7月16日、世界141の国と地域でホテルなどの運営を手がけるマリオット・インターナショナルは、6か国1,202名の富裕層を対象に実施した「ラグジュアリー・トラベル」に関する意識調査の結果を発表しました。
本調査により、富裕層旅行者の旅行嗜好など最新の傾向が明らかになりました。
ラグジュアリー旅行者向けの調査(マリオット・インターナショナル)
調査は4月18日〜5月13日にかけて、主にレジャー目的で海外に頻繁に旅行する1,202名を対象に行われました。
対象地域は、アジア太平洋地域のオーストラリア・シンガポール・インド・インドネシア・韓国・日本の6か国で、各国で最も裕福な10%が対象となっています。
主な質問項目として、「どこに行くのか」「なぜそこなのか」「どのくらい行くのか」「誰と行くのか」「なぜ旅をするのか」の質問から回答を得ました。
ラグジュアリー旅行者の約7割、旅行支出が増加
この調査では、68%の回答者が今後1年以内に旅行支出の増加を予定していると回答し、特にインド人は89%が増加予定と回答しました。
回答者の74%は旅行を計画していると回答し、全体の25%にあたる4人に1人が記念日などのお祝いとして旅行を計画していました。また、旅行期間が長期化し、頻度も増加していることが分かりました。
今後1年以内に平均6回のレジャーが計画されており、33%が7回以上の旅行を計画しています。滞在期間を平均すると、短期滞在では3泊、長期滞在では2週間半となりました。そして、ほとんどの人が家族や友人との旅行を選んでいます。
人気旅行先、2位に日本(6か国中)
最も人気のある旅先は、オーストラリアで全体の46%。続いて、日本(42%)・香港(27%)という結果となりました。
オーストラリア・シンガポール・インド・インドネシア・韓国・日本の6か国のみが対象となっていることには留意すべきですが、高所得者が多いシンガポールや、リゾートのイメージが強いインドネシアなどがいる中での2位であることは押さえておくべきでしょう。
旅行の目的は食
旅の目的として、88%の人が「食」を目的に旅先を選んでいます。ほぼ半数の49%が理想的な夜の過ごし方を高級レストランでの食事と回答しており、食に対する意識の高さがうかがえます。また、81%はホテルを選ぶ際に高級レストランの選択肢を基準に選択しており、83%は有名レストランを訪れることができる旅先を選んでいることが明らかになりました。
ビジネスやウェルビーイングを求める旅行者多数
この調査によって、富裕層旅行者の以下の3つのペルソナ(顧客像)が明らかになりました。
- ベンチャー旅行者
- エクスペリエンスの目利き
- 時代を超越した冒険家
ベンチャー旅行者とは、ビジネスとレジャーを組み合わせた旅行者のこと。家族や恋人と休暇を楽しむ一方、旅行先でビジネスを求めており、地元コミュニティとビジネス上での繋がりを築こうとする人です。
エクスペリエンスの目利きとは、主にミレニアル世代で構成され、自身の心の豊かさを求める手段やウェルビーイングへの投資として旅行を計画します。このような人たちは、自分に合った特別な体験を求めています。
時代を超越した冒険家とは、65歳以上のシニア旅行者という固定観念を打ち破り、目的地に深く浸ろうとする熱血探検家。観光名所には関心がなく、その土地ならではの雰囲気を与える要素やその土地をユニークで思い出深くしているものへ関心があります。
明らかとなった富裕層旅行者の傾向
今回の調査から、富裕層旅行者の傾向が明らかとなりました。富裕層がラグジュアリー・トラベルを選ぶ主な理由は「食」にあり、88%の回答者が食を中心に休暇を計画していることが分かりました。また、最も価値のあるラグジュアリー体験は、没入感あふれる洗練された空間で過ごすことであり、80%が洗練された職人技や精巧なデザインに囲まれることを求めているとのこと。その土地の郷土料理を探求することが好まれ、現地ならではのものを体験することへの需要も高いです。
富裕層をターゲットにすることは、観光消費額の増加だけでなく、その土地の産物が富裕層に認められることで大衆の憧れとなることも期待されます。
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<参照>
マリオット・インターナショナル:アジア太平洋地域における6つの市場の富裕層旅行者を対象に幅広い調査を実施
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