国際航空運送協会(IATA)は、2024年5月の世界の旅客需要に関するデータを発表しました。
発表によると、5月の世界の航空総需要(RPK)*は前年同月比で10.7%増加し、総供給量(ASK)は8.5%増加しました。5月の世界全体での搭乗率は83.4%で、前年同月比で1.7ポイント増加し、5月としては過去最高を記録しています。
また、国際線需要は過去最高となり、夏のピーク期間に向けて航空旅行の需要は引き続き堅調であることが示されました。
*RPK(Revenue Passenger Kilometers)…有償旅客キロ(有償旅客数×輸送距離)
*ASK(Available Seat Kilometers)...有効座席キロ(総座席数×飛行距離)
関連記事:
国際線は14.6%増加で過去最高
続いて、国際線需要(国際線RPK)は前年同月比で14.6%増加し、過去最高を記録しました。国際線供給量(国際線ASK)は前年同月比14.1%増加し、搭乗率は前年同月比0.3ポイント増の82.8%を記録しています。
国際線市場の成長を牽引したのは引き続きアジア太平洋地域です。同地域は前年比27.0%の成長を記録し、業界全体の成長率(前年比増加分)の42%を占めています。
その他の地域の国際線RPKは、中南米が前年同月比15.9%増加を記録。次いで以下の地域が増加を記録しました。
- アフリカ(14.1%増加)
- 欧州(11.7%増加)
- 中東(9.7%増加)
- 北米(8.1%増加)
成長率は4月と比べると鈍化しましたが、引き続き堅調に推移しています。

国内線は中国を中心に堅調に推移
国内線需要(国内線RPK)は前年同月比で4.7%増加し、国内線供給量(国内線ASK)は前年同月比0.1%増加しました。搭乗率は前年同月比3.8ポイント増の84.5%でした。
市場を牽引したのは中国です。労働節に伴う旅行需要の急増などを理由に、前年同月比7.6%を記録しました。中国以外ではアメリカが前年同月比6.0%増加、インドが4.6%増加と続きます。
2024年4月に前年同月比6.5%増加を記録したブラジルは、5月は0.6%増加と成長率は大幅に減少。同じく2024年4月に8.4%増加を記録したオーストラリアも、5月は4.4%増加となっています。
また日本は2ヶ月連続で減少し、前年同月比では1.8%の減少となりました。IATAは、2023年後半の特徴であった国内消費の低迷と、同時に低下した航空需要について言及しています。その後は好意的な推移を見せているものの、搭乗率は前年比で1.1%低下。発表された分析では、今回見られた減少は旅行需要の若干の緩和を示している可能性があるといいます。

ピーク期間に向けて業界全体で準備が必要
また、6月および7月のチケット販売予約は前年比5.8%増加しており、国内旅行は3.5%、国際旅行は9.0%増加しています。5月の需要データと合わせて考えると、ピーク期間に向けて航空旅行全体の需要は引き続き堅調であることが予測されています。
この結果を受け、IATAの事務局長のウィリー・ウォルシュ氏は「成長傾向は衰える気配がありません」と述べ、旅行需要の堅調さを強調しました。一方で、ヨーロッパや北米で大規模な遅延が発生したことにも言及しています。
「航空会社は、北半球の夏のピーク期間中にすべての旅行者のスムーズな旅行を確保するためにできる限りのことを行っています」と述べつつも、航空交通管制サービス提供者(ANSP)のパフォーマンス改善が必要であるとの見解を示しました。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
国際航空運送協会 (IATA) :Passenger Demand Up 10.7% in May
国際航空運送協会 (IATA) :May Air Passenger Market Analysis
【11/6開催】ホテルトレンドLIVE! Vol.4 〜ホテル内レストランの顧客ニーズを深掘りする口コミ分析〜

ホテル内レストランでは、「口コミが増えない」「お客様の声をどう活かせばいいかわからない」といったお悩みを多く伺います。
宿泊者以外の利用を広げていくためには、レストランを利用者が見つけやすくし、検索から来店までの導線を整えることが重要です。
そこで本セミナーでは、実際の口コミデータをもとに、顧客のリアルな声から課題や改善点を見つけ出し、集客・満足度向上につなげる方法をわかりやすく解説します。
<セミナーのポイント>
- 宿泊業界のデジタルマーケティングに精通したエキスパートに直接質問できる!
- 口コミデータを活かした事例が学べる!
- ホテル内レストランの口コミ分析から、顧客の“本音”を読み解くコツがわかる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→【11/6開催】ホテルトレンドLIVE! Vol.4 〜ホテル内レストランの顧客ニーズを深掘りする口コミ分析〜
訪日ラボ主催「THE INBOUND DAY 2025」アーカイブ配信中!

訪日ラボを運営する株式会社movが8月5日に開催した、日本最大級のインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」のアーカイブ動画が公開中です。
アーカイブ配信では、元大阪府知事の橋下 徹氏と大阪観光局理事長の溝畑 宏氏による基調講演のほか、脳科学者の茂木 健一郎氏、日本文学研究者のロバート・キャンベル氏、アパグループ 社長兼CEOの元谷 一志氏などの貴重な講演の様子を一挙公開(一部を除く)。
参加できなかった方はもちろん、もう一度議論を見直したい方も、ぜひご覧ください。
【インバウンド情報まとめ 2025年10月後編】観光庁長官、万博は「訪日客誘客に一定の効果」 ほか

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に10月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→観光庁長官、万博は「訪日客誘客に一定の効果」 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年10月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
 
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!











