイド」は、台湾・欧米豪市場それぞれの訪日旅行動向に関するアンケート調査を実施しました。

調査期間はラーチーゴーの調査が2023年、ジャパンガイドの調査が2024年4月で、2社合わせて約5,000名の訪日客から回答を得ています。

訪日目的は?日本食の人気は健在!

はじめに「訪日目的は?」という問いに対しては、台湾・香港、欧米豪ともに「日本食」がトップとなりました。他にも「自然・景勝地」「日本の日常生活体験」や「歴史・伝統文化体験」が訪日の目的に選ばれているようです。


一方で、訪日初心者層が多い欧米豪と、リピーターが多い台湾・香港で、異なる傾向も見えてきます。

リピーターが多い台湾・香港では、スキー・スノーボードなど、日本の代表的観光地以外を巡る観光にも興味を示していることがうかがえます。一方で、スキー・スノーボードの欧米豪の割合は少なめ。訪日初心者が多い欧米豪では、歴史・伝統文化体験や景勝地などの定番コンテンツが人気です。

また、欧米豪では「繁華街」「ミュージアム」などが多いのに対し、台湾・香港では「ショッピング」が多いという結果となりました。欧米豪のほうが(比較的ですが)体験コンテンツを重視する傾向にあるようです。

一方、本調査では台湾・香港、欧米豪ともに「ポップカルチャー」や「映画・アニメ聖地訪問」が少ない結果となりました。日本のポップカルチャーは海外でも人気ではあるものの、「聖地巡礼」を訪日目的としている人は少ないようです。

地域のリピーターは台湾・香港では約8割、欧米豪でも半数以上

「日本の同じ場所に再訪したことがあるか?」という問いに対しては、台湾・香港は78%、欧米豪では56%が「再訪したことがある」と回答しています。


台湾・香港からの観光客はリピーターが多いことで知られています。ラーチーゴーの萬歳氏によると、台湾・香港の人は東京などの主要都市にはすでに複数回訪問している人が多いそうです。

また、「ラーチーゴー」や「ジャパンガイド」といった訪日メディアを利用するユーザー層は、訪日旅行に対する熱量が高いというのも理由としてありそうです。欧米豪で約半数が同じ場所への再訪意向を示しているというのは、日本に何度も来るのが難しい距離感であることを考えると、かなり高い割合だと考えられます。

航空券の予約動向は?

「航空券の予約手段は?」という問いに対しては、両者ともに「航空会社のサイトやアプリ」の割合が最も高くなっています。また、「旅行代理店」は4割近くの台湾・香港人が利用するのに対し、欧米豪では10%強と30ポイントもの差が開きました。


萬歳氏によると、台湾・香港からの観光客は、ツアーやパッケージを利用する人が比較的多いのだそう。近年では個人旅行客(FIT)が増えてきているものの、まだ団体旅行や個人のパッケージツアーといった旅行形態も見逃すことはできないようです。

航空券の購入は3か月以上前からが多い。欧米豪では4割以上が半年以上前から準備

「航空券を予約するタイミング」への回答割合で最も多かったのは、台湾・香港では「3か月〜半年前」で48%、欧米豪では「半年以上前」で43%でした。


高倉氏によると、欧米豪はかなりリードタイムが長い傾向にあるようです。「ジャパンガイド」内のユーザー同士が情報交換を行うページでは、今年の春の時点で来年の桜の話題が出ているとのこと。欧米豪からの観光客は、早ければ1年前から、長期にわたって計画を立てていることがわかります。また、距離的に近い台湾・香港でも3か月以上前には航空券を予約しており、念入りに準備をしてから訪日する人が多いことがわかります。

宿泊施設の予約動向は?宿泊予約にはOTAが人気

「宿泊施設の予約チャネルは?」という問いには、両者ともにbooking.comやhotels.comなどの「OTA」が最も多い結果となりました。航空券と同様に、旅行代理店は台湾・香港の方が多く利用されています。


宿泊施設は「3か月〜半年前に予約」が約半数

「宿泊施設を予約するタイミングは?」という問いに対しては、両者ともに3か月〜半年前が最も多くなりました。


台湾・香港では、航空券をとるタイミングが欧米豪よりも遅かった一方、宿泊予約のタイミングは欧米豪と似たような結果を示しました。旅行代理店などを経由して、航空券と同じタイミングで宿泊施設を予約する人が比較的多いことがわかります。

一方で、航空券の予約は「半年以上前」が最多だった欧米豪では、航空券を取ってから宿泊施設を予約するまでに、少し間が空く傾向にあることがうかがえます。

体験ツアーの予約動向は?

「体験ツアーやチケットの予約チャネルは?」という問いでは、台湾・香港ではOTA、欧米豪ではツアー会社から予約する人が多いことがわかりました。


萬歳氏によると、台湾・香港では「KKday」「Klook」が人気のOTAのようです。また、欧米豪と比べて宿泊日数が短いため、ディズニーランドやUSJなどのテーマーパークのチケットもOTAで取るそうです。

旅ナカで大きな差が。滞在期間が影響

「体験ツアーやチケットを予約するタイミングは?」という問いに対して、台湾・香港では1か月〜3か月前、欧米豪では事前予約をしない割合が最も高くなりました。


欧米豪は長期滞在が多いことから、事前に予定を決めずに訪日する人の割合が高くなっています。「旅ナカ」に注目すると、台湾・香港は2%、欧米豪は14%でした。これにより、台湾・香港の方は、予定を決めてから訪日する人が多いことがうかがえます。

訪日旅行で重視するポイントや人気商品は?

「特別な訪日旅行のために特に予算をかけられることは?」という問いでは、「食」や「季節体験」に予算をかける人が多くなりました。「景観」の項目は欧米豪の方が多く、差が出ています。

台湾・香港の人はリピーターが多いため、食や宿泊にお金をかけていることが考えられます。


台湾・香港では「76%」が買い物するものを決めてから訪日

「日本で買い物したいものを事前に決めて来日する?」という問いでは、結果が大きく分かれました。台湾・香港では、「だいたい決めている」割合が76%でほとんどを占めています。一方で欧米豪では、「全く決めていない」「ほとんど決めていない」割合が6割を占めています。


台湾・香港の人は、事前に「買い物リスト」を作ってから訪日するといわれています。萬歳氏によると、台湾人旅行者が日本滞在中に、LINEなどで買ってきて欲しいものが台湾の知り合いから送られてくるのだそうです。

台湾・香港では「薬」が人気!? 欧米豪に人気の商品は◯◯

最後に「次回訪日時に購入したいものは?」という問いでは、台湾・香港と欧米豪で人気なものが分かれる結果となりました。そもそも回答率も台湾・香港の方が高いことや、特に「お菓子」「薬」「美容・化粧品」といった項目で差が開いていることがわかっており、買い物を目当てに来る人の割合に差があることがうかがえます。


一方の欧米豪では、「アパレル」が多い結果となりました。高倉氏によると、現地で「富士山」と書いているTシャツを着るなど、現地体験の一つとして楽しんでいるのではないかと述べています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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