国際航空運送協会(IATA)は、2024年8月の世界の旅客需要に関するデータを発表しました。
発表によると、8月の航空総需要(RPK)は前年同月比で8.6%増加し、総供給量(ASK)は6.5%増加。搭乗率は86.2%で、過去最高を記録しました。
特に国際線需要はすべての市場で前年同月比を超える成長を示し、全体で前年同月比10.6%増という結果に。国際線と国内線のチケット販売はともに加速しており、今後の航空旅行需要は前年に比べてさらに増加する予想です。
*RPK(Revenue Passenger Kilometers)…有償旅客キロ(有償旅客数×輸送距離)
*ASK(Available Seat Kilometers)...有効座席キロ(総座席数×飛行距離)
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国際線では:すべての市場で需要増を記録
世界の国際旅客需要については、2024年8月の前年同月比で10.6%増加しました。成長を牽引するのは引き続きアジア太平洋地域です。同地域の航空会社は、前年同月比で19.9%の需要増を達成。依然として力強く成長しており、パンデミック前の水準まであと少しといった状況です。
そのほか、ラテンアメリカ地域が前年同月比13.6%増、アフリカ地域が10.1%増と、二桁成長を記録。欧州の航空会社も前年同月比9.1%の需要増となり、すべての市場で前年同月比を超えました。
8月から9月の旅行における航空チケットの販売数は、前年同期比で6.6%増加しており、9月以降のさらなる需要の増加も見込まれます。

国内線 中国が牽引、日本も需要増
2024年8月の業界全体の国内線需要は、前年同月比で5.6%増加しました。市場別では、中国が前年同月比10.7%増を記録し、市場の成長を大きく支えています。2位の日本は前年同月比7.6%増で、3か月連続で過去最高を記録。3位はアメリカの5.5%増、4位はインドの5.0%増と続きます。4月以降、国内線需要を拡大していたブラジルは8月に入り大きく減速し、前年同月比4.9%増となりました。
8月から9月にかけての旅行に関する国内チケット販売は前年同期比で4.3%増加しており、引き続き堅調な成長が期待されています。

需要に対してインフラ不足が課題
過去最高の搭乗率を記録するなど、世界の航空需要は引き続き成長傾向を維持しています。9月以降のチケット予約も好調で、引き続き需要の増加が見込まれます。
IATA事務局長ウィリー・ウォルシュ氏は「航空旅行市場は好調。サプライチェーンの問題やインフラの課題にもかかわらず、航空会社は増加する旅行需要に的確に対応している」とコメント。一方で、今後も強い需要増加が続くと予想されるなか、インフラの容量不足など懸念点も示しました。
ウォルシュ氏はさらに「十分なインフラ容量を確保するためには大胆な決断が必要。特に空港は現在持っているリソースを最大限に活用するべきであり、そのためには最も成果を上げている空港インフラを模倣するべきだ」と述べています。
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国際航空運送協会 (IATA):Passenger Demand Up 8.6% in August: Load Factor Reaches Record High
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