共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する株式会社ロイヤリティマーケティングは、「訪日客向けの二重価格に関する調査」の結果を発表しました。
※ここでの「二重価格」とは、主に訪日観光客を対象とし、商品やサービスの価格を国内居住者向けより高く設定することを指します。
本調査は二重価格の認知や賛否について聴取するもので、2024年2月調査に続き2回目の調査となっています。
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調査概要
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2024年7月8日〜7月12日
- パネル:「Pontaリサーチ」会員
- 調査対象:国内居住10〜60代の方
- 有効回答数:1,200名
調査結果
ロイヤリティマーケティングの発表によると、前回の調査よりも二重価格に対する認知が広がり、賛成のポイントも増加しました。以下で詳しく紹介します。
前回調査よりも二重価格の認知率は高い結果に
まず二重価格の認知率についてです。
二重価格の認知率は、「知っている」(36.2%)と「聞いたことがある気がする」(25.8%)の合計62.0%となりました。前回調査の42.2%から19.8ポイントの上昇となりました。

69.5%が二重価格に賛成
次に、二重価格を設定する賛否についてです。二重価格に賛成の回答者は、「賛成する」(40.9%)と「やや賛成する」(28.6%)の合計69.5%となり、前回調査の58.3%から11.2ポイント上昇しました。
賛成派からは、「自身も旅行の際に二重価格と似たような経験をしたから」「オーバーツーリズム対策の一環になる」「円安だから」などの意見が挙がりました。
一方、反対派としては、「日本のおもてなし精神への評価が下がる」「観光客に対し失礼」「不平等」などの意見がありました。

二重価格が許容できる場所は「文化施設」「自然保護区」が半数超え
国内で二重価格が許容できる場所については、「文化施設」(55.1%)「自然保護区」(52.9%)がそれぞれ半数を超える結果となりました。
一方、二重価格を「許容できない」は2割強にとどまり、特定の施設における二重価格の導入を許容する意見が多く見られました。

「料金差の基準」「使用目的」の明確化で納得感を生むとの意見多数
二重価格の納得感を高めるには、どのような情報が必要かについても調査されました。多かった回答は、「料金差の基準が明確であること」(58.2%)「使用目的が明確であること」(52.4%)となっています。
二重価格のデメリットは「特になし」が半数弱
二重価格のデメリットに関しては、「特になし」が45.8%と半数弱を占め、次点で「差別的な印象を与える」(36.2%)との意見が多くなっています。

一方で二重価格のメリットに関しては、「観光資源の維持管理」が49.3%と最も多い回答となりました。

全体としては賛成派の意見が多数となっていますが、一部差別的な印象を懸念する回答もみられます。価格設定の基準や目的を明確化することで、訪日旅行者に「納得」してもらえるかが鍵となりそうです。
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<参照>
株式会社ロイヤリティマーケティング:訪日客向けの二重価格に関する調査 二重価格の認知率は62.0%。「賛成」が2024年2月調査の58.3%から69.5%に伸長
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